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流されるままに

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ジュリジアン公爵の元へは貴族らが日々訪れるようになっていた。カールトンがエリーヌ・ジュリジアンの元へ連日の様に通うようになり3か月。この状態が何を示しているのか、貴族ならば誰もが考える事はである。

そんな中、エリーヌ嬢を側妃にという声が大きくなりジュリジアン公爵家では思惑通りに事が運んでいる事に日々活気に満ちていた。


『妃殿下‥』

キャサリンを案じるギャレットが執務を終え声を掛けた。


『どうしたの?』

いつも通り執務をこなすキャサリンに心を痛める側近は

『あまり無理をなさらず‥』

言葉が続かないギャレットに

『あら?心配してくれてるの?大丈夫よ。私は元よりお飾りの王太子妃。弁えてるわ。それより明日からのアリア大王国を迎える準備に抜かりはないかしら?』

ギャレットは小さく頷くと

『そんな湿気た顔しないの!いい男が台無しよ?ほら明日は忙しくなるから早く帰って休みなさい。』


ギャレットを帰すとキャサリンは1人執務室のソファに倒れ込み、カールトンとの短い幸せの時間を回想していた。


‥政略結婚だもの。あの時間が普通ではなかったのよ。


キャサリンはソファに横になると重い瞼を閉じた。



次にキャサリンが目を開ける事になったのはモニカの悲鳴と共にであった。


『キャー!妃殿下!』

モニカは私室以外ではキャサリンを妃殿下と呼ぶ。

キャサリンが飛び起きると

『妃殿下!戻られないと思って来てみればこのような所で!』

安定の侍女の対応にキャサリンは嬉しそうに謝罪をする。


『ごめんなさいね。すぐに戻るわ』

キャサリンの心内を誰よりも知るモニカは敢えていつも通りに振る舞っている事をキャサリンは知っている。


‥私は仲間がいるわ。大丈夫。



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