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第一章
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「ちょっと無視しないでよ!」
ヒロインちゃんを無視して、ティーガとクロロに癒されていたが、許してくれなそうだ。
「はぁ。なんですの?」
猫様たちと一緒にヒロインちゃんに向かい合う。
そこには、ヒロインとは思えないほど目をつり上げたヒロインちゃんこと、アンナ嬢が仁王立ちをしていた。
「淑女が足をそんなに開いて立っていてはみっともなくてよ。王太子妃になりたいのなら、立ち居振る舞いもちゃんとなさった方がよろしいのでは?」
「うるさいわね!そんなことはどうでもいいの!!それより、あんた悪役令嬢のくせしてなんで、クロロまで手なずけてるのよ!」
ああ、めんどくさい。
クロロも、攻略対象の猫でしたっけ。
近寄ってきたクロロを邪険にすることなんて、できないからうっかりお膝に乗せてしまいましたわ。
クロロはキリッとした目と、すんなりとした姿態が綺麗でうっとりするほどだ。
ただ、クロロは警戒心が強い。
ゲームではこの警戒心の強いクロロとどう仲良くなるかが鍵なのだが、この世界のクロロはどうも人懐こいようで、今日初めてあった私の膝に飛び乗ってきた。
「クロロ様はとても人懐こいのですよ。お会いしてすぐに膝に乗ってくださいました。この、しなっとした姿態がなんとも美しいですよね。
それに良く見てくださいまし、クロロ様はただの黒猫ではございません。うっすらとですが、虎模様がございます。
特にここ!」
私は、クロロの眉間を指差す。
「ここの眉間の虎模様!これがなんとも言えない可愛さを醸し出しております。
あーもう可愛い!」
ぎゅっとクロロを抱き締めて頬擦りする。
先ほどから、ティーガもクロロもヒロインちゃんが苦手なのか、私にぴったりとくっついている。
触りたい放題である。
もうヒロインちゃんを無視して、ティーガとクロロを可愛がってやる!
「私が聞きたいのはそうじゃなくって!クロロが、後の宰相になる侯爵家のマクロン攻略のキーの猫なのよ!私に寄越しなさい!!」
そう。クロロ様は攻略キャラの一人、マクロン・ナルニエール侯爵令息に繋がる猫様なのだ。
「差し上げません。そもそも、クロロ様は物ではございません。クロロ様と仲良くなりたいのなら、ご自分で努力なさってください」
この可愛いもふもふは渡しません!
私にぴったりとくっついて威嚇をしていをしている、ティーガとクロロを抱き締める。
まったく、ヒロインなのに何故猫様たちにこんなに嫌われているのかしら。
「渡しなさいってば!!」
私に掴みかかろうとするアンナ嬢。
あ、クロロ様がお尻を高くあげ、尻尾をぶわっと膨らませている。
これは、やばいかも。
「アンナさん、お逃げになって!」
「なによ!なんで私が逃げなきゃ・・・ぎゃっ!!」
あー、言わんこっちゃない。
限界まで怒って敵認定したクロロ様はヒロインちゃんの顔目掛けて跳んだ。
その爪を武器にして。
そうなるともちろん、ヒロインちゃんの顔には引っ掻き傷ができるわけで。
スッキリしたような顔をして、私のもとに戻ってくるクロロ様。
令嬢の顔に傷をつけるなんて、ちょっとやり過ぎだと思うけど。
案の定、ヒロインちゃん顔を押さえて震えてるし。
「アンナ嬢、これを。早く手当てをされた方がよろしいかと」
傷残っちゃいますよ?
そっとハンカチを差し出す。
それを、バッと奪い取るようにして受け取ったヒロインちゃんは
「覚えておきなさいよ!!」
という悪役チックな言葉を残して退場していった。
後に残ったのは優雅に毛繕いをしているクロロ様と、走り去っていったヒロインちゃんをまだ威嚇しているティーガだった。
ヒロインちゃんを無視して、ティーガとクロロに癒されていたが、許してくれなそうだ。
「はぁ。なんですの?」
猫様たちと一緒にヒロインちゃんに向かい合う。
そこには、ヒロインとは思えないほど目をつり上げたヒロインちゃんこと、アンナ嬢が仁王立ちをしていた。
「淑女が足をそんなに開いて立っていてはみっともなくてよ。王太子妃になりたいのなら、立ち居振る舞いもちゃんとなさった方がよろしいのでは?」
「うるさいわね!そんなことはどうでもいいの!!それより、あんた悪役令嬢のくせしてなんで、クロロまで手なずけてるのよ!」
ああ、めんどくさい。
クロロも、攻略対象の猫でしたっけ。
近寄ってきたクロロを邪険にすることなんて、できないからうっかりお膝に乗せてしまいましたわ。
クロロはキリッとした目と、すんなりとした姿態が綺麗でうっとりするほどだ。
ただ、クロロは警戒心が強い。
ゲームではこの警戒心の強いクロロとどう仲良くなるかが鍵なのだが、この世界のクロロはどうも人懐こいようで、今日初めてあった私の膝に飛び乗ってきた。
「クロロ様はとても人懐こいのですよ。お会いしてすぐに膝に乗ってくださいました。この、しなっとした姿態がなんとも美しいですよね。
それに良く見てくださいまし、クロロ様はただの黒猫ではございません。うっすらとですが、虎模様がございます。
特にここ!」
私は、クロロの眉間を指差す。
「ここの眉間の虎模様!これがなんとも言えない可愛さを醸し出しております。
あーもう可愛い!」
ぎゅっとクロロを抱き締めて頬擦りする。
先ほどから、ティーガもクロロもヒロインちゃんが苦手なのか、私にぴったりとくっついている。
触りたい放題である。
もうヒロインちゃんを無視して、ティーガとクロロを可愛がってやる!
「私が聞きたいのはそうじゃなくって!クロロが、後の宰相になる侯爵家のマクロン攻略のキーの猫なのよ!私に寄越しなさい!!」
そう。クロロ様は攻略キャラの一人、マクロン・ナルニエール侯爵令息に繋がる猫様なのだ。
「差し上げません。そもそも、クロロ様は物ではございません。クロロ様と仲良くなりたいのなら、ご自分で努力なさってください」
この可愛いもふもふは渡しません!
私にぴったりとくっついて威嚇をしていをしている、ティーガとクロロを抱き締める。
まったく、ヒロインなのに何故猫様たちにこんなに嫌われているのかしら。
「渡しなさいってば!!」
私に掴みかかろうとするアンナ嬢。
あ、クロロ様がお尻を高くあげ、尻尾をぶわっと膨らませている。
これは、やばいかも。
「アンナさん、お逃げになって!」
「なによ!なんで私が逃げなきゃ・・・ぎゃっ!!」
あー、言わんこっちゃない。
限界まで怒って敵認定したクロロ様はヒロインちゃんの顔目掛けて跳んだ。
その爪を武器にして。
そうなるともちろん、ヒロインちゃんの顔には引っ掻き傷ができるわけで。
スッキリしたような顔をして、私のもとに戻ってくるクロロ様。
令嬢の顔に傷をつけるなんて、ちょっとやり過ぎだと思うけど。
案の定、ヒロインちゃん顔を押さえて震えてるし。
「アンナ嬢、これを。早く手当てをされた方がよろしいかと」
傷残っちゃいますよ?
そっとハンカチを差し出す。
それを、バッと奪い取るようにして受け取ったヒロインちゃんは
「覚えておきなさいよ!!」
という悪役チックな言葉を残して退場していった。
後に残ったのは優雅に毛繕いをしているクロロ様と、走り去っていったヒロインちゃんをまだ威嚇しているティーガだった。
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