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第十一章 由梨の記憶が消えた

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由梨はそっと病室のドアをノックした。

病室に入ると、健吾がベッドに横たわっていた。

「健吾さん、どうしたんですか、何でこんなに怪我しちゃって」

まず、健吾はいよいよ始まったのかとさほど驚かなかった。

そして一番驚いたのは、裕也だった。

「姐さん、若頭のことわかるんですか」

健吾は裕也に由梨の病気のことを話していなかったと反省する。

「おい、裕也、ちょっと席外してくれるか」

「へい」

裕也は仕方なく、病室を出た。

「健吾さん、説明してください、何があったんですか」

「由梨、落ち着いて聞いてくれ」

健吾は由梨に説明した。

そして、由梨は納得する。

ところが、また、健吾の元を離れると、同じことの繰り返しだ。

そして、健吾は裕也と渡辺を呼び出した。

由梨は渡辺のことも初めましての様子だ。

「あのう、若頭、どう言うことでしょうか」
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