67 / 81
番外 攻略対象者たちのその後 〜アーベル編①
しおりを挟む
ユリアンナの断罪劇の後、オズワルドから衝撃の事実を聞かされたアーベルは、先触れもなくマーゼリー伯爵家を訪れた。
愛しく想っていたミリカに騙されていた事実よりも、妹ユリアンナに関する疑惑を一刻も早くはっきりさせなければという焦燥感で身が焦がれるようだった。
マーゼリー伯爵家の家令にマーゼリー伯爵夫人への取次を頼むと、家令は驚きつつもアーベルを応接室へ案内した。
いくら先触れなしの訪問がマナーを失した行為であるとはいえ、相手が格上の家門の者であれば文句を言うことも拒むことも難しい。
アーベルもその失礼を分かった上での訪問だったが、意外にもそんなに待たされることもなくマーゼリー夫人は現れた。
「お久しゅうございます、アーベル様。このようにお急ぎでわたくしに会いにいらしたなんて、どんな御用でございましょう?」
マーゼリー夫人は不快どころかどこか喜色を滲ませた声でアーベルに挨拶をする。
「ああ、夫人。急に押しかけてすまない。実は夫人に早急に確認したいことがあって来たのだ」
「まあっ。わたくしにでございますか?一体何でしょうか」
アーベルとの再会が余程嬉しいのか、夫人はニコニコしている。
「夫人に聞きたいのは、我が妹のユリアンナについてだ」
アーベルがそう口にすると、途端に夫人の顔が歪む。
「ユリアンナ様ですか……何やら、大きな問題を起こして遂に公爵家を勘当されたそうですわね?あの方はいつか仕出かすのではないかと危惧しておりましたが……悪い予感が的中してしまい、大変残念でございます」
「………夫人は昔からユリアンナをそのように評価していたのか?」
「ええ、ええ。それはもう。こう言っては何ですがユリアンナ様………ああ、今は平民になったのでしたわね。あの娘は幼い頃からマナーも学習も覚えが悪く、兄のアーベル様はこんなにもお出来になるのにと呆れたものです」
嫌なことを思い出したとでも言うように顔をさらに歪め、夫人は饒舌に語り出す。
「……そうか。夫人はそういう風に思ったのだな」
アーベルが淡々と答えると、否定されないと思ったのか夫人はさらに声を高くして話を続ける。
「あの娘と初めて会いましたのは4歳の頃でしたけれどね。それはもう躾のなってない猿そのもので、手のつけようがありませんでしたわ!食器もカチャカチャと下品に音を立て、カーテシーひとつもまともにできやしない。勉強だって先代先々代の国王のお名前さえ言えやしなければ、計算のひとつもできやしない。これはもう、稀に見る愚者だとすぐに公爵にご報告いたしましたけれどね!」
そこまで意気揚々と喋っていた夫人が、突然声量を落としてアーベルに顔を寄せてくる。
何やら耳打ちしたいことがあるようだ。
「…………これは墓まで持って行くつもりだったのですが………正直な話、あの娘にはシルベスカの血は一滴も入っていないと思うのです。だって、公爵様もアーベル様もこんなに立派でいらっしゃるのに、似ているところがひとつもございませんから。………もしあの娘が不義の子であればとんでもない醜聞ですから、公爵様を想ってわたくしは口を噤みました。でもあの娘は平民に落ちたのですね。あるべきところにやっと帰っただけのことですわ」
そこまで一息に言い終えると、夫人は満足そうにソファに腰かけ直し、紅茶カップを優雅に持ち上げて口を潤す。
それまで黙って話を聞いていたアーベルは、夫人が話し終えると居丈高に足を組んだ。
「……ユリアンナの金髪はシルベスカ公爵家の色だ」
アーベルが放った一言に、夫人は驚いてカップを口に当てたまま肩を揺らす。
「確かに瞳の色は父上とは違うが、あれは母親譲りのものだ。夫人が何をもって『似ているところがひとつもない』と仰ったのか、理解に苦しむな」
冷ややかなアーベルの声色に、夫人は自分が喋りすぎたことを悟る。
「………申し訳ございません、少し出過ぎたことを申しました。しかし、本当にそう感じるほど、あの娘は不出来だったのでございます。わたくしはアーベル様の優秀さをずっと見て参りましたから、それとお比べして似ていないと申し上げたのです」
