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第五章 愛の告白

御曹司との辛い過去のトラウマ

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「あのう、社長……ずっと聞きたかったんですけど、以前会ったことありましたか」

「ああ、俺達、休憩室で会ったのが初めてじゃないんだ、一年前、駅前の喫茶店で、会社の役員と打ち合わせの為待ち合わせしてた時、みゆは窓際の席に座っていたんだ、ずっと一人で俯いていてめっちゃ気になったんだ」

私はまだ思い出せずにいたが、廉也さんの言うことに耳を傾けていた。

「どうしても顔が見たくて、みゆに近づいた、前の席に相席お願いした時、みゆは顔を上げて俺を見た瞬間、目に涙が溢れて頬を伝わった、その涙を見た時俺は釘付けになり、動けなくなった」

この時廉也は恋に落ちたのだ。

私は廉也さんの話を聞いて一年前の記憶が走馬灯のように蘇った。

あの時龍司さんを諦めた瞬間だった。

あれは三年前の事、私はある男性と知り合った。

橘 龍司である。

龍司は橘不動産の御曹司で、次期社長の立場だった。

その頃私は男性不信に陥っていた。

私の何が悪いの?

信じちゃいけないといつも自分に言い聞かせていた。

龍司さんとはとても楽しくて、毎日私のアパートでデートした。

もちろん、外に出かけることもあった。

必ず、毎日会いに来てくれた。

ある日龍司さんからプロポーズをされた。

しかし、龍司さんとの結婚は次期社長の立場で、叶わぬ夢と諦めていた。

でも龍司さんは私との結婚を前向きに考えてくれていた。

そんな矢先、橘不動産の役員が龍司さんとの別れを要求して来た。

龍司さんは取引先のお嬢さんとの結婚が決まっていたのである。

結婚を周りから反対され、社長になっていなかった龍司さんは、その反対を押し切って、私と結婚出来る立場ではなかったのだ。

龍司さんは私に言った。

「社長になって、必ずみゆを迎えに行くから、待っていてほしい」

男性に裏切られた辛い経験をした私は、龍司さんの言葉を信じられなかった。

実は愛を確かめ合ったのは龍司さんが初めてだった。
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