初恋は、実りませんか?

月詠嗣苑

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三話

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 僕は、なんてふしだらな人間なのだろう?

 秋葉さんという素敵な恋人がいるのに、保と……。

 秘密にしておきたかった事が…。


「ふうん。で?」

「……。」

 偶然、見られたキスマーク。そこから、秋葉さんの追及が始まり、僕はこうして秋葉さんと一緒に旅行にきた。

「なぁ、そういうのなんてーか知ってる?」

「わかんない」

「い、ん、ら、んっ! 俺以外の奴に、股なんか開くな……。」

「……。はい」

 車に乗ってから、秋葉さんはムスッとしてる。当たり前だけど……。

 三連休のこの旅行、天国から地獄へ、のご奉仕旅行となった。

「さぁて、今夜は何をしようかな? 鞭? 縄? それとも、蝋燭?」

 僕、そんな趣味ない。MでもSでもない。

「……。」

 僕が、恐怖で固まってると秋葉さんは笑って、頭をポンポン叩いてきた。

「ばーか、冗談だって! そんな事しないってば。あ、でもアレはしてもらおうかなぁ? そろそろ慣れて貰わないといかんし。な?」

「う……うん」

 アレとは、オチンチンをその……アレだ。僕は、未だにソレが苦手。

 なんか、そんな事を考えてたら……。

「なるほど、優は、濡れてきた? 先にホテル行く?」

 僕は、思い切り頭を横に振った。

「ほんと、お前のそういうとこ好き」

 車を運転しながら、秋葉さんは僕をいじめては楽しんでるらしい。

 秋葉さん、僕のどこが好きなのかな?

 僕は、秋葉さんの色んなとこが好き。

 だから、あの時……


「で、何? 俺に相談したいことって……」

 昼休み、相談したい事があるから、放課後相談のって下さいとだけ伝えて、僕は一年二組の教室に戻った。

 来てくれるだろうか?

 初めて会ったのは、入学式の日だった。

 僕にとっては、初恋!

 不安で不安で、五時間目の数学の授業は、先生に注意された。

 夕暮れに染まる教室の中……。

 グランドでは、野球部やサッカー部の練習の声が、聞こえてくる。

 ガラッと扉が開いて、先生が入って、僕の近くまできた。

「相談って?」

「あの……その……」

 先生を前にすると、どう言っていいのかわからなくなる。

「僕……先生の事が……」

「嫌い?」

 っ?!

「……ちがっ! す、好きです」

 生まれて初めての告白だった。

 でも、先生は何も言わず、ただ僕を見ていた。

「だ、駄目なのは……分かってる」

「ありがと。じゃ、気をつけて帰りなさい」

「……はい」

 先生は、それだけ言うと教室を出ていった。

「はぁっ」

 返事は、貰えなかったけど、ちょっと気持ち的にスッキリしたかな?

 上靴から外履に履き替えようとしたら、靴の中に紙が入ってた。

「あ、LIMEだ」

 周りに見られない様にポケットにしまって、僕は急いで家に帰った。

 それから暫くは、LIMEでのやり取りして、何回か外で会ったりした。

 初めて……は……。


「何、ニヤニヤしてんの? 着いたぞ?」

 気付いたら、もうホテル(ラブホではない)に着いてた。

「エッチな事でも考えてた?」

 秋葉さんは、僕のシートベルトを外しながら、耳打ち側でそう言った。

「ちが……う」

 最近、僕の身体すごく変。秋葉さんの事を考えると……。

「濡れた?」

 っ!!

「たーのしっ!」

「……。」

 秋葉さんは、受付を済ますと荷物をベルガールに渡すと、早く来いと手招いた。

「凄い……」

 部屋の中は、大きなベッドが二つあったし、部屋が三つあって、一つが和室でこの和室にも布団が敷けるらしい。

「ありがとうございました」とお礼を言って、僕は、敷かれてあった座布団に座った。

「……にしても、ここ高そう」

「うん、高い。一泊二食で一人一万五千円だったかな?」

 そんな部屋を?

 僕の為に?

