上 下
23 / 94

ダリス大王国

しおりを挟む
翌日からはキャサリンにベッドを譲り、カールトンは無事睡眠を確保することが出来、万全の体調で大王国入りをした。


この国は各国からの王女を迎え王太子妃を選抜したという。ムヌク王国には王女が居ないが、キャサリンの祖国ヘリンズ王国からも王女が参加していたらしい。

王宮に入ると流石としか言い様の無い管理された庭、そびえ立つ王宮、豪華絢爛というよりは、歴史を感じる重厚感がそこにはあった。


既に王宮入りしている馬車がずらりと並びその横に静かに止まる馬車を待ちゆっくりと扉が開く。


『遠度遥々お疲れ様でございました。』


2人は軽く微笑み案内を待つ。


奥ではガーデンパーティーが開かれていた。
その横を通り2人は王宮へと導かれた。



『ようこそいらっしゃいました。私が今回ムヌク王国王太子夫妻のお世話をさせて頂きます、ラインハルト・フェルヴァーと申します。』

ラインハルトは王子スマイルで挨拶をすると

『本来、国王並びに王太子がご挨拶申し上げるべき所、かなりの国にお集まり頂きますので今回は勝手ながら割愛させて頂きます。

明日からは交流会が行われ、最終日には夜会が開かれますので宜しくお願いいたします』

カールトンは余所行きの笑顔で


『あぁ、ありがとう。宜しく頼む。』


キャサリンは間近で初めて見る夫の笑顔に不覚にもノックアウトされてしまった‥。


部屋に入ると大きな部屋にベッドが2つ。珍しく2人の息がピッタリと合う。

『『2つある!』』


結婚して、いや出会って初めて笑い合う2人であった。


キャサリンは

『今日は自由時間ですよね?』

そう言うと左側のベッドを陣取り身を投げ出した。

『流石、大王国のベッド♡寝心地が違うわ!』


‥嘘だろ?んな訳ない。


『ほら?殿下も!』


キャサリンに促され仕方なくカールトンも身を投げ出した。


‥?ベッドはベッドだが?っていうか、キャサリンが喧嘩腰ではない?


『あ!そうだわ。先程ガーデンパーティーが開かれてたわ!お姉様たちも居るはずだから、ちょっと行ってみますわ!殿下はどうされますか?』


キャサリンは侍女を呼び着替えを用意させている。


『いや、‥』


『そうですか!では行って参りますわね』

カールトンが答える前に言葉を被せ、侍女と奥の部屋へ着替えに行ってしまった。


‥いや、どうしようかと言うつもりが‥置いてきぼり。


カールトンは珍しく心をに隙間風が吹いた気がしたがソファに掛け、窓から聞こえてくる賑やかなパーティーを耳で聞いていた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

【完結】優しくて大好きな夫が私に隠していたこと

恋愛
陽も沈み始めた森の中。 獲物を追っていた寡黙な猟師ローランドは、奥地で偶然見つけた泉で“とんでもない者”と遭遇してしまう。 それは、裸で水浴びをする綺麗な女性だった。 何とかしてその女性を“お嫁さんにしたい”と思い立った彼は、ある行動に出るのだが――。 ※ ・当方気を付けておりますが、誤字脱字を発見されましたらご遠慮なくご指摘願います。 ・★が付く話には性的表現がございます。ご了承下さい。

妻のち愛人。

ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。 「ねーねー、ロナぁー」 甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。 そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。

溺愛される妻が記憶喪失になるとこうなる

田尾風香
恋愛
***2022/6/21、書き換えました。 お茶会で紅茶を飲んだ途端に頭に痛みを感じて倒れて、次に目を覚ましたら、目の前にイケメンがいました。 「あの、どちら様でしょうか?」 「俺と君は小さい頃からずっと一緒で、幼い頃からの婚約者で、例え死んでも一緒にいようと誓い合って……!」 「旦那様、奥様に記憶がないのをいいことに、嘘を教えませんように」 溺愛される妻は、果たして記憶を取り戻すことができるのか。 ギャグを書いたことはありませんが、ギャグっぽいお話しです。会話が多め。R18ではありませんが、行為後の話がありますので、ご注意下さい。

公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-

猫まんじゅう
恋愛
 そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。  無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。  筈だったのです······が? ◆◇◆  「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」  拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?  「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」  溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない? ◆◇◆ 安心保障のR15設定。 描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。 ゆるゆる設定のコメディ要素あり。 つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。 ※妊娠に関する内容を含みます。 【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】 こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました

結城芙由奈 
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】 私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。 2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます *「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています ※2023年8月 書籍化

女官になるはずだった妃

夜空 筒
恋愛
女官になる。 そう聞いていたはずなのに。 あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。 しかし、皇帝のお迎えもなく 「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」 そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。 秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。 朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。 そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。 皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。 縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。 誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。 更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。 多分…

処理中です...