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第二十八章 葉月の偽りの気持ち

富樫の妄想

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西沢は理玖から離れた。

「ママ」

「理玖、理玖なの?」

「うん、僕ね、パパの夢見てた、パパがママを頼むなって」

葉月は理玖を抱きしめた。

「理玖、よく聞いて、理玖は西沢組組長を就任したの」

「えっ、そうなの?」

「でもそれはパパの意志で、もし理玖が嫌なら止めてもいいのよ」

理玖は考えていた。

葉月は理玖の中に西沢の魂が入った状態での言葉をそのまま、受け入れるつもりはなかった。

理玖自身の気持ちを大切にしたかったのだ。

「ママ、僕やるよ」

「えっ、大丈夫なの?」

「うん、安藤に組長をやらせるわけにいかないからね」

「守さんなの?」

「何言ってるの、ママ、僕は西沢理玖だよ、ママを一生守って行くからね」

葉月は驚いた。

理玖がこんなにも成長していたなんて、子供だ、子供だと思っていたのに……
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