発禁状態異常と親友と

ミツミチ

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限界××編

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 は?と声を漏らす。
 腰を止めた岳の視線。ただ一点、颯介の首筋辺りを注視しながら彼はもう一度おなじ問いを繰り返した。
「……え、あ、かなた? 何って、なにも」
 なにかある前に、自分は抜けだした。
 間違いない回答のはずが、岳は「……なんでうそつくんだよ」と不服そうに目を細めた。
「えっ、ア゛……っ♡!?」
 ペニスを握っていた手が先端へ移動する。
「あっ……なにッ、やめ、ッ──────!!」
 そのまま手の平にぐるぐると亀頭を撫で回されて、受け止めきれない快感に一瞬意識が落ちかけた。
「ひ゛っ……ぃ゛♡♡!!? あ゛っ、なんっ、なん、でっ♡♡ 嘘じゃない゛っ♡ うそ、じゃ、あ゛っ♡♡♡ だめ゛っだめだめだめ゛っ、先っぽやめてっ、手ぇはなしてっ、はなしてぇ゛ッッ♡♡♡」
「やめてほしいなら、正直に言えよ」
「だからっ、なんも、っ────ア゛♡♡♡!!?」
 ばちゅんっと強く奥を穿たれる。その一突きで強制的に極めさせられる。しかしその衝撃がやまない内にまた激しく突き上げられて、敏感すぎる亀頭を嬲る手もそのまま、処理しきれない絶頂感に颯介は悲鳴を上げた。
「あ゛っ、あぁあああ゛っ♡♡ やめてっ♡ やめてっ、なんでっ、っ、あ゛ッッ~~~~むりっ、もうむりぃ゛♡♡♡」
 手の平の窪みで鈴口をぐりぐりと擦ったり、指を輪にしてカリから亀頭までを上下にしごいたり、徹底的な亀頭責めに、もうなにもでないはずの尿道口がひくつき始めた。 
「あ゛っ♡♡!!? ま゛っ……て♡ 待って、おねが、なんかっ、なんかくる゛っ……!!」
 咄嗟に岳の腕を掴むも、もはやへろへろの手ではなんの意味もない。
「やだっ、岳っ……た、たのむっ、なんか違うっ、も、漏れちゃう、からぁ゛っ、おねがい……あ゛っ、あっ、あ、ッ────!!!」
 ぷしゅっと尿管を液体が駆け抜けた。神経を焦がすような快感に背が弓なりに反り、そのまま突き出した亀頭をくにくにと弄られると、その度にぴゅっぴゅっと更に漏らした。さいあくだ。友人の前で漏らすという失態は、ふたりの間にまた別の軋轢を生むだろう。
「潮ってほんとにふけるんだな」
 岳がぽつりと言った。
「……は?」
「ほら、透明だろ?」
「塩……」
「ちがうちがう。エロい方のやつ」
 颯介は混乱する。しおって、潮って。えっちな潮は、おとこが出すものではなかったはずじゃ……?放心する颯介を前に「わかんねえなら、もっかい出すか」とまたその手のひらをうごかし始めた。
「……ひぎっ、ィ゛♡♡♡!?」
「ほら。もう一回。いけるだろ」
「い゛っ、……けない、からぁ゛!! やっ……やめっ、むり゛っ、今むりっ、ぃ」
 恥も外聞もなく泣き喚き、暴れる肢体を咎めるようにばちゅんっと一際強くなかを突かれて、ばかみたいな声がでた。
「ああん゛っっ♡♡ うっ……う゛、あ、だ、だめ゛っ、ほんとに、ほんとにっ、変なる、ちんこ、おかしくなる゛……!!」
「イヤなら言えよ。言えばやめてやるから」
「く、ぅんっ、んんんん゛───ッ♡♡♡」
 ぷしゅっとまた潮を吹かされても、真っ赤に充血した亀頭が限界を訴えても、厭わずに捏ねくり回されて、ピストンも止まらずに後ろで達して、前でイって、あまりに深い快楽に危機すら覚えるがペニスに貫かれたからだはただ尻たぶを震わせることしかできない。
「……あっ、く、くすり♡ 薬、もられて、ッ」
「それは知ってる」
「あっ、あと、あと、し、しばられてっ、……っ、あ、まじで止めて゛、っい、いぐっ♡」
「あー……そういう。それで?」
 それから、それから。記憶をほり返して考えようとしているのに快感に散らされて、こんがらがった羞恥と混乱でもうぐちゃぐちゃだった。
「も、もうやだっ、っぁ゛、あぁあ゛っ……♡♡ もうむりっ、わかんない、わかんない゛っっ♡♡」
「首にキスマークつけられたの、まじで気づいてねえの?」
「あっ♡ き、きすっ? うんっ、ん゛っ♡ キス、したっ♡」
「首にだろ?」
「ちがっ、口にっ……♡♡ うあ゛っ♡♡!!? やだっ♡ そこっ、そこ、よわい゛、から、ア゛ッ……♡♡ イ、くっ……いくっ、ぅ゛あっあっあっ、ア゛っ、ッ、っ、っ────♡♡♡」
 敏感な部分を狙って突き上げたペニスにそのまま小刻みに揺さぶられて、またぴゅっと鈴口から潮が散った。
「ふあっ……あっ、アッ、ぁ……♡♡」
 もう力が入らない。四肢は弛緩したまま痙攣を繰りかえし、度重なる絶頂に体力を根こそぎ持っていかれた。霞む視界に岳の指を捉える。また何かされるのかと身が竦んだが、その指は、ふに、と優しく唇を摘んだ。
「ふぁ、は、はに」
「ファーストキスだったんじゃねえの」
「っ、ん……ご、合意じゃないのは、カウントしない」
 それはそうだな、と岳は納得したようにうなずいた。しかし眉間に寄ったシワはほどけずに「……まあ」と岳は唇を弄びながら続けた。
「この口さきにおれのちんこ咥えてるしな」
「……は? なん、つーか、お前だって」
 したことないだろ、と言いかけて、ふと思いだした。そういえばコイツ、彼女いたな。ほんの一瞬だったはずだけど、そうか。だからキスも……ゴムがあんのも、そういう。おれの知らない、たしか、委員会が同じだったとかいう子。もともとそれなりに仲はよかったらしいが、別れてからはそれきり。ふたりが話しているところを見たことがなかった。
「……」
「颯介。おれまだイってない」
「えっ、ちょ……まっ、待って、ッあ!」
 そうか。だから。こころの奥底で納得する。岳はしたことあるのか。したことあるから。おれはこうしたことをまるでおおごとみたいに捉えていたけど、こいつにとってはそうでもないのかもしれない。
 なかを深く穿たれて、精液を受け止める。底まで届くような熱に頭が浚われても、その考えは脳内にこびりついたままだった。
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