お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない

第三十三章 葉月の決意

葉月お前は俺が守る②

「どういう事だ、あのマンションへ戻るというのか」

「本当にありがとうございました、いつも迷惑かけてばかりで、申し訳ありませんでした」

「なあ、葉月、俺の妻になってくれ、お前を生涯愛すると誓う」

「ありがとうございます、でも私は西沢の妻です、西沢組の姐さんなんです、だから富樫さんのお気持ちには答えられません」

葉月は理玖と共に西沢のマンションへ戻った。

そんな様子を見ていたのは、安藤だった。

葉月は自分が西沢の妻で、理玖の母親で、西沢組の姐さんを貫くことが出来れば、

安藤は前の優しい安藤に戻って、葉月と理玖を支えてくれると信じていた。

富樫は藤間に見張りを依頼した。

安藤は必ず、葉月に近づくに違いない。

本当なら、自分のテリトリーから出したくなかった。

でも、今の葉月を押さえつけることは出来ないと判断した。

（葉月、お前はどうして俺の腕の中で大人しくしてくれないんだ、お前の気持ちがつかみきれない、俺の抱擁に感じてくれたと安心したと思うと、突然お前は俺から離れて行くんだな）

富樫は今は葉月を見守ることしか出来ずにいた。

その頃葉月は西沢のマンションで、今まで通りの生活を送ろうと決心していた。

理玖を保育園に送っていってから、西沢組へ向かった。

「姐さん、怪我はもう大丈夫なんですか」