66 / 94
どうする?
しおりを挟む
『そうか、エリーヌが。そこまで考えていたとはね。』
カールトンは執務室のソファでキャサリンの話しを聞きながら深妙な面持ちでお茶を飲んでいた。
『で?どうなさるおつもり?全てはヨハネス様の思い1つですのよ?』
キャサリンがヨハネスを睨む。
『契約結婚とはいえ結婚だからね予定通り妃に迎えるよ?』
『それは分かってますわ!その後はでしょう?問題は‥』
‥いつからこんな口煩くなったんだよ。義姉上は。
『さぁ、どうでしょう?まあ、私にとってはエリーヌには脳内お花畑でいてほしかったけどね?』
ヨハネスはエリーヌの存在だけが欲しかっただけである。素のエリーヌではヨハネスの良心が揺れる。
‥参ったな。
『ところで今夜の披露パーティーには公爵も来るのよね?』
キャサリンの言葉にヨハネスは眉間にシワを寄せ
『そりゃあ来るだろうよ。』
『では、私が1度お灸を据えるか‥』
カールトンはニヤリと笑みを浮かべる。
『宜しくお願いしますよ。公爵は元来王太子の兄上だけしか見えていない故。』
『任せておけ。キャシー拉致の黒幕だからな。』
カールトンと言葉にキャサリンは固まる。
‥?バレてるの?虚偽報告‥
キャサリンは恐る恐るカールトンを見上げると
カールトンは王子の笑みで頷いた。
‥怖いんだけど?
『そろそろ用意に行かなくてはなりませんので』
キャサリンは強張った笑顔を浮かべ逃げる様に執務室を後にした。
第2王子の婚約披露パーティー。第2王子とはいえ、継承権第2位のヨハネスの婚約には国内だけでなく他国からも続々とムヌク王国王宮に集まって来ていた。
『ヤバいわ。緊張してきた‥』
ガチガチになるキャサリン。
‥何であんたが緊張すんだよ?
ヨハネスは呆れたように、ため息を付きカールトンを見ると、キャサリンの肩を抱き頭を撫でている。
‥勘弁してくれよ。今夜はあんたたちのパーティーじゃないけどね?
ヨハネスは黙ってエリーヌを待っていると3人の待つ部屋へエリーヌがノックをし入ってきた。
‥。固まる3人
エリーヌは黄色いシフォンのドレスに身を包み、髪型をハーフアップにしている。
『黄色い妖精‥』
カールトンの言葉にヨハネスは
『嘘では無かったのか?』
3人は揃って目をパチクリさせている。
『黄色い妖精はお母様が私にくれた愛称ですわ。』
恥ずかしそうに話すエリーヌは妖精そのもの。
美しいや可愛いらしいと形容するよりも、幻想的なオーラを放ち妖精としか表現できない程である。
放心状態のヨハネスは会場に向うカールトンとキャサリンの声で我に返るとゆっくりエリーヌの元へ歩み寄ると
『エリーヌ、大切な母上からの愛称を嘘呼ばわりしすまなかった。』
頭を下げるヨハネスにエリーヌは
『あの時の私は脳内お花畑ですから、もう忘れてましたわ!』
柔らかく微笑むとヨハネスの腕に手を通し会場へ歩みを進めた。
‥。
ヨハネスは隣のエリーヌを見る事が出來なかった。
‥何なんだ?この動悸は。
カールトンは執務室のソファでキャサリンの話しを聞きながら深妙な面持ちでお茶を飲んでいた。
『で?どうなさるおつもり?全てはヨハネス様の思い1つですのよ?』
キャサリンがヨハネスを睨む。
『契約結婚とはいえ結婚だからね予定通り妃に迎えるよ?』
『それは分かってますわ!その後はでしょう?問題は‥』
‥いつからこんな口煩くなったんだよ。義姉上は。
『さぁ、どうでしょう?まあ、私にとってはエリーヌには脳内お花畑でいてほしかったけどね?』
ヨハネスはエリーヌの存在だけが欲しかっただけである。素のエリーヌではヨハネスの良心が揺れる。
‥参ったな。
『ところで今夜の披露パーティーには公爵も来るのよね?』
キャサリンの言葉にヨハネスは眉間にシワを寄せ
『そりゃあ来るだろうよ。』
『では、私が1度お灸を据えるか‥』
カールトンはニヤリと笑みを浮かべる。
『宜しくお願いしますよ。公爵は元来王太子の兄上だけしか見えていない故。』
『任せておけ。キャシー拉致の黒幕だからな。』
カールトンと言葉にキャサリンは固まる。
‥?バレてるの?虚偽報告‥
キャサリンは恐る恐るカールトンを見上げると
カールトンは王子の笑みで頷いた。
‥怖いんだけど?
『そろそろ用意に行かなくてはなりませんので』
キャサリンは強張った笑顔を浮かべ逃げる様に執務室を後にした。
第2王子の婚約披露パーティー。第2王子とはいえ、継承権第2位のヨハネスの婚約には国内だけでなく他国からも続々とムヌク王国王宮に集まって来ていた。
『ヤバいわ。緊張してきた‥』
ガチガチになるキャサリン。
‥何であんたが緊張すんだよ?
ヨハネスは呆れたように、ため息を付きカールトンを見ると、キャサリンの肩を抱き頭を撫でている。
‥勘弁してくれよ。今夜はあんたたちのパーティーじゃないけどね?
ヨハネスは黙ってエリーヌを待っていると3人の待つ部屋へエリーヌがノックをし入ってきた。
‥。固まる3人
エリーヌは黄色いシフォンのドレスに身を包み、髪型をハーフアップにしている。
『黄色い妖精‥』
カールトンの言葉にヨハネスは
『嘘では無かったのか?』
3人は揃って目をパチクリさせている。
『黄色い妖精はお母様が私にくれた愛称ですわ。』
恥ずかしそうに話すエリーヌは妖精そのもの。
美しいや可愛いらしいと形容するよりも、幻想的なオーラを放ち妖精としか表現できない程である。
放心状態のヨハネスは会場に向うカールトンとキャサリンの声で我に返るとゆっくりエリーヌの元へ歩み寄ると
『エリーヌ、大切な母上からの愛称を嘘呼ばわりしすまなかった。』
頭を下げるヨハネスにエリーヌは
『あの時の私は脳内お花畑ですから、もう忘れてましたわ!』
柔らかく微笑むとヨハネスの腕に手を通し会場へ歩みを進めた。
‥。
ヨハネスは隣のエリーヌを見る事が出來なかった。
‥何なんだ?この動悸は。
0
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
【完結】優しくて大好きな夫が私に隠していたこと
暁
恋愛
陽も沈み始めた森の中。
獲物を追っていた寡黙な猟師ローランドは、奥地で偶然見つけた泉で“とんでもない者”と遭遇してしまう。
それは、裸で水浴びをする綺麗な女性だった。
何とかしてその女性を“お嫁さんにしたい”と思い立った彼は、ある行動に出るのだが――。
※
・当方気を付けておりますが、誤字脱字を発見されましたらご遠慮なくご指摘願います。
・★が付く話には性的表現がございます。ご了承下さい。
妻のち愛人。
ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。
「ねーねー、ロナぁー」
甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。
そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。
溺愛される妻が記憶喪失になるとこうなる
田尾風香
恋愛
***2022/6/21、書き換えました。
お茶会で紅茶を飲んだ途端に頭に痛みを感じて倒れて、次に目を覚ましたら、目の前にイケメンがいました。
「あの、どちら様でしょうか?」
「俺と君は小さい頃からずっと一緒で、幼い頃からの婚約者で、例え死んでも一緒にいようと誓い合って……!」
「旦那様、奥様に記憶がないのをいいことに、嘘を教えませんように」
溺愛される妻は、果たして記憶を取り戻すことができるのか。
ギャグを書いたことはありませんが、ギャグっぽいお話しです。会話が多め。R18ではありませんが、行為後の話がありますので、ご注意下さい。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる