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再び招かねざる客
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公爵家が1つになり、太陽の様なアルベルタは引きこもりを続けていたが使用人は相変わらず声を掛ける。
『奥様、奥様の作られたアーチが見頃となりました!』
使用人たちは返って来ぬと分かっていても声を掛けずに居られなかった。
レオンハルトが私室のソファに横になっているとセバスチャンが息を切らせて駆け込んできた。
『どうした?』
セバスチャンは両膝に手を置き肩を揺らして息を整える。
『いらっしゃいました!アーノルド様です。』
‥また来るであろうとは思っていたが、ついに来たか。
レオンハルトは静かに頷くと応接間へ歩みを進めた。
扉を開けるとソファに足を組み微笑むアーノルド。
‥見目麗しき侯爵であるが‥
『待たせた』
レオンハルトは短く言うとアーノルドは
『ご無沙汰しております。アルベルタはどうしましたか?』
ニヤリと笑う表情から、現状を把握しているのだろう。
『体調を崩しておる。』
『それはいけません。アルベルタは昔から環境が変わると身体が馴染めない所がございました。すぐに我が家に帰って静養させますので』
立ち上げるアーノルドにレオンハルトは
『心配は無用だ。』
アーノルドは軽く睨み付け
『何が無用なものか!貴方は平気でも私にとってはたった一人の妹だ。心配するに決まっています!』
睨み合う2人。レオンハルトは冷めた紅茶に手を伸ばし喉をうるおす。
『おもちゃが無いと夜も眠れんのか?』
レオンハルトがアーノルドに浴びせた。
アーノルドは目を見開くも、しばらくの沈黙の後開き直った様に口を開いた。そしてニヤリと笑う。
『公爵はまだ知らぬでしょうがアルベルタの陶器の様な身体は隅から隅まで舐め尽くしても足りない程です。華奢な身体は庇護欲を唆るのです。
公爵にはわからないでしょう?貴方が連れている豊満な身体の女とは異なりますからね。』
目を細めるレオンハルト。
『何を言ってる?お前の性癖など興味もない』
『それは失礼。ですからアルベルタを返して頂く。』
『断ると言ったら?』
アーノルドは眉間にシワを寄せる。
『何故だ?貴方はアルベルタには興味を示さず、白い結婚のまま離婚するのであろう?であれば問題ないはずだ!』
『問題大有りだが?彼女は今や公爵夫人としての仕事を担っている。』
アーノルドはお茶を手にする。
『そんな事でしたか。それならば代わりなどいくらでもいる。』
『いや、屋敷の使用人らの信頼までも彼女は持ち得ている。』
『これは驚いた。えらく使用人思いの主な事だ。しかし私のおもちゃとなっていた夫人では外分も悪いのでは?』
『何の事だ?』
恍けるレオンハルトにアーノルドは苛立ちを隠せない。
『アルベルタは毎晩私に可愛がられていたのですよ?隅から隅まで私に舐め尽くされ、私の指先によって快楽に落ち、身を焦がす様に熱くするのだ。するとね彼女の泉から溢れんばかり溢れてきてそれを私が丁寧に舐めあげる‥』
『黙れ!』
ソファから立ち上がるレオンハルトにアーノルドはニヤリと笑い続ける。
『アルベルタにとっても、私が居ないと駄目なのだ。分かるでしょう?今のアルベルタを見れば。そう、私達はお互い求めあっているのだよ?公爵もそこまで野暮な男ではないはずだ。』
我が思いにひたるように話すアーノルドにレオンハルトは怒りを向ける。
『お前、誰に向かって話をしているのだ?アルベルタは公爵夫人。お前が淫らな想像をするのも憚られる相手だとは思わぬか?』
アーノルドは表情を無くし
『返せ、返してくれ』
『今ならまだ、許せる範囲内だ。お前も立場があるだろう?分かれ。』
アーノルドは静かに部屋を出た。
『奥様、奥様の作られたアーチが見頃となりました!』
使用人たちは返って来ぬと分かっていても声を掛けずに居られなかった。
レオンハルトが私室のソファに横になっているとセバスチャンが息を切らせて駆け込んできた。
『どうした?』
セバスチャンは両膝に手を置き肩を揺らして息を整える。
『いらっしゃいました!アーノルド様です。』
‥また来るであろうとは思っていたが、ついに来たか。
レオンハルトは静かに頷くと応接間へ歩みを進めた。
扉を開けるとソファに足を組み微笑むアーノルド。
‥見目麗しき侯爵であるが‥
『待たせた』
レオンハルトは短く言うとアーノルドは
『ご無沙汰しております。アルベルタはどうしましたか?』
ニヤリと笑う表情から、現状を把握しているのだろう。
『体調を崩しておる。』
『それはいけません。アルベルタは昔から環境が変わると身体が馴染めない所がございました。すぐに我が家に帰って静養させますので』
立ち上げるアーノルドにレオンハルトは
『心配は無用だ。』
アーノルドは軽く睨み付け
『何が無用なものか!貴方は平気でも私にとってはたった一人の妹だ。心配するに決まっています!』
睨み合う2人。レオンハルトは冷めた紅茶に手を伸ばし喉をうるおす。
『おもちゃが無いと夜も眠れんのか?』
レオンハルトがアーノルドに浴びせた。
アーノルドは目を見開くも、しばらくの沈黙の後開き直った様に口を開いた。そしてニヤリと笑う。
『公爵はまだ知らぬでしょうがアルベルタの陶器の様な身体は隅から隅まで舐め尽くしても足りない程です。華奢な身体は庇護欲を唆るのです。
公爵にはわからないでしょう?貴方が連れている豊満な身体の女とは異なりますからね。』
目を細めるレオンハルト。
『何を言ってる?お前の性癖など興味もない』
『それは失礼。ですからアルベルタを返して頂く。』
『断ると言ったら?』
アーノルドは眉間にシワを寄せる。
『何故だ?貴方はアルベルタには興味を示さず、白い結婚のまま離婚するのであろう?であれば問題ないはずだ!』
『問題大有りだが?彼女は今や公爵夫人としての仕事を担っている。』
アーノルドはお茶を手にする。
『そんな事でしたか。それならば代わりなどいくらでもいる。』
『いや、屋敷の使用人らの信頼までも彼女は持ち得ている。』
『これは驚いた。えらく使用人思いの主な事だ。しかし私のおもちゃとなっていた夫人では外分も悪いのでは?』
『何の事だ?』
恍けるレオンハルトにアーノルドは苛立ちを隠せない。
『アルベルタは毎晩私に可愛がられていたのですよ?隅から隅まで私に舐め尽くされ、私の指先によって快楽に落ち、身を焦がす様に熱くするのだ。するとね彼女の泉から溢れんばかり溢れてきてそれを私が丁寧に舐めあげる‥』
『黙れ!』
ソファから立ち上がるレオンハルトにアーノルドはニヤリと笑い続ける。
『アルベルタにとっても、私が居ないと駄目なのだ。分かるでしょう?今のアルベルタを見れば。そう、私達はお互い求めあっているのだよ?公爵もそこまで野暮な男ではないはずだ。』
我が思いにひたるように話すアーノルドにレオンハルトは怒りを向ける。
『お前、誰に向かって話をしているのだ?アルベルタは公爵夫人。お前が淫らな想像をするのも憚られる相手だとは思わぬか?』
アーノルドは表情を無くし
『返せ、返してくれ』
『今ならまだ、許せる範囲内だ。お前も立場があるだろう?分かれ。』
アーノルドは静かに部屋を出た。
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