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第十三章 葉月が姿を消して三年の月日が流れた

葉月 死ぬな

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「葉月、葉月」

冨樫は思いっきり腰を動かしながら、葉月の両手を頭の上で押さえつけて、

乳首をしゃぶった。

「ああ、もういく」

「いいぞ、蕩けた顔を俺に見せろ」

「葉月、こんなにとろとろになって、俺を好きだと言ってくれ」

「葉月」

「冨樫さんが好き」

「ほかの男にその顔見せるんじゃねえぞ」

その時、ドアがノックされて、ヤスシが声をかけた。

「組長、おはようございます、飯出来ました」

「おお、今いく」

冨樫は葉月にバスローブを着させて、抱き抱えた。

「一緒にシャワー浴びるぞ」

葉月の頬にきすを落とした。

「下ろしてください、恥ずかしいです」

「何も恥ずかしいことなどない、お前は俺の命だからな」

ドアが空いて、冨樫が葉月を抱えているところを見たヤスシがニヤニヤして言葉をはっした。




「もう、仲がいいんですね、葉月さんを宝箱に入れて、鍵かけたい感じですね」

「それはいい考えだな」

そんな冨樫とヤスシの会話に、葉月は戸惑っていた。

葉月さんは冨樫さんにすごく愛されているんだなと、私、こんなに大事にされて、

いくら身代わりでも、冨樫さんを本当に好きになっちゃう。

「どうした、葉月」

「いえ、なんでもないです」

冨樫とシャワーを浴びて、食事を済ますと、冨樫は買い物に誘ってくれた。

手を繋いで、ショッピングモールを歩く、もちろん、周りには冨樫組組員が

組長の護衛で囲っている。

その時、事件は起きた。

目の前を通り過ぎたおばあさんが、ナイフを冨樫さんめがけて突き刺してきた。

私は咄嗟に冨樫さんを庇った。

ナイフは私の脇腹に突き刺さり、どくどくとおびただしい血が流れた。

冨樫組組員はそのおばあさんを取り押さえた。

「葉月、葉月」

冨樫さんは私を抱き抱えて、脇腹を押さえた。
ナイフを突き刺してきたのは、おばあさんの格好をした、敵対しているヤクザの組員だった。





「救急車を早く」

冨樫は部下に救急車を呼ぶように叫んだ。

「葉月、しっかりしろ」

葉月は救急車で搬送された。

緊急手術で冨樫は廊下で長い時間、手術室の明かりが消えるのを待っていた。

葉月、なんで俺を庇ったんだ、お前まで、俺を置いていくのか。

頼む、葉月を助けてくれ。

俺は神に祈った。

それから、どれくらいの時間が経過しただろうか。

手術室の明かりが消えて、担当医師が手術室から出てきた。

「日向葉月さんのご家族の方ですか」

「はい」

「命は取り留めました、後は日向さんの生命力に頼るばかりです」

「ありがとうございました」

葉月は集中治療室に運ばれた。

冨樫はずっと葉月の側を離れずにいた。

そこへヤスシがやってきた。

「組長、休んでください、このままだと組長が倒れます」
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