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婚約破棄?
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馬車が強引に宮殿に止められハインリッヒとリデュアンネが降りてくる。リデュアンネはテオドールを睨みつけながら
『やはり、馬車の手綱を握る者の人間性がよくわかるわ!』
『あいにく私は、リデュアンネ様と違い、馬とは気持ちを通わす事が、できません故』
二人はそんなやり取りをしながら黙って前を進むハインリッヒに付いていく。たどり着いた部屋は、リデュアンネが初めて東国に嫁いできたあの日に通された部屋であった。
かつての英雄、ハインリッヒ・フォルバッハを彫り込んだ大きな扉が開かれると、既にアルフレッドとソフィア嬢が並んでかけていた。
テオドールは2人の正面ではなく、後ろの椅子に腰を下ろした。リデュアンネとテオドールは2人の正面に座る。
リデュアンネはこの部屋が恐ろしく、それでいて大切な場所であった。あの日、このかつての英雄だらけの部屋でどれほどの力を貰ったであろうか。いつ来てもこの緊張感には慣れない、いや慣れてはいけないのであろう。
そう思うと背筋が伸びるリデュアンネであった。
最初に口を開いたのはアルフレッド。
『私の今回のこの婚約はなかった事にいたします。』
驚きソフィア嬢は、
『婚約破棄をされるのですか?』
アルフレッドは王子様もモードで微笑む。
『君と私はまだ、正式には婚約していない。君はあくまで私の婚約者候補でしかないよ。』
『そんな!婚約者として、夜会にもご一緒しましたわ!』
『うん、でもね、まだ正式に皇帝からの許可が下りる前だから婚約破棄には当たらないのだよ。』
ハインリッヒは小さく頷く。
『ですが!』
食い下がるソフィア嬢を遮りテオドールがアルフレッドに
『まだ続くのか?そんな、どうでもよい話は後にしてくれ』
どうでもよいと言われてソフィア嬢はテオドールを睨み付けたが、リデュアンネからの第一王子という言葉を思い出し、サッと顔を下げた。
『アル、今後のために忠告だ。最低限、仮面の脱着はきちんと出来る令嬢でなければ困るのはアルだぞ。』
『きもに銘じます』
アルフレッドは片目を閉じてバツの悪そうに頭を下げた。
『それで?リデュアンネ様の、このお怪我は?』
テオドールがソフィア嬢に問う。
『ですから、妃殿下が私とアルフレッド様の婚約を認めないとおっしゃって‥』
『何故、認めないと?』
テオドールは間髪入れず問う。
『アルフレッド、アルフレッドと何度も言われておりましたので、まだその、アレかと‥』
『貴女は東国1の才女では?その、アレでは分かりませんが』
カッとなり顔を真っ赤にするソフィア嬢。
『ですから、妃殿下はアルフレッド様をお慕いしているのでは?』
『リデュアンネ様が、そうおっしゃったと?』
『言わなくてもわかります。』
『何故ですか?』
『何故って。』
『そりゃあ、お飾りなのですから寂しくもなるのでは?』
テオドールがニヤリと笑う。
『頂きました。お飾り。貴女は妃殿下を前にしてお飾りとおっしゃいました。東国1の才女ならばお分かりかと存じますが、これは不敬罪ですよ。』
ソフィア嬢は立ち上がり
『誘導だわ!貴方何様のおつもり!』
一斉に溜息が部屋に広がる。
『貴女の罪はこんな事だけではありませんので、大丈夫ですよ。まず貴女は‥有りもしないことをゴシップ記事に書かせた。』
前に出されたお茶を飲み干し、投げるようにソーサに戻し
『そんな事知りません!』
『あぁ、貴女の話は聞いておりませんので、ご安心を。これは既に証拠も上がっておりますので。』