取り繕うように笑みを浮かべ、話題をアーベルを褒める方向に転換する。
マーゼリー夫人はこの話術で社交界でも一定の地位を確立してきたのだ。
「夫人。正直に話して欲しいのだが……ユリアンナは〝不出来〟ではないな?」
しかし、アーベルの一言で夫人が思っていた会話の方向性が180度変わってしまう。
「……と、仰いますのは……?」
「ユリアンナは不出来ではない、と言っているのだ。学問にも魔法にも才があったはずだ」
夫人の背筋に冷や汗が一筋流れる。
アーベルは相変わらず表情が見えず、どういう感情でその言葉を発しているのかが分からない。
「い、いえ……アーベル様。幼い頃のユリアンナ様はそれは酷いものでした……」
アーベルの意図が分からない以上、夫人はユリアンナの呼び方を「あの娘」から「ユリアンナ様」に戻した。
「先ほどの夫人の話を聞くに、ユリアンナが幼少教育を始めた4歳の時にマナーも学習も全く出来なかったと言っていたな?だが、それはおかしな話ではないか?出来ないからこそ教師をつけるのだ。初めから完璧に出来る者などおらぬだろう、違うか?」
アーベルとはこんなに多く言葉を発する人だっただろうか?
普段と違うアーベルの様子に、マーゼリー夫人は俄かに焦り出す。
「もちろん、仰る通りでございます!わたくしが申し上げたのは、覚えが宜しくないという話で………」
「覚えが悪いとは、具体的にどう覚えが悪かったのだ?何をどのくらいの期間教えた結果の話だ?」
畳み掛けるようにアーベルに問われ、夫人は言葉を詰まらせる。
実のところ、夫人は大してユリアンナを指導していない。
指導もせずに出来ないと決めつけて、「あなたは出来損ないだ」「シルベスカの恥だ」とユリアンナを詰ってきたのだ。
だから具体的に説明せよと言われても説明できるはずもない。
しかし、何かを言わなければとんでもないことになる気がする。
「そっ、それは……!例えば淑女の礼などはお教えしても何年もまともに出来ず………」
「ユリアンナが5歳でアレックス殿下とお会いした時、きちんとカーテシーで挨拶をしたと聞いている。〝何年も〟〝まともに〟出来なかったとは、客観的な評価か?それとも………主観的な評価か?」
マーゼリー夫人を見据えるアーベルのアイスブルーの瞳が冷たく光る。
その瞳の奥に隠しきれない怒りが滲んでいると理解した時、夫人はどうしようもなく体が震え出す。
「……それは……シルベスカ公爵家に相応しいレベルを………」
「『きちんと出来ていた』と王家に評価されたものを低レベルだと言うのか?」
「………」
「では、学習はどうだ?覚えが悪いとはどの程度だったのだ?」
「……………」
「何をどれくらいの期間教えた?答えられないのか?」
アーベルの淡々とした口調は変わらないが、これは間違いなく憤っている。
そして、自分は対応を間違えたのだとマーゼリー夫人は悟った。
愛しく想っていたミリカに騙されていた事実よりも、妹ユリアンナに関する疑惑を一刻も早くはっきりさせなければという焦燥感で身が焦がれるようだった。
マーゼリー伯爵家の家令にマーゼリー伯爵夫人への取次を頼むと、家令は驚きつつもアーベルを応接室へ案内した。
いくら先触れなしの訪問がマナーを失した行為であるとはいえ、相手が格上の家門の者であれば文句を言うことも拒むことも難しい。
アーベルもその失礼を分かった上での訪問だったが、意外にもそんなに待たされることもなくマーゼリー夫人は現れた。
「お久しゅうございます、アーベル様。このようにお急ぎでわたくしに会いにいらしたなんて、どんな御用でございましょう?」
マーゼリー夫人は不快どころかどこか喜色を滲ませた声でアーベルに挨拶をする。
「ああ、夫人。急に押しかけてすまない。実は夫人に早急に確認したいことがあって来たのだ」
「まあっ。わたくしにでございますか?一体何でしょうか」
アーベルとの再会が余程嬉しいのか、夫人はニコニコしている。
