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第十八章 悪友 望月楓

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結婚前は自分のご褒美にと腕時計や、車を購入した。

麗子と結婚後は、カードで買い物した支払いに当てていた。

麗子の誕生日は十二月、そしてすぐにクリスマスがやってくる。

以前付き合っていた彼女は誕生日に二人で年に一度贅沢しようと、

食事をした。

麗子の場合、誕生日の食事、プレゼント、クリスマスの食事、プレゼントと、

いくら金があっても足りない。

美希ちゃんなら、節約を考えるんだろうと思ってしまう。

まるで、麗子は俺を困らせるように湯水のごとく金を使う。

楓は残業を増やし、なんとかしのいでいた。

これも初めは美希のためだった。

それが、いつからか麗子に対して愛情が芽生えてきたのだ。

ギュッと抱きしめたり、チュッとキスしたり、麗子の反応が可愛く感じるようになった。

そんなある日、残業の疲れが出たのか、楓は熱を出して仕事を休んだ。

麗子はタオルを楓のおでこにのせて、献身的な看病をした。

ふと目が覚めると、楓のベッドの傍に、麗子がうたた寝をしていた。

おでこには冷たいタオルがのせられていた。

麗子は俺を看病してくれたんだな。



「麗子、麗子、風邪ひくぞ、ベッドで休め」

麗子の身体を揺り動かすと、麗子が目を覚ました。

「楓、起きたの?熱は?身体は大丈夫?お腹空いたでしょ、なんか食べる?」

「ちょっと待て、そんなにいっぺんに質問しても、答えられないよ」

そう言いながら、楓は麗子の肩に羽織るものをかけた。

「ありがとう」

楓は麗子の後頭部を押さえて、おでこをくっつけてきた。

「どうだ、もう熱くないだろう」

麗子はちょっと恥ずかしそうに、頷いた。

「身体はまだだるいかな、腹はまだ空かない、後でお粥作ってくれるか」

「えっ、お粥はどうやって作るの?」

楓はそうだったとクスッと笑った。

「後で一緒に作ろうな」

そう言って、麗子のおでこにキスを落とした。

そんな矢先だった。

麗子が怪我で入院したのは……


望月は入院先の病院へ急いだ。

「麗子、大丈夫か」

この時望月の頭の中は真っ白になり、初めて麗子の存在を再認識させられた。

麗子への気持ちをはっきりわかった、失いたくない存在だと……

「楓、ごめんなさい、心配かけてしまって」

「心臓が止まるかと思ったよ、脅かすなよ」

「もう一つ、謝らないと」

望月は心当たりがない様子で、キョトンとした表情を見せた。

「楓が美希さんを好きなのは知っていました、私を蓮様から引き離そうと私に近づいた事も、でもどうしようもなく、楓に惹かれていく自分がいて、引き返せなかった、だからちょっと楓を困らせようとわがままをいっぱい言いました」

「麗子」

「本当に心配してくれた事がわかって、これからは楓の収入に見合った生活をします、すぐは無理かもしれないけど」

「ごめん、確かに麗子のわがままにはうんざりしていたのは事実だ、それに美希ちゃんに惹かれていたのも事実だ、でも麗子が事故にあったって聞いた時、麗子を失いたくないと思った、麗子を愛している自分に気づいた」

「楓、私赤ちゃんが欲しいです」

麗子は頬を真っ赤に染めて恥ずかしがった。

「そうだな、俺は子供をあやすの上手いぞ」

「そうですか、退院したら頑張りましょう」

麗子はニッコリ微笑んだ。
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