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有り難い事

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カールトンは日に日に追われる執務に充実感を覚えるタイプである。

しかしこのところ、夕方には執務が終える。

『ファビウス、残っている案件も全て持って来い。』


ファビウスに急かすとファビウスは小さく笑い

『これで全てでございます。』


『そんなはず無かろう?』
カールトンが驚き問う。


『殿下は今まで働き過ぎでごさいましたから。王太子妃の執務も王妃の執務も担っておいででしたが今はキャサリン様がおられます故少しゆっくりして下さい。』


『母上の執務も王太子妃か行っているのか?』


『はい、いずれはご自分の執務になりますからとの事でした。』


‥。


『後で取り返しのつかないような事になるまいな?』


日々溜めずにこなすカールトンだが、後になって溜め込み過ぎた案件が降ってくる事を懸念した。

『王太子妃は日々こなされております。その日の分はその日のうちに♫と歌っていらっしゃるとか。』


『王太子妃は寝られているのか?』


ファビウスはにっこり笑い


『夕方にはお部屋に戻られます!』


‥。ウソだろう?


『私たちに取りましては大変有り難い事でございます。』


早く終われば側近らも早く上がれる。
‥。


『そうか、それは良かった‥』

カールトンは半信半疑のまま執務室を後にした。






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