王女の企み【完】

makojou

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ダリス王国へ

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この度のダリス大王国での王太子妃選びには、大陸の各国から王女が集まる。私のように馬車で3日ほどの国もあれば、遥か遠い地から馬車で2~3週間掛かる国もある。

その為、開催日の一週間前からダリス大王国は、王宮を各国の王族仕様にして、出迎えているという。

その間は、いつ到着しても良い様に、昼間は各国交流の場としてガーデンパーティーが開かれている。
そして最終日の夜の夜会にて各国の王族が集まり、王太子妃選びの開会の儀が執り行われる。

私たちは、大王国には近い為、夜会に合わせて王宮に入った。


馬車がダリス大王国の王都に入ると、各国の王族を出迎える様にあちらこちらで雅楽隊が音楽を奏で、街を彩る花華は踊る様に咲き誇っている。


馬車が王宮に入ると、これまた素晴らしい庭園を横目に進み正面の横で馬車が止まった。

『お待ちしておりました。ヴェルヴァス王国、アルフレッド王子、ルリネット王女。

この度王女の執事を拝命しました、エドワードでございます。どうぞ宜しくお願いします。』

『こちらこそ、宜しくお願いします』
とアルフレッドは完璧な王子スマイル。

ルリネットもカーテシーをし、2人は王宮へと案内に従って行った。





『さて、リネット様。早速お支度を!』

国から連れてきた侍女のモニカは腕を捲くる。

『え~今着いたばかりよ?もう少し、もう少し休みましょう~』


『いいえ、どの国の王女も一世一代の大勝負でこられます。』

『その勝負に勝ちに来ていないのだから平気よ!』

一瞬、ジロリと睨みを効かされる。



『‥分かりました。』
しおらしく従うルリネットであった。






コンコンコンとノックの音と同事に扉が開くと、アルフレッドが颯爽と入ってきた。

『ちょっと!淑女の部屋にいきなり入ってくるなんて、なんて事!』


『ノックは鳴らしたさ。』
アルフレッドは椅子を正面から跨り、椅子の背に顔を乗せてこちらを眺める。


『ほぉ~流石、大金を掛けただけはあるな。淑女に見えるぞ(笑)ってそんな事より、よく聞け。

王女たちに付く執事は、皆王族、もしくは準王族だ。分かるか?この意味が。王太子妃選びにプライベートは無いということだ。しかと心得よ。』


『‥何を?別に我が国は王太子妃の椅子が欲しいわけじゃないもの、そんなに気負わなくても大丈夫よ。

それよりアルお兄様こそ大丈夫?皆、第一王子がエスコートに来ているみたいよ。相手は王太子となる王子。アルお兄様とは自覚が違うわよ!』


普段ならばここから険悪になっていく展開だ。今日はウィリアムも居ない‥。困ったモニカが

『お時間でございます!お急ぎ下さい!』と慌てふためく。

『チェッ、ほらいくぞ』
不機嫌ながらも腕を出すアルフレッドにルリネットも仕方なく腕を通した。









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