と言って証拠を机に並べる。
チラリとだけ見て、見て見ぬふりをするソフィア嬢。
『後、アリア王妃の名前で孤児院に寄贈されておりすね。これは文書偽造罪ですね。』
目をパチパチさせるソフィア嬢。
『べ別に、盗んだものでは無いのですから!私が購入したものを寄贈したのですから誰にも迷惑を、かけておりませんから罪にはなりませんわ!』
『貴女は‥バカなのですか?だれも盗んだなんて言っておりませんよ。』
『では、何が悪いの?寧ろ本物を購入して寄贈したのだから感謝されても良いくらいでしょう?』
静まり返る一同。
『‥貴女は‥バカなのですね‥』
呆れるテオドールに、頭を抱えるアルフレッド。
ハインリッヒは黙って目を閉じて聞いていた。
周りを見渡しソフィア嬢は思い付いた様に目を輝かせる。
『わかりましたわ。この様な重箱の隅をつつくような事をなさる意味が!私とアルフレッド様を婚約破棄させて、皆さんでリデュアンネ様とアルフレッド様をくっつけるおつもりですね?そうならそうと初めからおっしゃって頂けましたら』
ご機嫌で語るソフィア嬢を遮り
『静まれ、ソフィア。君にはまだ最大の罪が残っているのだ。リデュの顔を見てみろ。口元が切れている。』
ソフィア嬢は
『ですから、先に手を出されたのは妃殿下です。私は振り払っただけですわ!』
リデュアンネを前に平静を装い偽りを述べる。
『例えそうだとしても、妃殿下に怪我をさせた事は重大だ。』
アルフレッドは諭す様に話す。
『ならば私も怪我を、すれば良かったと言うのですか!』
『静まれ!』
アルフレッドよりも大きな声が響く。
部屋中に一気に緊張感が走る。
『もう良い。無駄だ。アルフレッド、連れて行け』
偽りを最も嫌うハインリッヒはこの時初めて口を開いた。
『お待ち下さい。』
リデュアンネが声を上げた。
『ソフィア様。あなたの心の中の声を全て吐き出しなさい。まだまだお溜めになっているのでしょう?この場に及んでまだ偽りを述べるなど、心が濁っている証拠。さぁ。』
『‥』
『貴女は‥私を嫌いだとおっしゃいましたね。私こそ貴女は‥好きではありません。だからこそ、今全て吐き出しておしまいにしてください。』
『‥』
『では。私から。
貴女は、身の丈に合ってもいない大きな鎧を付けているだけの中身の無い令嬢だわ。急いで成長するが為に大切なことを忘れている。沢山の学びを重ねてきたのでしょう。
しかしそれをきちんと整理できていないわ。だからご自分からの会話は流暢に話されますが、相手からの話題には頭の中の、どの引き出しから出したらいいのか分からず混乱している。いわゆるコミュニケーションが苦手な人。
なぜそうなるのか?それは貴女がご自分に自信がないからよ。だからこそ虚勢を張っているのでしょう?』
大きく目を見開くソフィア嬢。
『貴女に、貴女に何がわかる!』
声を張り上げるソフィア嬢に
『わからないわ。だから吐き出してって言ってるの』
『私は貴女が嫌い。公爵令嬢というだけで王太子と婚約して、公爵令嬢というだけで周りにチヤホヤされて、それを当たり前だと思ってるわ。
挙げ句の果には肩書だけで皇后になり、知ったふうな事を言う所。全部が嫌い。何の努力もせず、私の努力を踏みにじる貴女が許せない!嫌い嫌い大っきらい!』
口を開こうとするアルフレッドを制止し、リデュアンネは続ける。
『そう、わかったわ。別に貴女に私を理解して頂かなくても結構だから言い訳はしない。でも最後に一つだけ言わせて。
貴女は‥この国の皇后にはなれないわ。
何故ならこの神聖な部屋で貴女は‥偽りを平然と話す。
