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ハインリッヒ・アミュレット王誕生
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ハインリッヒとシンシアの結婚式がアミュレットで盛大に執り行われる。
ハインリッヒはヴェルヘルトの第2王子ということと、王太子妃であるエレノアの祖国であるということでヴェルヘルトからは数多く参列している。
そしてまた帝国からは皇太子妃リネットの祖国ということでこれまた大勢の参列者が列を連ねていた。
盛大に執り行われている中エレノアがウィリアムを見るとまたも悲しそうな顔で新郎新婦を見つめている。
…まただわ。
エレノアはウィリアムの耳元で、
『離縁はしませんよ?挙式も結構ですからね?』
…。
ウィリアムはギョッとエレノアを見る。
『殿下は心の声がダダ漏れですわ!』
クスッと笑うエレノアを横目にウィリアムは後ろに控える側近2人を見た。
…(笑)
…分かり易すぎだろ?(笑)
仲良く笑いを堪えている2人にウィリアムは怪訝そうに見た。
ウィリアムはエレノアの為にではなく、自分が自分との結婚式で着飾るエレノアを見てみたいのだ。
…。
ウィリアムがそんな事を考えているうちに式は終わりを告げていた。
そして引き続き各国の前でアミュレット王は後継者としてハインリッヒ・アミュレットを指名した。
参列者は驚きを見せたが、ハインリッヒの国王としての姿に見惚れて少しの静寂の後、溢れんばかりの拍手喝采となった。
ヴェルヘルトの参列者はヴェルヘルト第2王子が治める国として友好的に笑顔を送るも、帝国は明らかに動揺が見て取れた。
ウィリアムはその様子を眺めながら緊張感を肌で感じ取った。もちろん側近2人もその光景を逃すまいと凝視していたのである。
夜会までのひとときを案内された広間で寛いでいると、ハインリッヒがやって来た。
『おめでとうございます』
まずはテオドールが最上級の礼を取るとハロルドも続く。
『ありがとう、シンシアは夜会の準備があるから私だけで申し訳ない。今日はありがとう。』
幾分か威厳が出て来た若き国王。
『ハインリ、おめでとう。まさか私より先に国王とはね。』
嬉しそうなウィリアムにハインリは
『ヴェルヘルトの国王とは比べものになりせんが私はこの国の為に尽力しますから今後とも宜しくお願いします。』
…どうした?
テオドールは目を丸くしている。
『殿下!ありがとうございます。シンシアお姉様を宜しくお願いしますね。何分亡命未遂を冒した姉ですが…』
エレノアの言葉にハインリッヒは納得の様子で
『亡命未遂って義姉上のネーミングだったの?だよね?納得だよ。』
…?
エレノアは首を傾げると広間に入ってくるリネットを見た。
『お姉様!』
エレノアの言葉にリネットは少しはにかみながら会釈をして去って行った。
『あら、どうしたのかしら?』
追いかけようとするエレノアをウィリアムは
『エレノア。義姉上はお忙しい様であったぞ?またにしたらどう?』
と手首を掴むとにっこりと微笑んだ。ハインリッヒも
『…だね。そうした方が良いよ。』
エレノアとハインリッヒの会話を横目にウィリアムはテオドールに目配せをすると、テオドールは小さく頷き広間を静かに出て行った。
ハインリッヒはヴェルヘルトの第2王子ということと、王太子妃であるエレノアの祖国であるということでヴェルヘルトからは数多く参列している。
そしてまた帝国からは皇太子妃リネットの祖国ということでこれまた大勢の参列者が列を連ねていた。
盛大に執り行われている中エレノアがウィリアムを見るとまたも悲しそうな顔で新郎新婦を見つめている。
…まただわ。
エレノアはウィリアムの耳元で、
『離縁はしませんよ?挙式も結構ですからね?』
…。
ウィリアムはギョッとエレノアを見る。
『殿下は心の声がダダ漏れですわ!』
クスッと笑うエレノアを横目にウィリアムは後ろに控える側近2人を見た。
…(笑)
…分かり易すぎだろ?(笑)
仲良く笑いを堪えている2人にウィリアムは怪訝そうに見た。
ウィリアムはエレノアの為にではなく、自分が自分との結婚式で着飾るエレノアを見てみたいのだ。
…。
ウィリアムがそんな事を考えているうちに式は終わりを告げていた。
そして引き続き各国の前でアミュレット王は後継者としてハインリッヒ・アミュレットを指名した。
参列者は驚きを見せたが、ハインリッヒの国王としての姿に見惚れて少しの静寂の後、溢れんばかりの拍手喝采となった。
ヴェルヘルトの参列者はヴェルヘルト第2王子が治める国として友好的に笑顔を送るも、帝国は明らかに動揺が見て取れた。
ウィリアムはその様子を眺めながら緊張感を肌で感じ取った。もちろん側近2人もその光景を逃すまいと凝視していたのである。
夜会までのひとときを案内された広間で寛いでいると、ハインリッヒがやって来た。
『おめでとうございます』
まずはテオドールが最上級の礼を取るとハロルドも続く。
『ありがとう、シンシアは夜会の準備があるから私だけで申し訳ない。今日はありがとう。』
幾分か威厳が出て来た若き国王。
『ハインリ、おめでとう。まさか私より先に国王とはね。』
嬉しそうなウィリアムにハインリは
『ヴェルヘルトの国王とは比べものになりせんが私はこの国の為に尽力しますから今後とも宜しくお願いします。』
…どうした?
テオドールは目を丸くしている。
『殿下!ありがとうございます。シンシアお姉様を宜しくお願いしますね。何分亡命未遂を冒した姉ですが…』
エレノアの言葉にハインリッヒは納得の様子で
『亡命未遂って義姉上のネーミングだったの?だよね?納得だよ。』
…?
エレノアは首を傾げると広間に入ってくるリネットを見た。
『お姉様!』
エレノアの言葉にリネットは少しはにかみながら会釈をして去って行った。
『あら、どうしたのかしら?』
追いかけようとするエレノアをウィリアムは
『エレノア。義姉上はお忙しい様であったぞ?またにしたらどう?』
と手首を掴むとにっこりと微笑んだ。ハインリッヒも
『…だね。そうした方が良いよ。』
エレノアとハインリッヒの会話を横目にウィリアムはテオドールに目配せをすると、テオドールは小さく頷き広間を静かに出て行った。
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