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file19 猫又
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最近まで飼っていた猫の話をしようと思う。
黒と白のハチワレ柄で、モノちゃんと言う名前だ。
モノちゃんは香菜が生まれる前から、この椎名家にいて、とても優しいご長寿猫だ。
モノちゃんは16才になってから、だんだんと水も飲めなくなりエサも柔らかいのにしているが、さらに柔らかくしてスプーンなどで食べさせてあげていた。
ある日、モノちゃんの体調が悪く病院へ連れていくと先生が
「…うん、お別れが、くるかもね…注射とか打ってもいいけど…そのまま別れる可能性もあるよ?」
と言われ、香菜は涙をこらえてモノちゃんを撫でながら
「モノちゃん、今まですごく頑張ってきたから…なにもせず家で見送ってもいいですか?」
先生も頷きながら
「いいよ、みんなで見送ってあげて…」
そう言って家に帰り、モノちゃんの好きなクッションとブランケットをそえ見守っていた。
モノちゃんは、静かに眠るように息をひきとり
「「「「椎名家にきてくれて、ありがとう」」」」
と言って別れを惜しんでいた。
シャンシャン シャンシャン
外から、鈴の音がする。
香菜は宏人に
「鈴の音がするね」
「何だろう?」
モノの体は、少しピクリと動いたような気がした。
玄関から音がして、巧が玄関のドアを開けると大勢の猫がいた。なぜか二足歩行で立っている。
一匹の猫が
「モノ様は、ご長寿猫。我々の一族に入れたいと思いお迎えに来ました。」
巧と香菜と宏人は、驚きながらも
「モノは、さっき亡くなったけど…」
すると居間から、一華が
「巧!!香菜!宏人!モノが、立ってる!?」
「「「えっ?!」」」
居間へ行くと、足をプルプルさせたモノが、頑張って立ち上がっていて…尻尾も二またに分かれていた。
モノは、椎名家の家族達に
「ずっと…ずっと…大事に育ててくれて…おいしいご飯も用意してくれて…遊んでくれて…ありがとう!幸せだった!!」
家族は、モノに抱きつき
「「「「寂しいけど!!元気でね!!!」」」」
外へ見送るのを惜しみながら、モノは、猫達に混ざりながら大きな声で
「大好きだよ!!!」
「「「「知ってる!いってらっしゃい!!!」」」」
モノは、目を大きくして
「行ってきます!!」
前足で手を振った。
家族は、猫の行列をみながら見送った。
猫は、寿命がくると二足歩行になって尻尾も二またに分かれて人間とお別れするんだって!!
まだモノと別れたのが辛いけど…向こうでも元気でいてね!!
黒と白のハチワレ柄で、モノちゃんと言う名前だ。
モノちゃんは香菜が生まれる前から、この椎名家にいて、とても優しいご長寿猫だ。
モノちゃんは16才になってから、だんだんと水も飲めなくなりエサも柔らかいのにしているが、さらに柔らかくしてスプーンなどで食べさせてあげていた。
ある日、モノちゃんの体調が悪く病院へ連れていくと先生が
「…うん、お別れが、くるかもね…注射とか打ってもいいけど…そのまま別れる可能性もあるよ?」
と言われ、香菜は涙をこらえてモノちゃんを撫でながら
「モノちゃん、今まですごく頑張ってきたから…なにもせず家で見送ってもいいですか?」
先生も頷きながら
「いいよ、みんなで見送ってあげて…」
そう言って家に帰り、モノちゃんの好きなクッションとブランケットをそえ見守っていた。
モノちゃんは、静かに眠るように息をひきとり
「「「「椎名家にきてくれて、ありがとう」」」」
と言って別れを惜しんでいた。
シャンシャン シャンシャン
外から、鈴の音がする。
香菜は宏人に
「鈴の音がするね」
「何だろう?」
モノの体は、少しピクリと動いたような気がした。
玄関から音がして、巧が玄関のドアを開けると大勢の猫がいた。なぜか二足歩行で立っている。
一匹の猫が
「モノ様は、ご長寿猫。我々の一族に入れたいと思いお迎えに来ました。」
巧と香菜と宏人は、驚きながらも
「モノは、さっき亡くなったけど…」
すると居間から、一華が
「巧!!香菜!宏人!モノが、立ってる!?」
「「「えっ?!」」」
居間へ行くと、足をプルプルさせたモノが、頑張って立ち上がっていて…尻尾も二またに分かれていた。
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「ずっと…ずっと…大事に育ててくれて…おいしいご飯も用意してくれて…遊んでくれて…ありがとう!幸せだった!!」
家族は、モノに抱きつき
「「「「寂しいけど!!元気でね!!!」」」」
外へ見送るのを惜しみながら、モノは、猫達に混ざりながら大きな声で
「大好きだよ!!!」
「「「「知ってる!いってらっしゃい!!!」」」」
モノは、目を大きくして
「行ってきます!!」
前足で手を振った。
家族は、猫の行列をみながら見送った。
猫は、寿命がくると二足歩行になって尻尾も二またに分かれて人間とお別れするんだって!!
まだモノと別れたのが辛いけど…向こうでも元気でいてね!!
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