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第十二章 お前を取り戻す
近づく唇
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(俺がいないと生きていけない位に惚れさせる)
廉也はみゆを取り戻すと心に誓った。
私は廉也さんの食事を作ることに幸せを感じていた。
身の回りの世話も、そして毎日廉也さんの顔を見て話が出来る事がこんなにも嬉しいなんて、改めて感じた。
廉也さんのいない人生は考えられないと思った。
(このまま時間が止まってずっと一緒にいられたらいいのに)
廉也の病室に食事を運ぶと、いつものように「ありがとう」と微笑んでくれた。
「総務部の皆は元気ですか?」
「ああ、頑張ってくれてるよ」
「そうですか、皆に迷惑かけてしまって、心苦しいです」
「俺がもっとみゆに気遣い出来てれば、すまない」
「廉也さんはわる……すみません、桂木さんは悪くないです」
「いいよ、廉也で……俺もみゆって呼んでるし」
「でも……」
「みゆ」
廉也さんと私は見つめ合った。
愛し合った時が走馬灯のように脳裏に蘇る。
どちらともなく、二人の距離は近づき、唇があと数センチのところで「みゆちゃん」と北山先生が私を呼ぶ声が聞こえた。
ビクッと身体が反応し、我にかえった。
「はい」と返事をして病室を後にした。
私、今何を……手の震えが止まらない。
「みゆちゃん、どうした?」
私の手の震えに気づいて北山先生は私の手を握ってくれた。
「大丈夫?ごめん、僕がみゆちゃんに頼り過ぎたかな?」
「大丈夫です」
その頃廉也も我にかえり自分が何をしようとしていたか考えると、理性を抑えきれない自分にゾッとした。
このままだとみゆを抱きたいと言う衝動に勝てない自分が現れるのも時間の問題と感じた。
ある日廉也の病室に北山先生が廉也の病状の確認にやってきた。
「廉也、気分はどうだ?」
「だいぶ楽になった、眠れるようになったし、頭痛も治まってきた、食事も美味い」
「そうか、なら退院だな」
「あ、なんか急に頭痛が……」
「おい、お前は子供か」
廉也はみゆを取り戻すと心に誓った。
私は廉也さんの食事を作ることに幸せを感じていた。
身の回りの世話も、そして毎日廉也さんの顔を見て話が出来る事がこんなにも嬉しいなんて、改めて感じた。
廉也さんのいない人生は考えられないと思った。
(このまま時間が止まってずっと一緒にいられたらいいのに)
廉也の病室に食事を運ぶと、いつものように「ありがとう」と微笑んでくれた。
「総務部の皆は元気ですか?」
「ああ、頑張ってくれてるよ」
「そうですか、皆に迷惑かけてしまって、心苦しいです」
「俺がもっとみゆに気遣い出来てれば、すまない」
「廉也さんはわる……すみません、桂木さんは悪くないです」
「いいよ、廉也で……俺もみゆって呼んでるし」
「でも……」
「みゆ」
廉也さんと私は見つめ合った。
愛し合った時が走馬灯のように脳裏に蘇る。
どちらともなく、二人の距離は近づき、唇があと数センチのところで「みゆちゃん」と北山先生が私を呼ぶ声が聞こえた。
ビクッと身体が反応し、我にかえった。
「はい」と返事をして病室を後にした。
私、今何を……手の震えが止まらない。
「みゆちゃん、どうした?」
私の手の震えに気づいて北山先生は私の手を握ってくれた。
「大丈夫?ごめん、僕がみゆちゃんに頼り過ぎたかな?」
「大丈夫です」
その頃廉也も我にかえり自分が何をしようとしていたか考えると、理性を抑えきれない自分にゾッとした。
このままだとみゆを抱きたいと言う衝動に勝てない自分が現れるのも時間の問題と感じた。
ある日廉也の病室に北山先生が廉也の病状の確認にやってきた。
「廉也、気分はどうだ?」
「だいぶ楽になった、眠れるようになったし、頭痛も治まってきた、食事も美味い」
「そうか、なら退院だな」
「あ、なんか急に頭痛が……」
「おい、お前は子供か」
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