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第二章

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「そう言えば、アルメディア嬢。貴女、今イベントになるところだったわよ?」



イベント?

悪役令嬢のイベントなんてヒロインちゃんを苛めたり、虐めたり、階段から落としたり、断罪されたりするくらいじゃなかったっけ?



「わからないって顔をしているわね。私のイベントがあるじゃない。私がアルメディアとぶつかって、いちゃもんつけられていると私の幼馴染みのルークがやってくるイベント!」



「ああ、そう言えばあったわね。そんなイベント。ヒロインちゃんもナギ様見てよそ見していたの?」



「違うわ。私とアルメディアの立場が入れ替わっていたわ。それに、ほら、あっちを見て」



そう言ってヒロインちゃんが指をさした方を見ると・・・。



げっ、あれはヒロインちゃんの幼馴染みのルークじゃない。



「なんて?」



「だから、イベント進行中。」



「いやいやいや。私、面識ないんだけど・・・。」



「ほんっと、シナリオ通りに動かないわね。というか、アルメディアが猫が好きすぎるから、イベントがめちゃくちゃなのよ!しかもさっき、魔法使ったでしょ?」



魔法?

使った覚えはないんだけど。

そもそも、私は魔法が使えない。魔力だってすっからかんだし。



「私、魔法使えないわよ?」



「じゃ、猫への愛で無意識に使ったのね」



「無意識にってそんなことあるの!?」



「アルメディアだもんね。なにしたって驚かないわよ」



そうか。

魔法使えたんだ私。

そんなこんな、ヒロインちゃんと話していると、ルークがそばまでやってきていた。

ルークはヒロインちゃんの幼馴染みでヒロインちゃんラブな人だ。そして、乙女ゲームでは唯一選択しを間違うとヤンデレ化するやっかいな人物だ。



「アルメディア嬢!!」



なんか、怒鳴られるように名前呼ばれた。

あれか、ヒロインちゃんに喧嘩売ってるとでも思われたのかしら。

それとも、魔法を使って窓ガラスを割ってしまったことかしら。



わからずに首を傾げていると、突然、ルークに抱き締められた。



「会いたかった!アルメディア嬢に会いたいってアンナに言っても無視されるし!邪魔されるし!」



はぁ?



「どういうこと?」



うまく頭が働かない。

てっきり、ヒロインちゃんをいじめていると勘違いされたんだと思ったんだけど、違ったのか。

しかも、私に会いたかったってどういうこと?

なぜ、ヒロインちゃんじゃなくて私??



「シナリオから外れたんだって。アルメディアの猫好きってこの学園で有名でね。注目されているのよ。ルークもその一人。ルークって一番やっかいだからアルメディアに会うの邪魔してたんだけどねー。変な風に強制力が働いているみたいだね」



「まじか。

テキドーラ様。放してくださいまし」



ルークの肩を押し、体を離させる。



「冷たい・・・。猫だとあんなに優しいのに。甘やかしてくれるのに・・・。」



ああ、めんどくさい。

ヒロインちゃんに助けてと視線を送るが、そこにヒロインちゃんの姿はなかった。



逃げやがったな・・・。



ルークの扱いよくわからないのに。

しかも、猫に嫉妬しているってどういうことよ。

ルークのシナリオほとんどすっ飛ばしたんだよねぇ。あんまり好きなタイプじゃなかったし、適当に選択し選んで適当にクリアしたんだよなぁ。

というか、ルークってどの選択しを選んでも、ちょろいんだよね。

どうしたものか。

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