それにね、貴女が乱暴にカップを置いたこのソーサ。そのソーサを見てご覧なさい。かつての英雄が施されているわ。』
斜めになっているカップの下からかつての英雄の一部が見える。
『でもね、本当は今日貴女の事が好きになりたかったの。アルフレッドを支えてくれる貴女が貴女の心の中に居てくれたらと強く強く望んでいたわ。
でもね、これは貴女の為ではないわ。私はアルフレッドには幸せになってもらわないと困るの。』
『‥』
『だから私のこの怪我。私は木登りに失敗し木から落ちたの。久々だったからかしら、鈍ってたのね。テオドール?』
困惑する一同。テオドールは少し考えてから
『全く、猿も木から落ちるとはこの事ですね。』
小さく笑いリデュアンネに頭を下げた。
『さあ、後は‥ゴシップ記事ね。それはアルフレッド。あなた町にはそういう知り合いが多いはずよね?黙らせなさい。これは皇后命令です。』
『承知しました。』
アルフレッドも礼を取り頭を下げた。
『孤児院の寄贈はソフィア様。あなたの勘違いで寄贈されたのだからすぐに孤児院へ行き訂正してきなさい。もちろん正面玄関からね。裏口は駄目よ。子どもたちの遊び場だから。』
ソフィア嬢は罪を逃れられないと思い、全てを吐き出した。それなのに‥
『何故‥』
『私は小説の主人公のような優しい令嬢ではないの。だからこれは慈悲ではありません。
私はただ、アルフレッドの婚約者候補だった貴女に傷をつけたくないだけの事。貴女の為ではなく、アルフレッドの今後の為。おわかり?』
‥
『‥はい。』
ソフィア嬢はリデュアンネに頭を下げカーテシーをする。
ソフィア嬢はアルフレッドのエスコートなしにひとりで部屋を出て行った。
『やはり、馬車の手綱を握る者の人間性がよくわかるわ!』
『あいにく私は、リデュアンネ様と違い、馬とは気持ちを通わす事が、できません故』
二人はそんなやり取りをしながら黙って前を進むハインリッヒに付いていく。たどり着いた部屋は、リデュアンネが初めて東国に嫁いできたあの日に通された部屋であった。
かつての英雄、ハインリッヒ・フォルバッハを彫り込んだ大きな扉が開かれると、既にアルフレッドとソフィア嬢が並んでかけていた。
テオドールは2人の正面ではなく、後ろの椅子に腰を下ろした。リデュアンネとテオドールは2人の正面に座る。
リデュアンネはこの部屋が恐ろしく、それでいて大切な場所であった。あの日、このかつての英雄だらけの部屋でどれほどの力を貰ったであろうか。いつ来てもこの緊張感には慣れない、いや慣れてはいけないのであろう。
そう思うと背筋が伸びるリデュアンネであった。
最初に口を開いたのはアルフレッド。
『私の今回のこの婚約はなかった事にいたします。』
驚きソフィア嬢は、
『婚約破棄をされるのですか?』
アルフレッドは王子様もモードで微笑む。
『君と私はまだ、正式には婚約していない。君はあくまで私の婚約者候補でしかないよ。』
『そんな!婚約者として、夜会にもご一緒しましたわ!』
『うん、でもね、まだ正式に皇帝からの許可が下りる前だから婚約破棄には当たらないのだよ。』
ハインリッヒは小さく頷く。
『ですが!』
食い下がるソフィア嬢を遮りテオドールがアルフレッドに
『まだ続くのか?そんな、どうでもよい話は後にしてくれ』
どうでもよいと言われてソフィア嬢はテオドールを睨み付けたが、リデュアンネからの第一王子という言葉を思い出し、サッと顔を下げた。
『アル、今後のために忠告だ。最低限、仮面の脱着はきちんと出来る令嬢でなければ困るのはアルだぞ。』
『きもに銘じます』
アルフレッドは片目を閉じてバツの悪そうに頭を下げた。
『それで?リデュアンネ様の、このお怪我は?』