「夫人に聞きたいのは、我が妹のユリアンナについてだ」
アーベルがそう口にすると、途端に夫人の顔が歪む。
「ユリアンナ様ですか……何やら、大きな問題を起こして遂に公爵家を勘当されたそうですわね?あの方はいつか仕出かすのではないかと危惧しておりましたが……悪い予感が的中してしまい、大変残念でございます」
「………夫人は昔からユリアンナをそのように評価していたのか?」
「ええ、ええ。それはもう。こう言っては何ですがユリアンナ様………ああ、今は平民になったのでしたわね。あの娘は幼い頃からマナーも学習も覚えが悪く、兄のアーベル様はこんなにもお出来になるのにと呆れたものです」
嫌なことを思い出したとでも言うように顔をさらに歪め、夫人は饒舌に語り出す。
「……そうか。夫人はそういう風に思ったのだな」
アーベルが淡々と答えると、否定されないと思ったのか夫人はさらに声を高くして話を続ける。
「あの娘と初めて会いましたのは4歳の頃でしたけれどね。それはもう躾のなってない猿そのもので、手のつけようがありませんでしたわ!食器もカチャカチャと下品に音を立て、カーテシーひとつもまともにできやしない。勉強だって先代先々代の国王のお名前さえ言えやしなければ、計算のひとつもできやしない。これはもう、稀に見る愚者だとすぐに公爵にご報告いたしましたけれどね!」
そこまで意気揚々と喋っていた夫人が、突然声量を落としてアーベルに顔を寄せてくる。
何やら耳打ちしたいことがあるようだ。
「…………これは墓まで持って行くつもりだったのですが………正直な話、あの娘にはシルベスカの血は一滴も入っていないと思うのです。だって、公爵様もアーベル様もこんなに立派でいらっしゃるのに、似ているところがひとつもございませんから。………もしあの娘が不義の子であればとんでもない醜聞ですから、公爵様を想ってわたくしは口を噤みました。でもあの娘は平民に落ちたのですね。あるべきところにやっと帰っただけのことですわ」
そこまで一息に言い終えると、夫人は満足そうにソファに腰かけ直し、紅茶カップを優雅に持ち上げて口を潤す。
それまで黙って話を聞いていたアーベルは、夫人が話し終えると居丈高に足を組んだ。
「……ユリアンナの金髪はシルベスカ公爵家の色だ」
アーベルが放った一言に、夫人は驚いてカップを口に当てたまま肩を揺らす。
「確かに瞳の色は父上とは違うが、あれは母親譲りのものだ。夫人が何をもって『似ているところがひとつもない』と仰ったのか、理解に苦しむな」
冷ややかなアーベルの声色に、夫人は自分が喋りすぎたことを悟る。
「………申し訳ございません、少し出過ぎたことを申しました。しかし、本当にそう感じるほど、あの娘は不出来だったのでございます。わたくしはアーベル様の優秀さをずっと見て参りましたから、それとお比べして似ていないと申し上げたのです」
取り繕うように笑みを浮かべ、話題をアーベルを褒める方向に転換する。
マーゼリー夫人はこの話術で社交界でも一定の地位を確立してきたのだ。
「夫人。正直に話して欲しいのだが……ユリアンナは〝不出来〟ではないな?」
しかし、アーベルの一言で夫人が思っていた会話の方向性が180度変わってしまう。
「……と、仰いますのは……?」
「ユリアンナは不出来ではない、と言っているのだ。学問にも魔法にも才があったはずだ」
夫人の背筋に冷や汗が一筋流れる。
アーベルは相変わらず表情が見えず、どういう感情でその言葉を発しているのかが分からない。
「い、いえ……アーベル様。幼い頃のユリアンナ様はそれは酷いものでした……」
アーベルの意図が分からない以上、夫人はユリアンナの呼び方を「あの娘」から「ユリアンナ様」に戻した。
「先ほどの夫人の話を聞くに、ユリアンナが幼少教育を始めた4歳の時にマナーも学習も全く出来なかったと言っていたな?だが、それはおかしな話ではないか?出来ないからこそ教師をつけるのだ。初めから完璧に出来る者などおらぬだろう、違うか?」
アーベルとはこんなに多く言葉を発する人だっただろうか?
