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国際会議
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朝から続々と王宮入りする王族を迎える貴族らで、ごった返す王宮。
アナスタージアとアレクセイは正装でエントランスで迎える。アナスタージアも王妃として初めての国際会議。
日頃は幼く見えるアナスタージアだが、凛とした表情でもてなしを行う。先ずは完璧な滑り出し。
アナスタージアは各国王族の紋章をそれぞれ刺繍をし
今回の国際会議の手土産の品と一緒に渡せる様に用意していた。これにはレイモンドも驚き、アナスタージアを発掘さした自分を褒めてやりたかった。
緊張感あふれる会議も無事終わりアレクセイとレイモンドは執務室に戻ると笑顔のアナスタージアが迎える。
3人でひとまず息を付き、明日からの個別会談の準備に入った。
日程も順調に進み、貴族からもその都度進捗情報が集まり、それらを確認する作業もアナスタージアが担っていた。
朝から晴れ渡る、日程5日目。
シルビアはダリス大王国フリードリヒを孤児院視察にお連れする為、王宮に上がっていた。
馬車の前で待機するシルビアを遠巻きに見つけたレイモンドは足を止めた。
シルビアが待つ馬車にフリードリヒが護衛を連れて現れた。
シルビアがカーテシーをするとフリードリヒは笑顔でシルビアに挨拶している。
流石のシルビアも緊張からか顔が強張っているが、今日も相変わらず美しい。
レイモンドは我に返り、歩みを前に進めて行った。
『殿下、本日はよろしくお願いいたします。』
シルビアがフリードリヒに頭を下げると、お得意の王子様スマイルで、答えるフリードリヒ。
『はじめましてではないよね?』
『はい、留学先の夜会でご挨拶させて頂きました事がございます。』
フリードリヒはにっこりと微笑み
『覚えていてくれたの?嬉しいよ。私はね今回貴女に会いたくてここに来たのだからね。』
シルビアは大きな瞳を更に大きくして驚いた。
『何か失礼がございましたでしょうか?』
『いやいや、そうではないよ。何でもね、とある候爵令嬢が男爵令嬢に言ったそうだよ。男爵令嬢だからバカにされているのではない。貴女だからバカにされている。男爵令嬢でも素晴らしい令嬢は居るとね。』
青ざめるシルビアに対してフリードリヒは
『至極全うな事だろう?』
シルビアは俯きながら
『お耳汚しをいたしました。』
『違う違う!私はシルビア嬢のイメージを勝手に作ってしまっていたからね。この話しを聞いて、その令嬢に興味を持って聞いたらシルビア嬢って言うから実際に会って見たくなって、力を使ってここに来たんだよ』
軽く答えるフリードリヒをゆっくり見上げるとそこには完全無欠な王子様が微笑んでいた。
その後の馬車の中でも穏やかな時間が流れる。
『ダリス大王国は王子がご誕生との事でしたわね。おめでとうございます。』
シルビアの問い掛けに喜びを爆発させるフリードリヒ。フリードリヒは自他認める叔父バカである。
『もぉね、ヤバいの。可愛くて。毎日私を見ると微笑むんだよ。だんだん私に似てきている気がするよ。』
‥えっと?国王のお子さまですわよね?
『ここにも連れてきたかったんだけどね。』
‥それは流石に第一王子でも無理でしょう。
言葉にならないシルビアを気にせず
『シルビア嬢も見てみたいだろ?』
シルビアは引き攣りながらも
『可愛らしいのでしょうね?』
小さく微笑むと
『疑問符はいらないよ。実際カワイイからね。』
満面の笑みのフリードリヒにもはや返す言葉はみつからない。
アナスタージアとアレクセイは正装でエントランスで迎える。アナスタージアも王妃として初めての国際会議。
日頃は幼く見えるアナスタージアだが、凛とした表情でもてなしを行う。先ずは完璧な滑り出し。
アナスタージアは各国王族の紋章をそれぞれ刺繍をし
今回の国際会議の手土産の品と一緒に渡せる様に用意していた。これにはレイモンドも驚き、アナスタージアを発掘さした自分を褒めてやりたかった。
緊張感あふれる会議も無事終わりアレクセイとレイモンドは執務室に戻ると笑顔のアナスタージアが迎える。
3人でひとまず息を付き、明日からの個別会談の準備に入った。
日程も順調に進み、貴族からもその都度進捗情報が集まり、それらを確認する作業もアナスタージアが担っていた。
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シルビアはダリス大王国フリードリヒを孤児院視察にお連れする為、王宮に上がっていた。
馬車の前で待機するシルビアを遠巻きに見つけたレイモンドは足を止めた。
シルビアが待つ馬車にフリードリヒが護衛を連れて現れた。
シルビアがカーテシーをするとフリードリヒは笑顔でシルビアに挨拶している。
流石のシルビアも緊張からか顔が強張っているが、今日も相変わらず美しい。
レイモンドは我に返り、歩みを前に進めて行った。
『殿下、本日はよろしくお願いいたします。』
シルビアがフリードリヒに頭を下げると、お得意の王子様スマイルで、答えるフリードリヒ。
『はじめましてではないよね?』
『はい、留学先の夜会でご挨拶させて頂きました事がございます。』
フリードリヒはにっこりと微笑み
『覚えていてくれたの?嬉しいよ。私はね今回貴女に会いたくてここに来たのだからね。』
シルビアは大きな瞳を更に大きくして驚いた。
『何か失礼がございましたでしょうか?』
『いやいや、そうではないよ。何でもね、とある候爵令嬢が男爵令嬢に言ったそうだよ。男爵令嬢だからバカにされているのではない。貴女だからバカにされている。男爵令嬢でも素晴らしい令嬢は居るとね。』
青ざめるシルビアに対してフリードリヒは
『至極全うな事だろう?』
シルビアは俯きながら
『お耳汚しをいたしました。』
『違う違う!私はシルビア嬢のイメージを勝手に作ってしまっていたからね。この話しを聞いて、その令嬢に興味を持って聞いたらシルビア嬢って言うから実際に会って見たくなって、力を使ってここに来たんだよ』
軽く答えるフリードリヒをゆっくり見上げるとそこには完全無欠な王子様が微笑んでいた。
その後の馬車の中でも穏やかな時間が流れる。
『ダリス大王国は王子がご誕生との事でしたわね。おめでとうございます。』
シルビアの問い掛けに喜びを爆発させるフリードリヒ。フリードリヒは自他認める叔父バカである。
『もぉね、ヤバいの。可愛くて。毎日私を見ると微笑むんだよ。だんだん私に似てきている気がするよ。』
‥えっと?国王のお子さまですわよね?
『ここにも連れてきたかったんだけどね。』
‥それは流石に第一王子でも無理でしょう。
言葉にならないシルビアを気にせず
『シルビア嬢も見てみたいだろ?』
シルビアは引き攣りながらも
『可愛らしいのでしょうね?』
小さく微笑むと
『疑問符はいらないよ。実際カワイイからね。』
満面の笑みのフリードリヒにもはや返す言葉はみつからない。
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