冷酷皇帝とお花畑妃殿下

謁見の間にて

『兄上、お久しぶりです。』


カイザルはエマニュエルが部屋に入るや否や立ち上がると礼を取った。


フランシスもまた膝を深く折り

『お初にお目にかからます。マリラン王国第１王女、フランシスと申します。』


エマニュエルは笑顔で


『ごめんごめん待たせたね？ほら、そういうのはいいから』

気さくな雰囲気のまま２人の目の前に腰をおろした。



エマニュエルは２人に笑顔を向けると

『まずは、おめでとうかな？』　


…。

複雑そうな面持ちのカイザルとは反してフランシスは嬉しそうに


『ありがとうございます!』


流石は従属国ではないマリラン王国の王女。物怖じすることなく平常運営のようだ。

『話しはまた明日にでもゆっくりするとして、今日はこのまま夜会まで少し休んで』


エマニュエルはそれだけ言うと急ぎの用があるとの事で部屋を後にした。


…何なん？


…何も触れては来なかったか…



２人はそれぞれの思いを胸に客間へと案内に従った。