貴方に嫌われたくなくて

makojou

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夜会

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夜会が始まると流石はリディアンネの兄。皇女らの関心をリディアンネから奪い取るかのように王太子スマイルで皇女らを釘付けにしている。


…お兄様、王太子スマイルに磨きが掛かってますわね?



リディアンネは兄の奮闘ぶりに関心しているとユリウスが嬉しそうにダンスのエスコートにやって来た。


『王女、一曲お願いできますか?』


リディアンネは美しく微笑むとユリウスの手に手を重ねた。2人は会場の中心で美しく舞う。派手な原色ドレスの中のクリームベージュのドレスは霞むどころか存分にその存在を主張しているかの様だ。


『王女、明日から皇太子教育としてこの国に残って頂けますか?』


皇太子妃選定の際、夜会でユリウスに描けられた言葉を思い出したリディアンネはユリウスを見上げると


『殿下、こういう時はお名前を呼ばれるものですよ?』


ユリウスは楽しそうに笑い


『そう?ならばリディアンネ王女。私の妃となって頂けますか?』


リディアンネの耳元で囁くとリディアンネは真っ赤になりユリウスを見上げる。余裕の笑みを浮かべるユリウスにリディアンネは


『教会での誓いのイベントではなくて?』


笑いを堪らえるユリウスは

『大陸中の国を招いて盛大に披露するよ?何せ私の妃なのだからね。』


リディアンネは思わずユリウスの胸の中に飛び込むとユリウスはそれを軽々と持ち上げクルクルとダンスの輪の中で舞った。

その様子を壇上から皇帝両陛下は嬉しそうに眺めていた。そして一方の皇族らは表情すら柔らかく微笑んではいるが、己の身の振り方を心の中で案じていたのである。







    
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