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憂鬱な結婚式
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アルフォンスとマーガレットの挙式は盛大に執り行われた。
リディアンネはとにかく逃げるのが嫌いだ。闘志を燃やしたリディアンネはジュールと共にサエラ王国王女として挑んだのである。
ご立派な挙式の後の夜会では皆、色とりどりのドレスに身を纏う。もちろん原色ドレスのオンパレード。見ているだけで目がクラクラしてくるのだ。流石のジュールもこの日はリディアンネに視線を集めている。
『日頃地味なドレスですが今宵ばかりは目の保養となりますね。』
こんな時にまで嫌味をぶっこむジュールに
『素直じゃないわね。地味であろうが来ている者の素材が良いのよ。』
ジュールはあからさまに瞬きを繰り返す。
『もういいわよ。分かったから!』
相変わらずの2人に帝国社交界の好奇な視線はなんてことのないものであった。
『リディアンネ様』
か細い声に振り返るとそこに立つのはマーガレット皇女。さっと後ろに控えるジュールに会釈をすると
『ありがとうございます』
マーガレットはリディアンネに感謝を述べた。
『おめでとうございます。マーガレット皇女。私はお礼を頂く事は何もしておりません。』
会場の視線は2人に注がれている時にアルフォンスまでもがやって来くると
『リディ、来てくれてありがとう。』
リディアンネは笑顔で頷くと
『さぁ、主役2人がこんな所にいてはいけませんわ。壇上にお戻りになって!』
笑顔で2人を見送った。
…疲れたわ。
リディアンネはバルコニーに出ると
『ジュール、喉が乾いたわ』
『果実水でよろしいですね?』
ジュールは笑顔で会場に戻って行った。
『アルフォンス様とマーガレット様は真実の愛を貫かれたのね~』
『そもそもあの王女は何のためにここに嫁がれたのでしょうかね?』
『まだここに居座ってるって?』
リディアンネの噂話で盛り上がる帝国貴族令嬢らを辟易としながら眺めているとそこへ皇女らまでが合流してきたのが見えた。
…ヤバいわ。更に火が付きそうね(笑)
『まあ、何をそんなに盛り上がってるのかしら?』
第3皇女は扇で口元を隠しながらお連れの者をゾロゾロと連れてやって来た。
令嬢らは嬉しそうに皇女を輪の中へ招き入れると 皇女は真顔で話しだした。
『でもあの女に未来は無いわ。アルフォンスとの婚儀で純血でなくなっているのよ?どこにそんな使い古しを娶る殿方がおることか…。』
令嬢らも殺気溢れる第3皇女に息を呑みながらも
『一応、王女ですからね、その肩書で何とかなりそうなものですが?』
煽るように1人の令嬢が言う。
『所詮、その肩書に頼らないといけない位の者でしょう?』
また1人の令嬢が皇女を援護するかのように答えた。
…。
先程まで笑い飛ばしていたリディアンネであったがジュールを待つことなく1人バルコニーを出て会場に戻った。
リディアンネにとって今ここにいる事でさえ無駄に思えてきたのである。さっさとサエラ王国へ戻ろう。皇女の言う通り、ここに未来はない。ならば噂話の種に自らがなることは無い。
そんな事を考えていると、会場の高い所から見下ろすユリウスがリディアンネに笑顔を送っているのが見えた。リディアンネはその視線に返す事なく踵を返して会場を後にした。
リディアンネはとにかく逃げるのが嫌いだ。闘志を燃やしたリディアンネはジュールと共にサエラ王国王女として挑んだのである。
ご立派な挙式の後の夜会では皆、色とりどりのドレスに身を纏う。もちろん原色ドレスのオンパレード。見ているだけで目がクラクラしてくるのだ。流石のジュールもこの日はリディアンネに視線を集めている。
『日頃地味なドレスですが今宵ばかりは目の保養となりますね。』
こんな時にまで嫌味をぶっこむジュールに
『素直じゃないわね。地味であろうが来ている者の素材が良いのよ。』
ジュールはあからさまに瞬きを繰り返す。
『もういいわよ。分かったから!』
相変わらずの2人に帝国社交界の好奇な視線はなんてことのないものであった。
『リディアンネ様』
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『ありがとうございます』
マーガレットはリディアンネに感謝を述べた。
『おめでとうございます。マーガレット皇女。私はお礼を頂く事は何もしておりません。』
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『リディ、来てくれてありがとう。』
リディアンネは笑顔で頷くと
『さぁ、主役2人がこんな所にいてはいけませんわ。壇上にお戻りになって!』
笑顔で2人を見送った。
…疲れたわ。
リディアンネはバルコニーに出ると
『ジュール、喉が乾いたわ』
『果実水でよろしいですね?』
ジュールは笑顔で会場に戻って行った。
『アルフォンス様とマーガレット様は真実の愛を貫かれたのね~』
『そもそもあの王女は何のためにここに嫁がれたのでしょうかね?』
『まだここに居座ってるって?』
リディアンネの噂話で盛り上がる帝国貴族令嬢らを辟易としながら眺めているとそこへ皇女らまでが合流してきたのが見えた。
…ヤバいわ。更に火が付きそうね(笑)
『まあ、何をそんなに盛り上がってるのかしら?』
第3皇女は扇で口元を隠しながらお連れの者をゾロゾロと連れてやって来た。
令嬢らは嬉しそうに皇女を輪の中へ招き入れると 皇女は真顔で話しだした。
『でもあの女に未来は無いわ。アルフォンスとの婚儀で純血でなくなっているのよ?どこにそんな使い古しを娶る殿方がおることか…。』
令嬢らも殺気溢れる第3皇女に息を呑みながらも
『一応、王女ですからね、その肩書で何とかなりそうなものですが?』
煽るように1人の令嬢が言う。
『所詮、その肩書に頼らないといけない位の者でしょう?』
また1人の令嬢が皇女を援護するかのように答えた。
…。
先程まで笑い飛ばしていたリディアンネであったがジュールを待つことなく1人バルコニーを出て会場に戻った。
リディアンネにとって今ここにいる事でさえ無駄に思えてきたのである。さっさとサエラ王国へ戻ろう。皇女の言う通り、ここに未来はない。ならば噂話の種に自らがなることは無い。
そんな事を考えていると、会場の高い所から見下ろすユリウスがリディアンネに笑顔を送っているのが見えた。リディアンネはその視線に返す事なく踵を返して会場を後にした。
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