 と思ったら違ってて、来年の三年生の研修先の滞在ホテルの候補らしい。

「悪くないだろ?」

「うん」

 ちょっと三年生が羨ましい。

「因みに、行くところは全て決まってるからな」

「うん」

 だから、今日の服装スーツだったのか。僕にも、制服着てこいって言ってたし。

 制服から持ってきた服に着替えようとしたら、秋葉さんの手が……。

「このまましちゃう?」

 ???

 キスされた。いつもとは、違う長いキス……。

 制服の中に手が入ってきて、僕の身体が……。

「そんなにしたかった? こんなに濡れてる……」

 僕だけに向けるイタズラな顔……。

「秋葉……」

 普段呼び捨てなんかしないのに、自然と声が出て……。

「いいね、可愛い」

 着ていた全てを脱がされ、背中に当たる冷たい感触……。

 秋葉さんも裸になってて……。

 僕の大事なところを……。

 あぁっ……

「静かにする……」

 そう言われても、秋葉さんの手も口も止まらない……。

 うっ……はっ……

 いつしか僕は、秋葉さんの頭を自分の大事な所に押し付けるような格好をしていた。

 足が……

「後ろ向いて……」

 秋葉さんは、僕の腰を先支えながら、後ろからズブズブと挿れてきた。

「いいよ、優……」

 うあっ!!

 優しく、強く、秋葉さんは僕を攻める。

 声が……

 手が……

「秋葉……。うっ……。もっと……」

 激しくガンガン突かれ、襖がガタガタ鳴っても、秋葉さんの動きは止まらない。

 あっあっあっ……

 あと少しで限界って時、ふと秋葉さんの動きが止まって……

「ね、どうされたい? 中に出す? それとも、顔がいい?」

「んなっ?! 顔に……」

 そう言ったら、秋葉さん僕をそのまま畳の上に寝かせて……

 あっ……あぁっ……あっ……ひっ!!

 更に激しく突かれて……

「目、閉じてて……」

 カシャッっていう音が聞こえた。顔、拭いてはくれたけど……。

「お前、こんなエロい顔すんだな?」

 と何故か写真を撮ったのを見せた。

「バレるよ?」

「大丈夫だよ。これプライベートなやつだし」

 秋葉さんは、学校で支給されたスマホの他に個人のスマホが二台ある。

 そのプライベートのスマホには、僕の恥ずかしい写真が……。

「これバレたら、俺犯罪者だよな。お前、未成年だし」

「確かに……」

 お風呂場で、秋葉さんに全て洗って貰ったし、髪も乾かして貰った。

「お前、いつかお袋さんが元気になったら、髪伸ばせるといいな」

「うん」

 本当にそんな日がくるのだろうか?

 それを考えると胸が苦しくなる。

「少しホテル周りでも歩くか。景色いいとこもあるし」

 そう言われ、僕は秋葉さんとホテル付近を散策した。

 景色も凄かったし、お土産も……。

 夜は何度も抱かれて、同じベッドで朝を迎えた。


 二日目の朝は、白泉の滝という所に行った。

「今はまだ葉っぱだけだな」

「滝の周りの木は、桜なんだって。ここ書いてある」

 案内板に詳しく説明書きがあるのを秋葉さんに伝えるとそれを写真に撮る。

「いいなぁ、三年生。卒業前にこんなとここれて……」

「ひとつだけ、教えてあげる」

「なに?」

「知りたい?」

 当たり前です。

「卒業前の研修は、お前ら二年も行く! と校長が言ってた」

「ほんと?」

 秋葉さん、笑って頷いた。

「あぁ、抜け出す時間もある!」

 それは、遠慮したい……。

 マイナスイオンたくさん浴びて、研修で行く所を回って、それ以外にもたくさん行って、たくさん写真撮った。


「わぁ、お土産だぁ。優くん、ありがとう!」

 いつも仲良くしてくれるみんなにお土産をちょこっと渡した。そのお金は、勿論秋葉さん。

 母さんにも渡した。仏壇で眠る僕の兄さんにも……。
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