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第ニ章 強引な求愛
①
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「俺は美希が好きだ、だからキスしたし、抱きたいと思った、大好きな気持ちが溢れそうだ、やっと巡り合えたんだ、もう離したくない」
「急にそんな事言われても信じられません、私社長よりひと回りも年上です、からかうのはやめてください」
「からかってなんかいない、愛を語る上で年の差は関係ないだろう、どうしたら信じてもらえるんだ」
彼はドアの向こうで必死に私を口説いている。
「今日はお引き取りください」
「駄目だ、このままじゃ帰れない、俺のマンションに行って話しよう」
彼はずっとドアの向こうで叫んでいる、これでは隣人に何を言われるかわからない、彼は黙って帰ってはくれないだろう。苦肉の策でドアの鍵を開けて、彼を部屋に招き入れた。
ドアを開けると、彼が目の前に立っていた。
「中に入ってください、ご近所迷惑ですから」
彼はすぐに私の部屋に入り、抱き寄せた。
「誰にも渡したくない、俺を好きになってくれ」
急な社長の言動に戸惑いを隠せなかった。
「社長、明日出社いたしますので、今日は帰っていただきたいのですが・・・」
「絶対だぞ、来なかったらまた迎えにくる」
「わかりました、後もう一つお願いがあります、私を経理部に戻してください」
「それは出来ない、俺のこと嫌いか」
「昨日会ったばかりで、正直わかりません、たださっきキスされた時嫌ではなかったです、私を好きって言っていただいて抱きしめて貰った時にドキドキしたのも事実です」
彼は満面の笑みを浮かべて微笑んだ。
「そうか、嫌われていないってことはわかった、でも経理部には戻さない、俺のテリトリーからは出すつもりはない」
私は彼の側で仕事をする以外の選択肢はないようだ。
もう一つ彼に頼みごとを伝えた。
「会社でキスしたり、抱きしめたりはやめてください」
「じゃあ、俺のマンションに引っ越してこい」
「社長のマンションならいいとは言っていません」
「どこならいいんだ」
「そう言うことではなくて、キスは好きな人とするものです」
「俺は美希が好きだ、美希も俺が好きなんだろう問題ない」
唖然としてなんて前向きな、いや、自信満々なんだろうと言葉を失った。
やっと絞り出した言葉で彼に気持ちを伝えた。
「まだわかりませんと申し上げたはずです」
彼は不服そうな顔で何かを考えている様子だった
「わかった、美希が俺を好きになってキスを懇願する気持ちにさせてやる」
この時、彼の真っ直ぐな気持ちに心が動き始めていたことに自分自身気づけなかった。
次の日の朝、目覚めると気分が良かった。
昨日あんなことがあって、仕事に行きたくなくなったら、どうしようって思ったが、ちょっとウキウキしている自分がいた。
いつもよりお化粧に時間をかけた、鏡の前で洋服を決めるのにこんなに迷ったことはない。
彼のキス、そして熱い抱擁を思い出すと、身体が熱くなるのを感じた。
彼の事を思うだけでドキドキする、出社して彼に会ったら心臓が飛び出してしまうかもしれないと思うと、恥ずかしくて彼の顔を見ることが出来ない。
でも会いたい、抱きしめてほしいって思ったのは嘘ではない、私の本当の気持ちである。
そんな事を考えていたら時間が過ぎてしまった。
「大変、遅刻しちゃう」
私は急いで会社に向かった。
「おはようございます、遅くなりました」
彼は不機嫌そうな表情で私を見つめた。
「遅い、迎えに行くところだったぞ」
「すみません、服選びに時間がかかってしまって」
「心配したぞ、来なかったらどうしようって、正直思った」
彼は心配で仕方ないと言わんばかりの表情に変わった。
「俺のマンションに引っ越してこい」
えっ、うそでしょ、彼と一緒に暮らすなんて、毎日ドキドキして何も手につかないよ?
