10 / 94
反撃
しおりを挟む
翌日、キャサリンの私室では侍女たちを座らせキャサリンがカールトンの悪口を延々と聞かせていた。
キャサリンは食堂のメイドたちにお茶会並のお茶とお菓子を用意させ部屋に並べた。
『さあ、貴女たちはここで今日はお茶会なの。』
『は?』
驚きをそのまま口にするザラ。
『貴女たちもいつかはお茶会を経験することがあるかもしれないわ!王太子妃付きの侍女がマナーが成ってないなんて私が笑われるのよ?ね?さあ、食べて飲んで!聞いて!』
そう言うと、昨晩の寒さと闘う王太子妃という題目で延々と語り続けた。その後
『で!今晩よ。ヤツも子づくりは必須項目なはず。だから今夜はノコノコとやってくる。好きなときに来て事を成そうだなんて私を舐めてるわよね?私はこれでも他国の王女よ?舐めてもらっちゃ困るわ!』
息巻くキャサリンにザラは
『どうされるのですか?』
前のめりになる。
『流石ザラね。貴女のそうゆう所が好きなの。いい?みんなよく聞いて!』
5人の耳がキャサリンに向く。
『今夜は防寒具か?ってくらい着込むわ。この国にはモコモコある?ほら。白いモコモコした生地のワンピースとウサ耳のパーカーね。そしてモコモコのソックスにウサギのスリッパを用意して!』
『妃殿下はウサギがお好きなのですか?』
首を傾げる侍女たちにキャサリンは
『いいえ、全く。』
‥。
『とにかく!この格好こそが今夜の戦闘服なの。抜かりなく頼むわよ?』
キャサリンのわかりにくい説明にも関わらず、優秀な侍女たちはキャサリンのイメージ通りに仕上げてくれた。
『貴女たち、最高よ。これよこれ。さあ、いつでも来いっての!』
仁王立ちするキャサリンのもとへカールトンは何も知らずに訪れた。
濡れた髪が乾ききらぬままガウンを羽織り優雅に現れたカールトンであったが部屋に入りキャサリンを見たカールトンは目を見開く。
それはそうだろう。初夜のやり直しで訪れてみたら、妃がこれからお外で散歩でもする様な格好で待っていたのだ。
『何か?』
平然と言うキャサリンに
『今から何をするのか分かっているのかな?』
めんどくさそうに語るカールトン。
待ってましたの如くのキャサリン。
『失礼しました。昨夜は初夜との事で侍女の用意した夜着でお待ちしておりましたら、それはそれはスケスケで、生地の節約かしら?と思う程の格好でこちらでお待ちしておりましたので風邪をひいてしまい、今夜は暖かくしておりましたの。
まさかいらっしゃるとは思っておりませんでしたから。だって初夜をすっぽかす男ですのよ?誤解無きよう申し添えますと、別に期待をしていた訳ではありませんよ?致し方ない事だと割り切ってますもの。しかし連絡もなしに放ったらかしなんて信じられます?』
心の中を全て吐き出しスッキリしたキャサリンはカールトンに向かって満面の笑みで微笑んだ。
カールトンは何も言わず踵を返し部屋を出て行った。
その背中を見送りキャサリンは徐ろにガッツポーズを天高く突き上げた。
キャサリンは食堂のメイドたちにお茶会並のお茶とお菓子を用意させ部屋に並べた。
『さあ、貴女たちはここで今日はお茶会なの。』
『は?』
驚きをそのまま口にするザラ。
『貴女たちもいつかはお茶会を経験することがあるかもしれないわ!王太子妃付きの侍女がマナーが成ってないなんて私が笑われるのよ?ね?さあ、食べて飲んで!聞いて!』
そう言うと、昨晩の寒さと闘う王太子妃という題目で延々と語り続けた。その後
『で!今晩よ。ヤツも子づくりは必須項目なはず。だから今夜はノコノコとやってくる。好きなときに来て事を成そうだなんて私を舐めてるわよね?私はこれでも他国の王女よ?舐めてもらっちゃ困るわ!』
息巻くキャサリンにザラは
『どうされるのですか?』
前のめりになる。
『流石ザラね。貴女のそうゆう所が好きなの。いい?みんなよく聞いて!』
5人の耳がキャサリンに向く。
