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第一章
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しおりを挟む気づいたら、乙女ゲームの悪役令嬢でした。
ここ、「猫が導く秘密の恋」は、題名のとおり可愛い猫たちが各攻略キャラとの絆を深めてくれる役割を持っている乙女ゲームである。
猫好きな私がはまった乙女ゲームである。
猫がすべてのキーとなるこのゲームではいかに猫に好かれるかが、攻略のキーとなっている。
そう、猫に好かれていれば、攻略対象に必然的に好かれるのだ。そんな、一風変わった乙女ゲームだった。
私がそんな乙女ゲームの世界に転生したと気づいたのは、学園の入学式だった。
すべての爵位ある令息・令嬢が10才から通う白猫学園の入学式で、攻略対象のこのアメストリアの第一王子をみた瞬間に前世の記憶が走馬灯のようによみがえった。
そして、私、アルメディア・レコンティーニ公爵令嬢が乙女ゲームないの悪役令嬢だと同時に思い出した。
ゲームの中で私は、猫嫌いだった。そのため、攻略対象には嫌われていた。
しかし、私は第一王子を一目見た瞬間に好きになってしまい、必死にアピールするのだが、猫嫌いが影響して第一王子には嫌われる一方だった。
王子に好かれるヒロインに嫉妬した私は、ヒロインの可愛がっている猫にたいして、ヒロインのあることないことを囁き続け、それがバレてしまい、公爵家を追放されるというなんとも摩訶不思議な人生をたどる。
今思い出しても、意味がわからない。
なぜ、ヒロインが可愛がっていた猫にたいしてヒロインの悪口を言っただけで、追放されなければならないのか。
・・・解せぬ。
それにこのゲームの好感度上げのボーナスミニゲームは、猫と猫じゃらしで遊んだり、猫を撫でたりと攻略対象とは関係のないミニゲームになっている。
いかに猫に好かれるかが攻略をおこなう上でもっとも大事なポイントだ。
まあ公爵家を追放になっても、田舎でスローライフでも送ればよいかと思い出してから一ヶ月たった今ではそう思っている。
それに私は、猫が大好きだ。
たとえ、ヒロインの可愛がっている猫であっても、悪口なんて猫に向かって言えない。
猫を前にしたら、無条件に猫を構い倒してしまうから、誰かの悪口を言うなんて余裕はないのだ。
このまま攻略対象とは関わらず、ひっそりと猫を愛でて過ごそうと決めた私であった。
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