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隣町の恋人達へのお説教

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安堵したように馬車に乗り込むとエリーヌはヨハネスの隣にキャサリンを座らせ自分はその向かい側に腰をおろした。

…?
…?

顔を見合わせる2人にエリーヌな腕組みをしながら


『お二人にはガッカリですわ!』

ご立腹のエリーヌにキャサリンは慌てて


『違うの、隣町の恋人達はコンセプトね?演技よ、演技、ねえ?』


ヨハネスに振るとヨハネスも


『ったく、だから隣町の兄弟で良かったんだ。義姉上のシナリオは本当使えないよ。』


『あら、エリック様は成功されたわ!』


揉める2人にパンパンと手を鳴らすと


『違います!恋人でも愛人でも構いません!』


…恋人でも愛人でもって…。


『いいですか?今後一切お二人は非公式で市井に下りてはなりませんよ!』


…。

顔を見合わせる2人に


『あれが演技ですか?それなら壊滅的な大根役者ですよ?だいたいあの市場ですぐにお二人が王族って分からない者はいませんよ?』



…?


『まず、言葉がおかしいでしょう?あそこで敬語など使う者はおりません。しかもリンゴすら食べ方を知らない。』



『そ、それは謝るわ。でも、まさか王族とは思わないかも?だって貴族令嬢らがお忍びってのも考えられない?』

エリーヌはヨハネスに視線を投げると


『殿下はどこまでいっても王子様だったわ!』


キャサリンが納得するかのように

『そうなの、ヨハネス様が足を引っ張るから!』


…。よく言うよ。


『まぁ、生まれながらの王子だからね?オーラまでは消せないんだ…』


ヨハネスは悪怯れる事もなく馬車の窓から外を眺めた。





王宮に着くとすぐに王太子執務室へヨハネスは着替える間もなくカールトンを訪ねた。




『おかえり!疲れたろ!』


…疲れたと思うなら先に休ませろよ。

ため息を付きながらヨハネスは詳細を報告した。


『っていう事なのでエリックにはそう伝えてやればいいよ。』



ヨハネスが首を鳴らしてソファを立とうとすると


『おい、その男の名は?』


ヨハネスは少し驚き


『兄上、ご存知でしたか?』


カールトンは不機嫌そうに

『町の公園に居る男はなど知らぬわ。』


…。えっそっち?まぢで?

ヨハネスは全力で引いた。


呆れた眼差しを送るもカールトンは公園での男の一部始終を何度もヨハネスに尋ねては1人で拗ねている。


…まぢですか?兄上。


ここに来て又、ヨハネスはキャサリンの底知れぬ力を感じキャサリンの影響力に脱帽するのであった。


…能面集団崩壊かよ。






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