普段と違うアーベルの様子に、マーゼリー夫人は俄かに焦り出す。
「もちろん、仰る通りでございます!わたくしが申し上げたのは、覚えが宜しくないという話で………」
「覚えが悪いとは、具体的にどう覚えが悪かったのだ?何をどのくらいの期間教えた結果の話だ?」
畳み掛けるようにアーベルに問われ、夫人は言葉を詰まらせる。
実のところ、夫人は大してユリアンナを指導していない。
指導もせずに出来ないと決めつけて、「あなたは出来損ないだ」「シルベスカの恥だ」とユリアンナを詰ってきたのだ。
だから具体的に説明せよと言われても説明できるはずもない。
しかし、何かを言わなければとんでもないことになる気がする。
「そっ、それは……!例えば淑女の礼などはお教えしても何年もまともに出来ず………」
「ユリアンナが5歳でアレックス殿下とお会いした時、きちんとカーテシーで挨拶をしたと聞いている。〝何年も〟〝まともに〟出来なかったとは、客観的な評価か?それとも………主観的な評価か?」
マーゼリー夫人を見据えるアーベルのアイスブルーの瞳が冷たく光る。
その瞳の奥に隠しきれない怒りが滲んでいると理解した時、夫人はどうしようもなく体が震え出す。
「……それは……シルベスカ公爵家に相応しいレベルを………」
「『きちんと出来ていた』と王家に評価されたものを低レベルだと言うのか?」
「………」
「では、学習はどうだ?覚えが悪いとはどの程度だったのだ?」
「……………」
「何をどれくらいの期間教えた?答えられないのか?」
アーベルの淡々とした口調は変わらないが、これは間違いなく憤っている。
そして、自分は対応を間違えたのだとマーゼリー夫人は悟った。
25
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説
転生したら大好きな乙女ゲームの世界だったけど私は妹ポジでしたので、元気に小姑ムーブを繰り広げます!
つなかん
ファンタジー
なんちゃってヴィクトリア王朝を舞台にした乙女ゲーム、『ネバーランドの花束』の世界に転生!? しかし、そのポジションはヒロインではなく少ししか出番のない元婚約者の妹! これはNTRどころの騒ぎではないんだが!
