王女の企み【完】

makojou

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拉致未遂?

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『何があったのですか?』

エドワードはルリネットに尋ねる。ルリネットは面倒くさそうに

『拉致ろうとしたのよ、あの男!』

驚き目を見開くエドワードに侍女のモニカが冷静に答える。

『エドワード様、ルリネット様のお話しをまともに聞いてはなりません。事の全てを聞いてからご判断下さい。』

なるほど、納得した表情でエドワードは再び問う。

『あなた達失礼ね。事を要約すると拉致よ。』
お茶をゴクリの飲み干しルリネットが睨み付ける。

『要約されなくて結構ですから』
諭すようなエドワード。


ルリネットは仕方なく事の成り行きを話した。









『ケンカを売ったということですね?』

そこ?

『売ったのでは無いわ!売られたケンカを買ったのよ。』

不貞腐れるルリネットに

『大陸二大勢力のリラ大王国の王太子に?』

エドワードは呆れながら問うた。


『そんな勢力図は知らないわ。どこの誰だとしても失礼な男よ。』


プイっと顔を横に振るルリネットに困った様にエドワードが話し出す。

『困った事になりましたね。今夜リラ大王国王太子の歓迎の夜会が開かれます。私は今執事として王女にお仕えしておりますが、これは内政の事。外政となる王太子の歓迎の夜会は私は王族として出席しなければなりません。』




『それのどこが問題なのよ?

王族とダリス大王国の貴族らで歓迎するのでしょう?
いってらっしゃ~い!』


手をふるルリネット。



『当初の予定ではそうでしたが、急遽各国の王女の参加を要請されまして‥』


『は?ねえ、おかしいわよね?各国の王女はダリス大王国の王太子妃候補でしょ?そもそも大王国の王太子妃の座を狙っている王女よ?リラ大王国でも良いわってなる可能性もあるのよ?』


『そうなのですが、集められたのが貴族の令嬢ならば何とかなったのですが、王女ですから。王太子妃候補だけではなく、各国の王族としての外交の観点から要請されたのではこちらも為す術もなくて。ですからルリネット王女、お分かりですね?』


神妙な面持ちでエドワードがルリネットを見ると

『え?わからないけど‥』


大きな溜息が2つ。
エドワードとモニカは頭を抱えた。


『ですから、夜会での社交ですよ?失礼ながらルリネット王女は初ですね?しかしながら他国の王女はベテランですよ?』


『だから?』


『ですから、他の王女からしたらルリネット様の足をすくえる絶好のチャンスが到来したわけですよ!』


『まあ、面白そうね!』





『‥とにかく、気を引き締めて臨んで下さい。』



ルリネットは少し考えてからニヤリと笑い


『大丈夫!任せて』


ルリネットの大丈夫は大丈夫じゃないことを2人は知っている。


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