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第三章
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しおりを挟む「まあ、アルメディア様?そのように格下の令嬢に構っていてはなりませんよ?」
え?
ヒロインちゃんと猫様たちに囲まれていると、よく知らない女生徒に声をかけられた。
確か、アクドーイ公爵令嬢だったか・・・?
金色の髪にビシッと決まった縦ロール。
間違いない乙女ゲームの中で私の取り巻きの一人だったアクドーイ公爵令嬢だ。
「あらあら、貴族たるもの公平であらねばなりませんわ。産まれの違いで差別はよろしくなくってよ?」
悪役令嬢モードで、アクドーイ公爵令嬢に接する。
もふもふの時間を邪魔するなんて誰であっても許せませんわ!
膝の上の凪も警戒して毛が逆立っている。
ヒロインちゃんの腕の中にいるティーガ様は警戒心もなくただ面白そうにことの成り行きを見守っているようだ。
「あら?アルメディア様ともあろうものが何をおっしゃっていますの?高位貴族の威厳はどうしましたの?そんな平民かぶれの令嬢と一緒にいたから平民臭さが移ってしまったのかしら?」
アクドーイ公爵令嬢はどこからか取り出した扇で口を隠しながら「ほほほ」と笑う。
なぁ~んか嫌な感じの人だなぁ。
ゲームではほとんどしゃべってなかったから分からなかったけど、こんな人だったんだ。
「平民がいないと国は成り立ちませんわ。平民を馬鹿にするのではなく大切になさいませんと、国が傾きますわよ?」
「なにを馬鹿なことを。私たち高位貴族がいるからこそ平民が生きていけるのです。平民などいなくとも国は正常に機能いたしますわ」
そう言って、アクドーイ公爵令嬢は笑った。どうやら本当にそう思っているようだ。
貴族は農耕を行わない。牧畜も行わない。
誰が国の食料を供給しているというのだろうか。平民や農民だ。
平民や農民がいなくなってしまえば、国の食料事情が悪くなるというのに・・・。
「そう。貴女と私は相容れないようね。別に私はそれでも構わないわ。どうぞ、高位貴族の皆様とだけ仲良くなさるといいのですわ」
「ふんっ!そんなことをおっしゃって後悔なさっても遅いわよ!」
アクドーイ公爵令嬢はそんな捨て台詞を吐いて、颯爽と去っていった。
「酷いのが来たわね・・・」
「ゲームの中でのアルメディア嬢もあんな感じだったわよ」
冷静なツッコミがヒロインちゃんの口から飛び出した。
ああ、そうだった。
アルメディアもこんな感じだったか・・・。
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