上 下
49 / 80
第五章 あれから三年の月日が流れた

「住み込み?」 (絶対に許せない)

しおりを挟む
「それなのに、どうして潤一郎の元にいるの?」

「八神あやかの当時の後輩が、二人を引き合わせたようです」

「全く余計なことしてくれたわね」

「実は八神あやかは潤一郎様と個人契約しています、そして住み込みで雇い入れています」

「住み込み?」

(絶対に許せない)

ゆかりの表情が変わった。

「潤一郎のマンションへ行ってちょうだい」

「かしこまりました」

その頃、あやかは潤一郎の寝室の掃除をしていた。

潤一郎のマンションで住み込みのハウスキーパーをはじめて一ヶ月が過ぎていた。

潤一郎とは、雇い主と雇われの身の関係だ。

二人の距離が近くなって、あやかはドキドキが止まらない。

でも潤一郎はそれ以上踏み入ってこない。

男と女が同じ空間に生活して、何もない。

(やっぱり、私の一方通行なんだ)

その時、マンションのインターホンが鳴った。

(えっ、誰だろう)

インターホンの画面に映っていたのはゆかりだった。

(ゆかりさん)

あやかは戸惑った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

【完結済】侯爵令息様のお飾り妻

鳴宮野々花
恋愛
 没落の一途をたどるアップルヤード伯爵家の娘メリナは、とある理由から美しい侯爵令息のザイール・コネリーに“お飾りの妻になって欲しい”と持ちかけられる。期間限定のその白い結婚は互いの都合のための秘密の契約結婚だったが、メリナは過去に優しくしてくれたことのあるザイールに、ひそかにずっと想いを寄せていて─────

仮面の王子は真実の愛を知る

茜カナコ
恋愛
辺境伯令嬢のライラは、子どもの頃の大火傷でただれた顔のゴードン王子と婚約することになった。

初めから離婚ありきの結婚ですよ

ひとみん
恋愛
シュルファ国の王女でもあった、私ベアトリス・シュルファが、ほぼ脅迫同然でアルンゼン国王に嫁いできたのが、半年前。 嫁いできたは良いが、宰相を筆頭に嫌がらせされるものの、やられっぱなしではないのが、私。 ようやく入手した離縁届を手に、反撃を開始するわよ! ご都合主義のザル設定ですが、どうぞ寛大なお心でお読み下さいマセ。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?

雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。 最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。 ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。 もう限界です。 探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。

不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました

入海月子
恋愛
有本瑞希 仕事に燃える設計士 27歳 × 黒瀬諒 飄々として軽い一級建築士 35歳 女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。 彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。 ある日、同僚のミスが発覚して――。

皇太子から愛されない名ばかりの婚約者と蔑まれる公爵令嬢、いい加減面倒臭くなって皇太子から意図的に距離をとったらあっちから迫ってきた。なんで?

下菊みこと
恋愛
つれない婚約者と距離を置いたら、今度は縋られたお話。 主人公は、婚約者との関係に長年悩んでいた。そしてようやく諦めがついて距離を置く。彼女と婚約者のこれからはどうなっていくのだろうか。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...