「大丈夫です、明日から遅刻しないように気をつけます」
しかし次の日から彼は考えられない行動に出た。
朝、彼は私のアパートに迎えに来た。
「美希、おはよう、支度出来たか、車に乗れ」
「社長、どうされたのですか」
「急にそんな事言われても信じられません、私社長よりひと回りも年上です、からかうのはやめてください」
「からかってなんかいない、愛を語る上で年の差は関係ないだろう、どうしたら信じてもらえるんだ」
彼はドアの向こうで必死に私を口説いている。
「今日はお引き取りください」
「駄目だ、このままじゃ帰れない、俺のマンションに行って話しよう」
彼はずっとドアの向こうで叫んでいる、これでは隣人に何を言われるかわからない、彼は黙って帰ってはくれないだろう。苦肉の策でドアの鍵を開けて、彼を部屋に招き入れた。
ドアを開けると、彼が目の前に立っていた。
「中に入ってください、ご近所迷惑ですから」
彼はすぐに私の部屋に入り、抱き寄せた。
「誰にも渡したくない、俺を好きになってくれ」
急な社長の言動に戸惑いを隠せなかった。
「社長、明日出社いたしますので、今日は帰っていただきたいのですが・・・」
「絶対だぞ、来なかったらまた迎えにくる」
「わかりました、後もう一つお願いがあります、私を経理部に戻してください」
「それは出来ない、俺のこと嫌いか」
「昨日会ったばかりで、正直わかりません、たださっきキスされた時嫌ではなかったです、私を好きって言っていただいて抱きしめて貰った時にドキドキしたのも事実です」
彼は満面の笑みを浮かべて微笑んだ。
「そうか、嫌われていないってことはわかった、でも経理部には戻さない、俺のテリトリーからは出すつもりはない」
私は彼の側で仕事をする以外の選択肢はないようだ。
もう一つ彼に頼みごとを伝えた。
「会社でキスしたり、抱きしめたりはやめてください」
「じゃあ、俺のマンションに引っ越してこい」
「社長のマンションならいいとは言っていません」
「どこならいいんだ」
「そう言うことではなくて、キスは好きな人とするものです」
「俺は美希が好きだ、美希も俺が好きなんだろう問題ない」
唖然としてなんて前向きな、いや、自信満々なんだろうと言葉を失った。
やっと絞り出した言葉で彼に気持ちを伝えた。
「まだわかりませんと申し上げたはずです」
彼は不服そうな顔で何かを考えている様子だった
「わかった、美希が俺を好きになってキスを懇願する気持ちにさせてやる」
この時、彼の真っ直ぐな気持ちに心が動き始めていたことに自分自身気づけなかった。
次の日の朝、目覚めると気分が良かった。
昨日あんなことがあって、仕事に行きたくなくなったら、どうしようって思ったが、ちょっとウキウキしている自分がいた。
いつもよりお化粧に時間をかけた、鏡の前で洋服を決めるのにこんなに迷ったことはない。
彼のキス、そして熱い抱擁を思い出すと、身体が熱くなるのを感じた。
彼の事を思うだけでドキドキする、出社して彼に会ったら心臓が飛び出してしまうかもしれないと思うと、恥ずかしくて彼の顔を見ることが出来ない。
でも会いたい、抱きしめてほしいって思ったのは嘘ではない、私の本当の気持ちである。
そんな事を考えていたら時間が過ぎてしまった。
「大変、遅刻しちゃう」
私は急いで会社に向かった。
「おはようございます、遅くなりました」
彼は不機嫌そうな表情で私を見つめた。
「遅い、迎えに行くところだったぞ」
「すみません、服選びに時間がかかってしまって」
「心配したぞ、来なかったらどうしようって、正直思った」
彼は心配で仕方ないと言わんばかりの表情に変わった。
「俺のマンションに引っ越してこい」
えっ、うそでしょ、彼と一緒に暮らすなんて、毎日ドキドキして何も手につかないよ?
「大丈夫です、明日から遅刻しないように気をつけます」
しかし次の日から彼は考えられない行動に出た。
朝、彼は私のアパートに迎えに来た。
「美希、おはよう、支度出来たか、車に乗れ」
「社長、どうされたのですか」
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