『今夜は防寒具か?ってくらい着込むわ。この国にはモコモコある?ほら。白いモコモコした生地のワンピースとウサ耳のパーカーね。そしてモコモコのソックスにウサギのスリッパを用意して!』
『妃殿下はウサギがお好きなのですか?』
首を傾げる侍女たちにキャサリンは
『いいえ、全く。』
‥。
『とにかく!この格好こそが今夜の戦闘服なの。抜かりなく頼むわよ?』
キャサリンのわかりにくい説明にも関わらず、優秀な侍女たちはキャサリンのイメージ通りに仕上げてくれた。
『貴女たち、最高よ。これよこれ。さあ、いつでも来いっての!』
仁王立ちするキャサリンのもとへカールトンは何も知らずに訪れた。
濡れた髪が乾ききらぬままガウンを羽織り優雅に現れたカールトンであったが部屋に入りキャサリンを見たカールトンは目を見開く。
それはそうだろう。初夜のやり直しで訪れてみたら、妃がこれからお外で散歩でもする様な格好で待っていたのだ。
『何か?』
平然と言うキャサリンに
『今から何をするのか分かっているのかな?』
めんどくさそうに語るカールトン。
待ってましたの如くのキャサリン。
『失礼しました。昨夜は初夜との事で侍女の用意した夜着でお待ちしておりましたら、それはそれはスケスケで、生地の節約かしら?と思う程の格好でこちらでお待ちしておりましたので風邪をひいてしまい、今夜は暖かくしておりましたの。
まさかいらっしゃるとは思っておりませんでしたから。だって初夜をすっぽかす男ですのよ?誤解無きよう申し添えますと、別に期待をしていた訳ではありませんよ?致し方ない事だと割り切ってますもの。しかし連絡もなしに放ったらかしなんて信じられます?』
心の中を全て吐き出しスッキリしたキャサリンはカールトンに向かって満面の笑みで微笑んだ。
カールトンは何も言わず踵を返し部屋を出て行った。
その背中を見送りキャサリンは徐ろにガッツポーズを天高く突き上げた。
10
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
【完結】優しくて大好きな夫が私に隠していたこと
暁
恋愛
陽も沈み始めた森の中。
獲物を追っていた寡黙な猟師ローランドは、奥地で偶然見つけた泉で“とんでもない者”と遭遇してしまう。
それは、裸で水浴びをする綺麗な女性だった。
何とかしてその女性を“お嫁さんにしたい”と思い立った彼は、ある行動に出るのだが――。
※
・当方気を付けておりますが、誤字脱字を発見されましたらご遠慮なくご指摘願います。
・★が付く話には性的表現がございます。ご了承下さい。
妻のち愛人。
ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。
「ねーねー、ロナぁー」
甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。
そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。
溺愛される妻が記憶喪失になるとこうなる
田尾風香
恋愛
***2022/6/21、書き換えました。
お茶会で紅茶を飲んだ途端に頭に痛みを感じて倒れて、次に目を覚ましたら、目の前にイケメンがいました。
「あの、どちら様でしょうか?」
「俺と君は小さい頃からずっと一緒で、幼い頃からの婚約者で、例え死んでも一緒にいようと誓い合って……!」
「旦那様、奥様に記憶がないのをいいことに、嘘を教えませんように」
溺愛される妻は、果たして記憶を取り戻すことができるのか。
ギャグを書いたことはありませんが、ギャグっぽいお話しです。会話が多め。R18ではありませんが、行為後の話がありますので、ご注意下さい。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる