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公開処刑3
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項垂れるエリザベスに容赦なくフリードリヒが告げる。
『極刑は免れないよ?』
驚いた一同の中からフリードリヒに援護射撃をする者1名。王妃は側近に合図を送るとすぐさま両開きの扉が開かれるとパナン王国王太子とその側近らが最上級の礼を取り国王の前に跪いた。
あれ程プライド高い王国の王太子が跪く光景を王子たちは驚きながらも何故ここにパナン王国王太子が居るのかをフリードリヒは不思議そうに王妃を見た。
『お兄様…』
泣き崩れるエリザベスを見ることなく王太子は
『此度の件、誠に申し訳ありません。何卒穏便に。必要ならばエリザベスの首を差し出します故。』
『お兄様!』
衛兵に取り押さえられるエリザベスに
『黙れ!お前はパナン王国王女としてのプライドは無いのか!己のやらかした事の責任も取れぬか!愚か者が!』
何とも気性の荒い王太子だ。
王妃はその様子を見ながら冷たく言い放つ。
『貴方がた、そんなくだらないやり取りは他でやって下さい。ところでパナン王太子殿下?此度の件、この者の首程度で済ませるおつもりかしら?』
…。
…。
…。
…首程度って。
『まずランズ王国王太子妃の地位を狙う為に関係の無いスラムのお嬢さんまで巻き込んで…そこまでして王太子妃にこだわるなんて他国に知れたらとんだ恥さらし。だって権威ある王族がよ?スラムの人間を使ってまでよ?恥も外聞も…ねえ?』
…怖すぎる
フリードリヒは母を見上げる。
『そしてこれが最大の罪。極刑に値する。王太子妃に堕胎クスリを盛るなんて、貴方の国ならばごめんなさいで済みますの?仮に貴方の奥さまが堕胎クスリを飲まされていたならば?』
王太子は唇を噛み締め
『極刑です。』
『それで気がおさまります?私は到底無理だわ。最愛の息子の子。ならば私の孫となりますの。ランズ王国後継者としても許されないけれど私はそれ以上に息子の子を殺されていたとなれば八つ裂きにしてもまだ足りませんの。』
…。
エリザベスは目を見開いたまま、昨日まで楽しく会話していた王妃を見た。
『勘違いしないで、エリザベス。貴女が嘘つきなのは知ってるけど、はっきり言って貴女の嘘なんてどうでもいいの。ただ、最愛の息子のお嫁さんを傷つけた事は私にとって貴女の命なんかよりも重いのよ。』
…。
『そうね、フリード。どうする?』
いきなり飛んできた矢を驚きながらも必死に返すフリードリヒ。
『まず慰謝料として、ラダン王国への借金をそれに充ててもらいましょうか?』
王太子は思いも寄らない提案に言葉を失う。
クラリスもまたその件をフリードリヒが知っている事に驚き後ろに控えるテオドールを見ると、テオドールは真顔で首を横に振った。
『そうね、我が国はお金には困ってないものね。ラダンにはお世話になっているしそれは名案だわ。
ついでにあのイチャモン付けてる金山の所有権からも手を引いて頂きますかね。そうすれば嘘つき王女の首なんていらないわ!
だって仮にも私の大切なアルフレッドの妻として名を馳せていたのも事実。こちらもこんな事知られたら恥ずかしいったら無いわよ。こんな空っぽ王女を娶ったなんてアルフレッドの今後に関わるもの。』
…キャラ崩壊してきたわ。
クラリスは王妃を凝視していると王妃はクラリスに向ってお茶目に舌を出した。
パナン王国王太子は全てを受け入れ、エリザベスを連れて早々に王宮を後にした。
それを見送るとフリードリヒはリザに視線を向けた。
『極刑は免れないよ?』
驚いた一同の中からフリードリヒに援護射撃をする者1名。王妃は側近に合図を送るとすぐさま両開きの扉が開かれるとパナン王国王太子とその側近らが最上級の礼を取り国王の前に跪いた。
あれ程プライド高い王国の王太子が跪く光景を王子たちは驚きながらも何故ここにパナン王国王太子が居るのかをフリードリヒは不思議そうに王妃を見た。
『お兄様…』
泣き崩れるエリザベスを見ることなく王太子は
『此度の件、誠に申し訳ありません。何卒穏便に。必要ならばエリザベスの首を差し出します故。』
『お兄様!』
衛兵に取り押さえられるエリザベスに
『黙れ!お前はパナン王国王女としてのプライドは無いのか!己のやらかした事の責任も取れぬか!愚か者が!』
何とも気性の荒い王太子だ。
王妃はその様子を見ながら冷たく言い放つ。
『貴方がた、そんなくだらないやり取りは他でやって下さい。ところでパナン王太子殿下?此度の件、この者の首程度で済ませるおつもりかしら?』
…。
…。
…。
…首程度って。
『まずランズ王国王太子妃の地位を狙う為に関係の無いスラムのお嬢さんまで巻き込んで…そこまでして王太子妃にこだわるなんて他国に知れたらとんだ恥さらし。だって権威ある王族がよ?スラムの人間を使ってまでよ?恥も外聞も…ねえ?』
…怖すぎる
フリードリヒは母を見上げる。
『そしてこれが最大の罪。極刑に値する。王太子妃に堕胎クスリを盛るなんて、貴方の国ならばごめんなさいで済みますの?仮に貴方の奥さまが堕胎クスリを飲まされていたならば?』
王太子は唇を噛み締め
『極刑です。』
『それで気がおさまります?私は到底無理だわ。最愛の息子の子。ならば私の孫となりますの。ランズ王国後継者としても許されないけれど私はそれ以上に息子の子を殺されていたとなれば八つ裂きにしてもまだ足りませんの。』
…。
エリザベスは目を見開いたまま、昨日まで楽しく会話していた王妃を見た。
『勘違いしないで、エリザベス。貴女が嘘つきなのは知ってるけど、はっきり言って貴女の嘘なんてどうでもいいの。ただ、最愛の息子のお嫁さんを傷つけた事は私にとって貴女の命なんかよりも重いのよ。』
…。
『そうね、フリード。どうする?』
いきなり飛んできた矢を驚きながらも必死に返すフリードリヒ。
『まず慰謝料として、ラダン王国への借金をそれに充ててもらいましょうか?』
王太子は思いも寄らない提案に言葉を失う。
クラリスもまたその件をフリードリヒが知っている事に驚き後ろに控えるテオドールを見ると、テオドールは真顔で首を横に振った。
『そうね、我が国はお金には困ってないものね。ラダンにはお世話になっているしそれは名案だわ。
ついでにあのイチャモン付けてる金山の所有権からも手を引いて頂きますかね。そうすれば嘘つき王女の首なんていらないわ!
だって仮にも私の大切なアルフレッドの妻として名を馳せていたのも事実。こちらもこんな事知られたら恥ずかしいったら無いわよ。こんな空っぽ王女を娶ったなんてアルフレッドの今後に関わるもの。』
…キャラ崩壊してきたわ。
クラリスは王妃を凝視していると王妃はクラリスに向ってお茶目に舌を出した。
パナン王国王太子は全てを受け入れ、エリザベスを連れて早々に王宮を後にした。
それを見送るとフリードリヒはリザに視線を向けた。
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