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レオンハルト・フォン・シュレーゼマン

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私の名はレオンハルト・フォン・シュレーゼマン。国王の弟である父の後を継ぐ為、王命でもあり侯爵令嬢と政略結婚をした。

その令嬢とは結婚式の日に初めて会ったが、目も合わせられない程にオドオドし少女の様であった。


そもそも結婚などに何の期待もしていなければ、心を揺さぶられる事などありえない。

払っても寄ってくる令嬢にはいつしか払う事が面倒になり来る者は拒まずを貫いている。

誰か気を使わせたり使ったりするのは我慢ならないし、令嬢に振り回される事など考えただけでも虫唾が走る。

だから真実の愛とかいう者たちは恐らく頭の中が空っぽなのだ。

だから公爵夫人など誰でも良かった。
しかし、こんなのが公爵夫人がつとまるはずがない。
私は白い結婚を決意しゆくゆくは離婚をと考えている。



しかし久々に公爵邸に戻ってきたら何やら屋敷の様子が変ではないか。使用人が活気付き、そこら中に花が飾られているし、庭にはアーチまで出来て、おそらくだんだんと花が巻き付き、やがては花のアーチとなるのであろう。


誰の許可を取ってこんな勝手な事を!
私はすぐにセバスチャンを呼んだ。

『どうゆうことだ?』
セバスチャンを睨み付けると


『はい、奥様が色々と指示を出されて、また奥様も率先して私共と一緒に公爵邸大改造をしておられます。』


『大改造?』


『はい、屋敷中昔のように活気溢れる毎日でございますよ?』


レオンハルトは思い付いたように


『あの女は、この間まで死を彷徨っていたのでないのか?』


『それが不思議な事にすこぶるお元気です。ただ‥』


レオンハルトは目を細め


『ただ?』


セバスチャンは俯きながら

『お倒れになる前の記憶を無くされているとかでございます。』


『何?そんな事があるのか?』

2人はお互いで頭を巡らせている。しばらくの沈黙の後レオンハルトは

『まあ、記憶があろうと無かろうと関係ないが。義務も果たさぬのに散財だけか。』

溜息を付くレオンハルトにセバスチャンは

『いいえ、奥様は私が担っていた夫人の執務を全て持って行かれました。』


レオンハルトはハッとし

『帳簿は?』

『全てにございます。』


『おい!お前が付いていながら!』

声を上げるレオンハルトに

『私も確認しましたが、奥様はとにかく仕事がお早い。しかも驚くべき事に全て完璧でございました。』


レオンハルトはレオンハルトが知る、あの怯えたお人形の心境の変化をこの目で確かめるまで信用が出来なかった。


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