6 / 31
レオンハルト・フォン・シュレーゼマン
しおりを挟む
私の名はレオンハルト・フォン・シュレーゼマン。国王の弟である父の後を継ぐ為、王命でもあり侯爵令嬢と政略結婚をした。
その令嬢とは結婚式の日に初めて会ったが、目も合わせられない程にオドオドし少女の様であった。
そもそも結婚などに何の期待もしていなければ、心を揺さぶられる事などありえない。
払っても寄ってくる令嬢にはいつしか払う事が面倒になり来る者は拒まずを貫いている。
誰か気を使わせたり使ったりするのは我慢ならないし、令嬢に振り回される事など考えただけでも虫唾が走る。
だから真実の愛とかいう者たちは恐らく頭の中が空っぽなのだ。
だから公爵夫人など誰でも良かった。
しかし、こんなのが公爵夫人がつとまるはずがない。
私は白い結婚を決意しゆくゆくは離婚をと考えている。
しかし久々に公爵邸に戻ってきたら何やら屋敷の様子が変ではないか。使用人が活気付き、そこら中に花が飾られているし、庭にはアーチまで出来て、おそらくだんだんと花が巻き付き、やがては花のアーチとなるのであろう。
誰の許可を取ってこんな勝手な事を!
私はすぐにセバスチャンを呼んだ。
『どうゆうことだ?』
セバスチャンを睨み付けると
『はい、奥様が色々と指示を出されて、また奥様も率先して私共と一緒に公爵邸大改造をしておられます。』
『大改造?』
『はい、屋敷中昔のように活気溢れる毎日でございますよ?』
レオンハルトは思い付いたように
『あの女は、この間まで死を彷徨っていたのでないのか?』
『それが不思議な事にすこぶるお元気です。ただ‥』
レオンハルトは目を細め
『ただ?』
セバスチャンは俯きながら
『お倒れになる前の記憶を無くされているとかでございます。』
『何?そんな事があるのか?』
2人はお互いで頭を巡らせている。しばらくの沈黙の後レオンハルトは
『まあ、記憶があろうと無かろうと関係ないが。義務も果たさぬのに散財だけか。』
溜息を付くレオンハルトにセバスチャンは
『いいえ、奥様は私が担っていた夫人の執務を全て持って行かれました。』
レオンハルトはハッとし
『帳簿は?』
『全てにございます。』
『おい!お前が付いていながら!』
声を上げるレオンハルトに
『私も確認しましたが、奥様はとにかく仕事がお早い。しかも驚くべき事に全て完璧でございました。』
レオンハルトはレオンハルトが知る、あの怯えたお人形の心境の変化をこの目で確かめるまで信用が出来なかった。
その令嬢とは結婚式の日に初めて会ったが、目も合わせられない程にオドオドし少女の様であった。
そもそも結婚などに何の期待もしていなければ、心を揺さぶられる事などありえない。
払っても寄ってくる令嬢にはいつしか払う事が面倒になり来る者は拒まずを貫いている。
誰か気を使わせたり使ったりするのは我慢ならないし、令嬢に振り回される事など考えただけでも虫唾が走る。
だから真実の愛とかいう者たちは恐らく頭の中が空っぽなのだ。
だから公爵夫人など誰でも良かった。
しかし、こんなのが公爵夫人がつとまるはずがない。
私は白い結婚を決意しゆくゆくは離婚をと考えている。
しかし久々に公爵邸に戻ってきたら何やら屋敷の様子が変ではないか。使用人が活気付き、そこら中に花が飾られているし、庭にはアーチまで出来て、おそらくだんだんと花が巻き付き、やがては花のアーチとなるのであろう。
誰の許可を取ってこんな勝手な事を!
私はすぐにセバスチャンを呼んだ。
『どうゆうことだ?』
セバスチャンを睨み付けると
『はい、奥様が色々と指示を出されて、また奥様も率先して私共と一緒に公爵邸大改造をしておられます。』
『大改造?』
『はい、屋敷中昔のように活気溢れる毎日でございますよ?』
レオンハルトは思い付いたように
『あの女は、この間まで死を彷徨っていたのでないのか?』
『それが不思議な事にすこぶるお元気です。ただ‥』
レオンハルトは目を細め
『ただ?』
セバスチャンは俯きながら
『お倒れになる前の記憶を無くされているとかでございます。』
『何?そんな事があるのか?』
2人はお互いで頭を巡らせている。しばらくの沈黙の後レオンハルトは
『まあ、記憶があろうと無かろうと関係ないが。義務も果たさぬのに散財だけか。』
溜息を付くレオンハルトにセバスチャンは
『いいえ、奥様は私が担っていた夫人の執務を全て持って行かれました。』
レオンハルトはハッとし
『帳簿は?』
『全てにございます。』
『おい!お前が付いていながら!』
声を上げるレオンハルトに
『私も確認しましたが、奥様はとにかく仕事がお早い。しかも驚くべき事に全て完璧でございました。』
レオンハルトはレオンハルトが知る、あの怯えたお人形の心境の変化をこの目で確かめるまで信用が出来なかった。
11
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
婚約破棄を言い渡した王子が、復縁を願ってきた
コトミ
恋愛
王妃教育を長年受けて、お淑やかに真面目に生きてきたエリーゼ。その理由はただ婚約者が国の王子であるからだった。
どの大人からも「王子と結婚するんだから」「王妃になるのだから」と言われ続け、自分を押し殺し、我慢を続けてきたエリーゼ。そのためにエリーゼは礼儀正しく、何でもできて、魔法使いとしてもプロ、好きの無い女性に成長した。
そんなエリーゼの堪忍袋の緒が切れたのは学園の卒業祝いである舞踏会であった。
「ベリンダを妻にすることにした。君にはもう、うんざりなんだ」
すべてがどうでもよくなったエリーゼは、隣国の王子と結婚の誘いが来ているとフィル王子に話し、夜の闇に消えていった。
誰もそんなことを信じるわけがなく、失踪したエリーゼを捜索することも一年足らずでやめてしまった。これだけ見つからないのだから野垂れ死んでいると思われるの当然。
そして月日は流れ、ベリンダとフィルは結婚し間に子供ができた。だが国自体に大きな問題を抱え、八方ふさがりとなった時、エリーゼの捜索がまた始まる。
【完結】烏公爵の後妻〜旦那様は亡き前妻を想い、一生喪に服すらしい〜
七瀬菜々
恋愛
------ウィンターソン公爵の元に嫁ぎなさい。
ある日突然、兄がそう言った。
魔力がなく魔術師にもなれなければ、女というだけで父と同じ医者にもなれないシャロンは『自分にできることは家のためになる結婚をすること』と、日々婚活を頑張っていた。
しかし、表情を作ることが苦手な彼女の婚活はそううまくいくはずも無く…。
そろそろ諦めて修道院にで入ろうかと思っていた矢先、突然にウィンターソン公爵との縁談が持ち上がる。
ウィンターソン公爵といえば、亡き妻エミリアのことが忘れられず、5年間ずっと喪に服したままで有名な男だ。
前妻を今でも愛している公爵は、シャロンに対して予め『自分に愛されないことを受け入れろ』という誓約書を書かせるほどに徹底していた。
これはそんなウィンターソン公爵の後妻シャロンの愛されないはずの結婚の物語である。
※基本的にちょっと残念な夫婦のお話です
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【改稿版・完結】その瞳に魅入られて
おもち。
恋愛
「——君を愛してる」
そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった——
幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。
あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは……
『最初から愛されていなかった』
その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。
私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。
『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』
『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』
でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。
必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。
私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……?
※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。
※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。
※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。
※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
さよなら私の愛しい人
ペン子
恋愛
由緒正しき大店の一人娘ミラは、結婚して3年となる夫エドモンに毛嫌いされている。二人は親によって決められた政略結婚だったが、ミラは彼を愛してしまったのだ。邪険に扱われる事に慣れてしまったある日、エドモンの口にした一言によって、崩壊寸前の心はいとも簡単に砕け散った。「お前のような役立たずは、死んでしまえ」そしてミラは、自らの最期に向けて動き出していく。
※5月30日無事完結しました。応援ありがとうございます!
※小説家になろう様にも別名義で掲載してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる