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エリーヌ輝く

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エリーヌの言葉にキャサリンは前のめりになりエリーヌに尊敬の眼差しを向ける。


『それでそれで?』


『スラムの…』


『スラム!』

声を挙げるキャサリンにエリーヌは慌てて


『違います、違います!』

慌てて両手を振ると


『このくだり、先日もありましたよ…義姉上、少しは学習してください…』


ヨハネスはキャサリンを睨みつけるとエリーヌを促した。


『スラムの子どもたちを支援してくださるおじいさんがいるのですが、その方は恐らく他国の貴族を隠居された方かと思われます。』


胸を張るエリーヌにヨハネスは

『思われますって確かではないんだね?』

『いえ、確信してますわ。こうみえても私はムヌク王国の公爵令嬢ですよ?立ち居振る舞い、言動を聞けばそのくらいわかりますもの。ただ我が国では思い当たる方がいらっしゃいませんでしたので。』


『でもその者をここに呼ぶ訳にはいかぬな。』

カールトンの言葉に

『私が話を付けますわ!』


エリーヌが目を輝かすとすかさずヨハネスが

『待て、どうやって。』


ヨハネスの怪訝そうな表情にもろともせず

『お店のお客さんなのです!』


…。


『まぁ、看板娘の?』


『はい!』


キャサリンとエリーヌはノリノリになってきている。


『駄目だ。』


ヨハネスの言葉にエリーヌは


『でしたら他に何かございますか?』



…。


『それしか無いわ。心配なら無用。私が付き合いますわ!』

ドンと胸を張るキャサリンにカールトンは


『待って、キャシー。君は駄目だ。』

『そうです。キャサリン様は王太子妃ですのよ?ご自覚をお持ち下さい。』

諭すエリーヌに

『あのね、君だって王子妃だからね?』


『まぁ、弟想いのお兄様が身分を盾になさるのね?』


キャサリンの嫌みを今度はヨハネスがスルーする。


『いや、そうではなくてキャシーが看板娘になれば性に有って戻って来ない気がするんだ。麻薬などと同じで癖になりそうだからね。』


『殿下!私を何だと思ってるの?』

『無くはないね。』

ボソッと呟くヨハネスは頭を抱えて

『エリーヌ、今回だけだよ。それから私も近くで見守る事にするからね?』


『では私も!』


『何でだよ…』

またも頭を抱えるヨハネスに


『ヨハネス様は世間知らずだわ。前回市場に行った時も1人悪目立ちしてましたわ。そんな王子様が1人立っていたら子どもにだってバレますわよ?』


『…。王子様って王子だからね?逆にすぐに馴染む義姉上を疑うよ。』


キャサリンの勢いに負け2人も同行することで本日の緊急会議はお開きとなったのである。

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