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ダンスは得意ですわ

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アルベルタは目を輝かせた。

王宮での夜会は綺羅びやかで奏でられる音楽段違い。並べられた料理はもはや芸術。

ダンスが始まりアルベルタとナターシャも声が掛かるが、アルベルタは一応公爵夫人だ。ファーストダンスを夫と踊っていないので丁重にお断りをすると隣のナターシャを差し出し



『なかなか良い感じよ?さあ、行きなさい!』

娘の背中を押す気持ちでおくりだすと、公爵家のクズは赤い髪の令嬢とファーストダンスを踊っていた。


‥まあ、相変わらずのクズですわ!

楽しそうに主のダンスを眺めるアルベルタに

『一曲お願いできますか?』


声を掛けて来たのは‥

さっきまで壇上にいた第2王子であった。

アルベルタは丁重にお断りをするも

『ファーストダンスを踊らないと君は誰とも踊れないよ?レオンハルトはあれだからといって君が暗黙のルールを破れば君の価値が下ってしまうだろ?だけど私は王子だ。例外だから大丈夫だよ』



‥何が大丈夫なのかしら?


アルベルタが深く折った膝を上げると同事に第2王子はアルベルタの手を引きダンスの輪に連れ出した。


驚きながらもアルベルタは第2王子のエスコートに乗りダンスを踊る。

ナターシャも見守る中、アルベルタと王子のダンスは優雅で洗練されていた。気付いた時には会場が2人に魅了されていたのである。

王子はアルベルタに優しく微笑む。


『眠り姫、今日はありがとう。眠り姫の目覚めを待っていたよ。』


ダンスを終えるとアルベルタの手の甲にキスを落として壇上へ戻って行った。



‥何で?


アルベルタは困惑しながら目の前の料理を食しに歩みを進めた。





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