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隣町の恋人たち♡
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エリーヌとキャサリンが町娘に扮するとカールトンは
『キャシー♡…私も同行したいな…』
呟くカールトンに呆れた様にヨハネスが口を開いた。
『こんな時に兄上は何を考えているのですか?私はエリーヌを見守らなければならないのに、大きなお荷物を背負わされ辟易としてるんですが?』
『代わろうか?』
『結構です。今の兄上にエリーヌを見守る事なんて出来ないよ。義姉上とデートで終わりそうだからね?』
『大丈夫だよ。キャシーも付いてるからね?』
『だからこそだよ。』
…。
町娘に扮した2人と変装を施したヨハネスは馬車に乗り込むと
『ったく何なのこの馬車は。椅子にクッション入ってるのか?』
固い椅子を確かめるヨハネスにエリーヌは
『王宮の馬車と比べてはなりませんわ!』
『この板の上に座るのかしら?』
もっと酷いキャサリンに
『少しですから我慢なさって下さいね。』
エリーヌはまるで子ども2人の面倒をみるかのようにお世話をしながら馬車は王宮の裏口から出発していった。どちらが見守る側でどちらが見守られる側なのか?見送るカールトンは苦笑いであった。
市場の裏に着くとエリーヌはヨハネスに一つ頷くとと足早に市場へ向かった。
『さあ、我々も』
キャサリンはヨハネス腕に手を回すと
『何?』
キャサリンに湿った視線を送ると
『だって今日のコンセプトは隣町から来た恋人達ですのよ?』
『コンセプトって…それなら隣町からきた兄弟でも良くない?』
すっと離れるヨハネスをガッチリ捕まえると
『本当わかってないわ。私達の顔を見て下さい。とても同じ血が通ってるようには見えないわ。私はヨハネスとは異なり可愛い系ではありませんからね?まぁ、キレイ系?』
…。そもそも同じ血なんて通ってないからな?
キャサリンは強引にヨハネスの腕を引き市場へ向かったのである。
『アラン!あそこに参りましょう!』
ヨハネスは辺りを見渡すとキョロキョロし
『アラン?』
キャサリンは笑顔を消して舌打ちをしながらヨハネスに耳打ちする。
…今、舌打ちしたよね?義姉上。
『もぉ、鈍いわね。ここで本名名乗る訳にはいかないでしょう?』
…ならば先に言えよ。
『で?何でアランなのですか?』
キャサリンはパッと笑顔を咲かせると
『今連載中の小説の主人公の想い人なの。それでね、』
…
『もう結構。では私はアランです。行きますよ。』
キャサリンの話の腰を折ると店を見て回った。
『アラン!次はここね。』
2人は看板娘の店に入ると
『まぁ、アラン。新鮮なお野菜が沢山並んでおりますわ!』
『いいね、とてもフレッシュだね。』
2人の会話にエリーヌは目をパチクリとさせながらも仕事を熟している。隣のおばあさんが2人に
『もぎたてだよ!食べてごらん』
2人にリンゴを手渡すと仲良く固まる。
…えっと?食べるとは?
これまた仲良く2人の視線が絡まる。
『そこの2人!美味しいわよ♪』
エリーヌはリンゴを一気にかぶりつくと2人にウインクしてみせた。
目を見開き驚く2人は、手に持つリンゴをしばらく眺めると恐る恐るかぶりついた。
…リンゴはリンゴね。
2人は丁寧に頭を下げると店をを出た。2人はエリーヌの言いつけ通り近くの公園のベンチで待つことにすると
『町娘も大変だわ。』
どっと疲れた2人はしばらく放心していた。
『キャシー♡…私も同行したいな…』
呟くカールトンに呆れた様にヨハネスが口を開いた。
『こんな時に兄上は何を考えているのですか?私はエリーヌを見守らなければならないのに、大きなお荷物を背負わされ辟易としてるんですが?』
『代わろうか?』
『結構です。今の兄上にエリーヌを見守る事なんて出来ないよ。義姉上とデートで終わりそうだからね?』
『大丈夫だよ。キャシーも付いてるからね?』
『だからこそだよ。』
…。
町娘に扮した2人と変装を施したヨハネスは馬車に乗り込むと
『ったく何なのこの馬車は。椅子にクッション入ってるのか?』
固い椅子を確かめるヨハネスにエリーヌは
『王宮の馬車と比べてはなりませんわ!』
『この板の上に座るのかしら?』
もっと酷いキャサリンに
『少しですから我慢なさって下さいね。』
エリーヌはまるで子ども2人の面倒をみるかのようにお世話をしながら馬車は王宮の裏口から出発していった。どちらが見守る側でどちらが見守られる側なのか?見送るカールトンは苦笑いであった。
市場の裏に着くとエリーヌはヨハネスに一つ頷くとと足早に市場へ向かった。
『さあ、我々も』
キャサリンはヨハネス腕に手を回すと
『何?』
キャサリンに湿った視線を送ると
『だって今日のコンセプトは隣町から来た恋人達ですのよ?』
『コンセプトって…それなら隣町からきた兄弟でも良くない?』
すっと離れるヨハネスをガッチリ捕まえると
『本当わかってないわ。私達の顔を見て下さい。とても同じ血が通ってるようには見えないわ。私はヨハネスとは異なり可愛い系ではありませんからね?まぁ、キレイ系?』
…。そもそも同じ血なんて通ってないからな?
キャサリンは強引にヨハネスの腕を引き市場へ向かったのである。
『アラン!あそこに参りましょう!』
ヨハネスは辺りを見渡すとキョロキョロし
『アラン?』
キャサリンは笑顔を消して舌打ちをしながらヨハネスに耳打ちする。
…今、舌打ちしたよね?義姉上。
『もぉ、鈍いわね。ここで本名名乗る訳にはいかないでしょう?』
…ならば先に言えよ。
『で?何でアランなのですか?』
キャサリンはパッと笑顔を咲かせると
『今連載中の小説の主人公の想い人なの。それでね、』
…
『もう結構。では私はアランです。行きますよ。』
キャサリンの話の腰を折ると店を見て回った。
『アラン!次はここね。』
2人は看板娘の店に入ると
『まぁ、アラン。新鮮なお野菜が沢山並んでおりますわ!』
『いいね、とてもフレッシュだね。』
2人の会話にエリーヌは目をパチクリとさせながらも仕事を熟している。隣のおばあさんが2人に
『もぎたてだよ!食べてごらん』
2人にリンゴを手渡すと仲良く固まる。
…えっと?食べるとは?
これまた仲良く2人の視線が絡まる。
『そこの2人!美味しいわよ♪』
エリーヌはリンゴを一気にかぶりつくと2人にウインクしてみせた。
目を見開き驚く2人は、手に持つリンゴをしばらく眺めると恐る恐るかぶりついた。
…リンゴはリンゴね。
2人は丁寧に頭を下げると店をを出た。2人はエリーヌの言いつけ通り近くの公園のベンチで待つことにすると
『町娘も大変だわ。』
どっと疲れた2人はしばらく放心していた。
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