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反撃

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翌日、キャサリンの私室では侍女たちを座らせキャサリンがカールトンの悪口を延々と聞かせていた。


キャサリンは食堂のメイドたちにお茶会並のお茶とお菓子を用意させ部屋に並べた。


『さあ、貴女たちはここで今日はお茶会なの。』


『は?』

驚きをそのまま口にするザラ。

『貴女たちもいつかはお茶会を経験することがあるかもしれないわ!王太子妃付きの侍女がマナーが成ってないなんて私が笑われるのよ?ね?さあ、食べて飲んで!聞いて!』


そう言うと、昨晩の寒さと闘う王太子妃という題目で延々と語り続けた。その後


『で!今晩よ。ヤツも子づくりは必須項目なはず。だから今夜はノコノコとやってくる。好きなときに来て事を成そうだなんて私を舐めてるわよね?私はこれでも他国の王女よ?舐めてもらっちゃ困るわ!』

息巻くキャサリンにザラは

『どうされるのですか?』


前のめりになる。


『流石ザラね。貴女のそうゆう所が好きなの。いい?みんなよく聞いて!』


5人の耳がキャサリンに向く。


『今夜は防寒具か?ってくらい着込むわ。この国にはモコモコある?ほら。白いモコモコした生地のワンピースとウサ耳のパーカーね。そしてモコモコのソックスにウサギのスリッパを用意して!』


『妃殿下はウサギがお好きなのですか?』

首を傾げる侍女たちにキャサリンは


『いいえ、全く。』


‥。


『とにかく!この格好こそが今夜の戦闘服なの。抜かりなく頼むわよ?』


キャサリンのわかりにくい説明にも関わらず、優秀な侍女たちはキャサリンのイメージ通りに仕上げてくれた。


『貴女たち、最高よ。これよこれ。さあ、いつでも来いっての!』






仁王立ちするキャサリンのもとへカールトンは何も知らずに訪れた。

濡れた髪が乾ききらぬままガウンを羽織り優雅に現れたカールトンであったが部屋に入りキャサリンを見たカールトンは目を見開く。

それはそうだろう。初夜のやり直しで訪れてみたら、妃がこれからお外で散歩でもする様な格好で待っていたのだ。


『何か?』

平然と言うキャサリンに

『今から何をするのか分かっているのかな?』

めんどくさそうに語るカールトン。
待ってましたの如くのキャサリン。

『失礼しました。昨夜は初夜との事で侍女の用意した夜着でお待ちしておりましたら、それはそれはスケスケで、生地の節約かしら?と思う程の格好でこちらでお待ちしておりましたので風邪をひいてしまい、今夜は暖かくしておりましたの。

まさかいらっしゃるとは思っておりませんでしたから。だって初夜をすっぽかす男ですのよ?誤解無きよう申し添えますと、別に期待をしていた訳ではありませんよ?致し方ない事だと割り切ってますもの。しかし連絡もなしに放ったらかしなんて信じられます?』


心の中を全て吐き出しスッキリしたキャサリンはカールトンに向かって満面の笑みで微笑んだ。


カールトンは何も言わず踵を返し部屋を出て行った。

その背中を見送りキャサリンは徐ろにガッツポーズを天高く突き上げた。




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