第一章で殺されるはずの推しを救済してしまったことで、原作の乙女ゲーム展開はまったくなくなってしまい――。
***
黒髪で、魔法を使うことができる唯一の家系、ブラッドリー家。その能力を公共事業に生かし、莫大な富と権力を持っていた。一方、遺伝によってのみ継承する魔力を独占するため、下の兄弟たちは成長速度に制限を加えられる負の側面もあった。陰謀渦巻くパラレル展開へ。
悪役令嬢はSランク冒険者の弟子になりヒロインから逃げ切りたい
鍋
恋愛
王太子の婚約者として、常に控えめに振る舞ってきたロッテルマリア。
尽くしていたにも関わらず、悪役令嬢として婚約者破棄、国外追放の憂き目に合う。
でも、実は転生者であるロッテルマリアはチートな魔法を武器に、ギルドに登録して旅に出掛けた。
新米冒険者として日々奮闘中。
のんびり冒険をしていたいのに、ヒロインは私を逃がしてくれない。
自身の目的のためにロッテルマリアを狙ってくる。
王太子はあげるから、私をほっといて~
(旧)悪役令嬢は年下Sランク冒険者の弟子になるを手直ししました。
26話で完結
後日談も書いてます。
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
悪役令嬢に転生したので落ちこぼれ攻略キャラを育てるつもりが逆に攻略されているのかもしれない
亜瑠真白
恋愛
推しキャラを幸せにしたい転生令嬢×裏アリ優等生攻略キャラ
社畜OLが転生した先は乙女ゲームの悪役令嬢エマ・リーステンだった。ゲーム内の推し攻略キャラ・ルイスと対面を果たしたエマは決心した。「他の攻略キャラを出し抜いて、ルイスを主人公とくっつけてやる!」と。優等生キャラのルイスや、エマの許嫁だった俺様系攻略キャラのジキウスは、ゲームのシナリオと少し様子が違うよう。
エマは無事にルイスと主人公をカップルにすることが出来るのか。それとも……
「エマ、可愛い」
いたずらっぽく笑うルイス。そんな顔、私は知らない。
悪役令嬢、第四王子と結婚します!
水魔沙希
恋愛
私・フローディア・フランソワーズには前世の記憶があります。定番の乙女ゲームの悪役転生というものです。私に残された道はただ一つ。破滅フラグを立てない事!それには、手っ取り早く同じく悪役キャラになってしまう第四王子を何とかして、私の手中にして、シナリオブレイクします!
小説家になろう様にも、書き起こしております。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
妻は従業員に含みません
夏菜しの
恋愛
フリードリヒは貿易から金貸しまで様々な商売を手掛ける名うての商人だ。
ある時、彼はザカリアス子爵に金を貸した。
彼の見込みでは無事に借金を回収するはずだったが、子爵が病に倒れて帰らぬ人となりその目論見は見事に外れた。
だが返せる額を厳しく見極めたため、貸付金の被害は軽微。
取りっぱぐれは気に入らないが、こんなことに気を取られているよりは、他の商売に精を出して負債を補う方が建設的だと、フリードリヒは子爵の資産分配にも行かなかった。
しばらくして彼の元に届いたのは、ほんの少しの財と元子爵令嬢。
鮮やかな緑の瞳以外、まるで凡庸な元令嬢のリューディア。彼女は使用人でも従業員でも何でもするから、ここに置いて欲しいと懇願してきた。
置いているだけでも金を喰うからと一度は突っぱねたフリードリヒだが、昨今流行の厄介な風習を思い出して、彼女に一つの提案をした。
「俺の妻にならないか」
「は?」
金を貸した商人と、借金の形に身を売った元令嬢のお話。
修羅場を観察していたら巻き込まれました。
夢草 蝶
恋愛
異様な空気の社交場。
固まる観衆。
呆然とする第三王子。
そして──、その中央でキャットファイトを繰り広げる二人の少女。
片や、名門貴族のご令嬢。
片や、平民ながらに特別な魔力を持つ少女。
その口からは泥棒猫やら性悪女やらと品に欠ける言葉が飛び出す。
しかし、それに混じってヒロインがどうの、悪役令嬢がどうの、乙女ゲームがどうのと聞こえる。
成程。どうやら二人は転生者らしい。
ゲームのシナリオと流れが違うなーって思ってたからこれで納得。
実は私も転生者。
乙女ゲームの展開を面白半分で観察してたらまさかこんなことになるなんて。
でも、そろそろ誰か止めに入ってくれないかなー?
おお! 悪役令嬢の巴投げが決まった! ヒロインが吹っ飛んで──ん? え? あれ?
なんかヒロインがこっちに飛んできたんですけど!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる