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恐るべし元王女

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側近と共に地上に戻ったラインハルトは眠い目を擦りながら廊下を行くとふと眠気が吹っ飛んだ。目の前にあるはず光景が無い。2人は慌てて走り出す。


アランの部屋の前にはブランケットに包まれたステファニーが眠っていたはず…。



急ぎ扉を開こうとノブを回すも施錠されている。ラインハルトは慌ててポケットに手を入れるときちんと鍵はある。

恐る恐るそのカギで扉を開けると…




ベッドに仲良く並んで眠るステファニーとアランが2人の視界に入ってきた。


…。



側近は慌てて首を振るとラインハルトを促し外に出る。2人の眠気は吹っ飛んだついでに側近は


『アンソニー・ロイズも片づけますか?』


ラインハルトは大きくため息を吐くと


『好きにしてくれ。』



不貞腐れた王太子を側近は優しく見守るのであった。







『旦那様、おはよーございます。』

アランはステファニーの笑顔と、王宮の大きな窓から降り注ぐ朝日を浴びて目を覚ました。



『あぁ、おはよう。昨夜は迷惑を掛けたね。申し訳ない。』

目の下のクマが痛々しいアランが頭を下げた。


『旦那様は被害者ですのよ?こうなったら王宮から慰謝料をたんまりとふんだくりますからね』

意気込みを見せるステファニーに


『勘弁してくれよ。』

ラインハルトが眠そうに入ってくる。


『アラン、具合はどうだ?』


アランは起き上がると


『はっ、快適です。昨夜は殿下の手を煩わせてしまい申し訳ありませんでした。』



『本当だよ、おかげで一睡もしていなからね?』

隣り側近は同じく頷く。


事の顛末を説明しながらラインハルトは

『そういえば、ステファニー。お前どうやってここに入った?施錠はしたはずだが?』


ステファニーはヤバいと顔を引き攣りながらぺろりと舌を出した。ラインハルトは呆れたたように側近に


『今後、王宮にネズミが入った時にはまずはステファニーを疑え。』


そう言うと側近は楽しそうに笑いながら頷いた。ステファニーもまた複雑そうに側近を睨みつけた。


その様子を見てラインハルトはアランに


『アラン、ありがとう。心から感謝する。』


そう言うとアランの不思議そうな表情に小さく笑い側近をつれて部屋を出て行った。




『殿下の笑顔…初めて見たかも…』


呟いたアランにステファニーは


『私も…』


アランは何よりステファニーのその一言にまたも驚いた。


…兄弟なのに?



アランは不思議そうに首を傾げた。














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