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夜会2

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キャサリンの元へあの王妃が懲りずにやって来た。

‥うわぁ来たよ、来ちゃったよ。

キャサリンは引き攣りながらもにっこりと微笑むと
そのボスは扇で口元を隠しながら


『あらキャサリン様、先程は失礼しましたわ。』


‥お?軟化したか?

『いえ、こちらこそ』

社交辞令で返すと

『こちらもお気遣いが足りず、キャサリン様はあんなど田舎からムヌク王国に嫁がれ日々ご苦労もお有りなのに配慮もできず。王女とはいえヘリンズ王国は村みたいな所とか?』


‥こいつ、ど田舎って言ったわ(笑)村ってどうよ?


『そうなのです、ヘリンズはとても静かで自然豊かな国ですので初めは戸惑いましたの。ご心配ありがとうございます。』


ボスは鼻で笑い

『別に心配などしておりませんわ』


‥そうかい(笑)

愛想笑いをするキャサリンに


『何でも暇過ぎてやることが無いとか?それ故王国には王子王女で8人もいらっしゃるのでしょう。それも皆、王妃がお産みになったとか?』


あざ笑うかのようなボスにキャサリンは切れた。

プチン!
この音はファビウスには聞こえたのか、咄嗟に前に出るも


『ファビウス下がりなさい』

キャサリンが真顔でファビウスを下げると満面の笑みでボスに口を開く。

『申し遅れました。私、キャサリン・ムヌクと申します。以後お見知り置きを。』

優雅なカーテシーまで披露した。
ボスに名を名乗れという事だ。

押し黙るボスに

『ダマリン王国の?』

先程醜態を晒した国王は知ってるがお前はどこから嫁いだ王妃なのだ?という思いを込めた。


ボスは真っ赤になりながら

『マリー・ダマリンと申しますわ。』

小さな声にキャサリンは満面の笑みで

『まあ、どちらから?』


‥。


真っ赤になり俯くマリーに向けて微笑みながら

『今後とも宜しくお願いしますね。』


キャサリンは再びカーテシーを披露しファビウスを連れてバルコニーへ出た。

自分の事は構わない。しかしヘリンズ王国への侮辱は黙っているわけにはいかない。

あのボスがどっか小さな島の王女であることは、ここに入る前に知ってはいた。しかしそんなものどうでも良い事なので敢えてお茶会の時も触れずにいたのだ。


キャサリンはバルコニーで夜風に当たり心を鎮めた。心は鎮まる所か激しく怒りを助長させる。キャサリンは声を押し殺し涙を流した。

しばらくすると隣り並ぶカールトンに気づくとキャサリンは背中を向けて涙を拭い笑みを作ってカールトンに

『やってしまいました。』


カールトンは微笑みながら

『ご苦労であった。』

キャサリンのぐちゃぐちゃに崩れた化粧が愛おしくカールトンは自分の胸に抱き寄せ夜空を眺めていた。







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