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第二十三章 みゆが生死を彷徨う

みゆ、生きてくれ

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廉也は毎日リハビリに励んだ。

でもわかっていた。

もう二度と自力では歩けないことを……

「みゆ、日本に帰ろうか」

「えっ」

「ゆかりも高城もずっとこっちってわけにはいかないだろうし、それに

健志は忙しいのか、来なかったな」

みゆは健志の信じられない行動を思い返していた。

「どうかしたのか、みゆ」

「いいえ、なんでもありません」

そして、廉也とみゆは日本に戻った。

廉也はリハビリも続けたが、すぐに仕事に復帰した。

車椅子での生活は困難を極めた。

まして、みゆのお腹も目立ち始めて、八ヶ月目に入ろうとしていた。

「みゆ、足元見えなくなってきただろう、十分に気をつけろよ」

「みゆ、重たい荷物は持つな」

「みゆ、エレベーターを使え」

廉也はいつもみゆを気遣ってくれて、みゆは幸せだった。

そんなある日、みゆは意識がなくなり、倒れた。

心配していたことが起きたのだ。

倒れた時、お腹を打ちつけ、破水した。

みゆも心配だが、胎児が深刻な状況だった。

「帝王切開で胎児を取り出します、ご主人様、こちらにサインをお願いします」

「みゆも子供も大丈夫でしょうか」

「お子さんは保育器に入ります、生命力に期待するしかありません、その後、
奥様の処置に入りますが、相当強く頭を打ちつけておりますので、でも最善を尽くします」

連絡を受けたゆかりと健志も病院へ駆けつけた。

「廉也、みゆさんはどうなの?」

「子供は帝王切開で取り出すって」

「そう」

「みゆが頭を強く打ちつけたからって」

そこに健志が廉也を覗き込んだ。

「大丈夫だよ、子供も、みゆちゃんも」

「ああ」

手術は困難を極めた。

廉也は神に祈った。
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