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意味の無いもの
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翌日、つかの間の予定の合間を縫って、ステファニーが大王国図書室で時間を潰すキャサリンの元へと訪れた。
『キャサリン様少しよろしいでしょうか?‥』
ルリネット妃の義姉のでもあるステファニーを邪険にも出来ずキャサリンは
『どうかなさいましたか?』
キャサリンはそう言うと読みかけの本を閉じステファニーを見上げた。
『昨日はありがとうございました。』
目の前の気品溢れるステファニーの謝意の意図する所が分からず
『なんでしたか?』
首を傾げるキャサリン。
『私の力不足でお耳汚しをいたしました。』
‥?
『私は自国ではともかく国際の場に於いては何の後ろ盾も無い王妃ですから。』
‥あぁ、この事か。
『昨日も申し上げましたが、それが何か問題でも?』
若干の驚きを見せるも平静を装うステファニー。
『大切なのは今ですわ。国際交流の場でその名を轟かせる事は必要な時もあります。ですが今回はそのような時ではありません。
例えその時であっても名を轟かせるのが後ろ盾だなんて、なんとも情けないとは思いませんか?だってそれしか無いって自ら公言している様なものでしょう?』
キャサリンはステファニーを真っすぐに見据えた。
『流石はヘリンズ王国の元王女。ラウラ様と良く似ていらっしゃるのですね』
優雅に微笑むステファニーに若干の嫌悪感を感じるキャサリン。
‥伝えたい事は単刀直入にお願いしたいわ
『ありがとうございます。私からも1つよろしいですか?
王妃の中には私のように他国の王族から嫁ぐ場合もございますが、貴族の中よりステファニー様の様に嫁がれる場合の方が圧倒的に多いですわ。
現に今回こちらに参加している方々を見てもそうですよね?では何故ステファニー様があのように言われるのか‥そこはどうお考えでしょうか?』
ステファニーは少しの沈黙の後
『ルリネット妃の義姉だからでしょうか?』
キャサリンは大きく頷く。
『そうでしょうね。彼女たちからすればステファニー様が妬ましいという事もあるでしょうね。逆に考えれば言葉は悪いですが王女であった彼女らが一国の公爵令嬢であったステファニー様を羨んでいるということ。ね?お分りでしょう?所詮そんな程度なもの。』
小さく微笑むステファニーにキャサリンは
『でもそれだけでは無いと思います。ステファニー様がご自分の肩書に引け目を感じているのが感じ取れます故、漬け込まれるのですよ。』
踏み込まれた発言にステファニーが固まるのがキャサリンにも分かった。
『ごめんなさいね。ここは非公式の場。わざわざお声掛け頂きましたのに、社交の場のように上辺だけの会話では意味ありませんもの。気分を害されましたら謝りますわ。』
『いえ、その通りですわ。私はキャサリン様の様に自分に自信が持てませんので‥』
‥えっと?私が自信?そんなもん無いけど。
目をパチクリさせるキャサリン。
『私には聖なる力も無ければ肩書も無い。他国の王女に嫌味を言われても返す言葉も見つからない。情けないですわ。』
悲しそうに話すステファニーに
『それですわ!ステファニー様は常にどなたかとご自分を対比させておられます。事情はどうあれ王妃になりたい令嬢は多い中選ばれた貴女はもっと自信を持っても良いのでは?
そもそも貴女の仕事は国を治める国王の補佐ですわ。国王が貴女を望まれたという事が全て。それは例え政略結婚でも然りですわ』
我ながら決まった!と思っているキャサリンにステファニーは
『政略結婚ではありません!私たちは真実の愛で結ばれております。』
‥えっと?散々泣き言言っててマウントかい?
『それはそれはごちそうさまです!』
キャサリンはズッコケそうになるも何とか堪えて微笑んだ。
‥こっちはお飾りながら楽しんどるがな!
『キャサリン様少しよろしいでしょうか?‥』
ルリネット妃の義姉のでもあるステファニーを邪険にも出来ずキャサリンは
『どうかなさいましたか?』
キャサリンはそう言うと読みかけの本を閉じステファニーを見上げた。
『昨日はありがとうございました。』
目の前の気品溢れるステファニーの謝意の意図する所が分からず
『なんでしたか?』
首を傾げるキャサリン。
『私の力不足でお耳汚しをいたしました。』
‥?
『私は自国ではともかく国際の場に於いては何の後ろ盾も無い王妃ですから。』
‥あぁ、この事か。
『昨日も申し上げましたが、それが何か問題でも?』
若干の驚きを見せるも平静を装うステファニー。
『大切なのは今ですわ。国際交流の場でその名を轟かせる事は必要な時もあります。ですが今回はそのような時ではありません。
例えその時であっても名を轟かせるのが後ろ盾だなんて、なんとも情けないとは思いませんか?だってそれしか無いって自ら公言している様なものでしょう?』
キャサリンはステファニーを真っすぐに見据えた。
『流石はヘリンズ王国の元王女。ラウラ様と良く似ていらっしゃるのですね』
優雅に微笑むステファニーに若干の嫌悪感を感じるキャサリン。
‥伝えたい事は単刀直入にお願いしたいわ
『ありがとうございます。私からも1つよろしいですか?
王妃の中には私のように他国の王族から嫁ぐ場合もございますが、貴族の中よりステファニー様の様に嫁がれる場合の方が圧倒的に多いですわ。
現に今回こちらに参加している方々を見てもそうですよね?では何故ステファニー様があのように言われるのか‥そこはどうお考えでしょうか?』
ステファニーは少しの沈黙の後
『ルリネット妃の義姉だからでしょうか?』
キャサリンは大きく頷く。
『そうでしょうね。彼女たちからすればステファニー様が妬ましいという事もあるでしょうね。逆に考えれば言葉は悪いですが王女であった彼女らが一国の公爵令嬢であったステファニー様を羨んでいるということ。ね?お分りでしょう?所詮そんな程度なもの。』
小さく微笑むステファニーにキャサリンは
『でもそれだけでは無いと思います。ステファニー様がご自分の肩書に引け目を感じているのが感じ取れます故、漬け込まれるのですよ。』
踏み込まれた発言にステファニーが固まるのがキャサリンにも分かった。
『ごめんなさいね。ここは非公式の場。わざわざお声掛け頂きましたのに、社交の場のように上辺だけの会話では意味ありませんもの。気分を害されましたら謝りますわ。』
『いえ、その通りですわ。私はキャサリン様の様に自分に自信が持てませんので‥』
‥えっと?私が自信?そんなもん無いけど。
目をパチクリさせるキャサリン。
『私には聖なる力も無ければ肩書も無い。他国の王女に嫌味を言われても返す言葉も見つからない。情けないですわ。』
悲しそうに話すステファニーに
『それですわ!ステファニー様は常にどなたかとご自分を対比させておられます。事情はどうあれ王妃になりたい令嬢は多い中選ばれた貴女はもっと自信を持っても良いのでは?
そもそも貴女の仕事は国を治める国王の補佐ですわ。国王が貴女を望まれたという事が全て。それは例え政略結婚でも然りですわ』
我ながら決まった!と思っているキャサリンにステファニーは
『政略結婚ではありません!私たちは真実の愛で結ばれております。』
‥えっと?散々泣き言言っててマウントかい?
『それはそれはごちそうさまです!』
キャサリンはズッコケそうになるも何とか堪えて微笑んだ。
‥こっちはお飾りながら楽しんどるがな!
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