テオドールがソフィア嬢に問う。
『ですから、妃殿下が私とアルフレッド様の婚約を認めないとおっしゃって‥』
『何故、認めないと?』
テオドールは間髪入れず問う。
『アルフレッド、アルフレッドと何度も言われておりましたので、まだその、アレかと‥』
『貴女は東国1の才女では?その、アレでは分かりませんが』
カッとなり顔を真っ赤にするソフィア嬢。
『ですから、妃殿下はアルフレッド様をお慕いしているのでは?』
『リデュアンネ様が、そうおっしゃったと?』
『言わなくてもわかります。』
『何故ですか?』
『何故って。』
『そりゃあ、お飾りなのですから寂しくもなるのでは?』
テオドールがニヤリと笑う。
『頂きました。お飾り。貴女は妃殿下を前にしてお飾りとおっしゃいました。東国1の才女ならばお分かりかと存じますが、これは不敬罪ですよ。』
ソフィア嬢は立ち上がり
『誘導だわ!貴方何様のおつもり!』
一斉に溜息が部屋に広がる。
『貴女の罪はこんな事だけではありませんので、大丈夫ですよ。まず貴女は‥有りもしないことをゴシップ記事に書かせた。』
前に出されたお茶を飲み干し、投げるようにソーサに戻し
『そんな事知りません!』
『あぁ、貴女の話は聞いておりませんので、ご安心を。これは既に証拠も上がっておりますので。』
と言って証拠を机に並べる。
チラリとだけ見て、見て見ぬふりをするソフィア嬢。
『後、アリア王妃の名前で孤児院に寄贈されておりすね。これは文書偽造罪ですね。』
目をパチパチさせるソフィア嬢。
『べ別に、盗んだものでは無いのですから!私が購入したものを寄贈したのですから誰にも迷惑を、かけておりませんから罪にはなりませんわ!』
『貴女は‥バカなのですか?だれも盗んだなんて言っておりませんよ。』
『では、何が悪いの?寧ろ本物を購入して寄贈したのだから感謝されても良いくらいでしょう?』
静まり返る一同。
『‥貴女は‥バカなのですね‥』
呆れるテオドールに、頭を抱えるアルフレッド。
ハインリッヒは黙って目を閉じて聞いていた。
周りを見渡しソフィア嬢は思い付いた様に目を輝かせる。
『わかりましたわ。この様な重箱の隅をつつくような事をなさる意味が!私とアルフレッド様を婚約破棄させて、皆さんでリデュアンネ様とアルフレッド様をくっつけるおつもりですね?そうならそうと初めからおっしゃって頂けましたら』
ご機嫌で語るソフィア嬢を遮り
『静まれ、ソフィア。君にはまだ最大の罪が残っているのだ。リデュの顔を見てみろ。口元が切れている。』
ソフィア嬢は
『ですから、先に手を出されたのは妃殿下です。私は振り払っただけですわ!』
リデュアンネを前に平静を装い偽りを述べる。
『例えそうだとしても、妃殿下に怪我をさせた事は重大だ。』
アルフレッドは諭す様に話す。
『ならば私も怪我を、すれば良かったと言うのですか!』
『静まれ!』
アルフレッドよりも大きな声が響く。
部屋中に一気に緊張感が走る。
『もう良い。無駄だ。アルフレッド、連れて行け』
偽りを最も嫌うハインリッヒはこの時初めて口を開いた。
『お待ち下さい。』
リデュアンネが声を上げた。
『ソフィア様。あなたの心の中の声を全て吐き出しなさい。まだまだお溜めになっているのでしょう?この場に及んでまだ偽りを述べるなど、心が濁っている証拠。さぁ。』
『‥』
『貴女は‥私を嫌いだとおっしゃいましたね。私こそ貴女は‥好きではありません。だからこそ、今全て吐き出しておしまいにしてください。』
『‥』
『では。私から。
貴女は、身の丈に合ってもいない大きな鎧を付けているだけの中身の無い令嬢だわ。急いで成長するが為に大切なことを忘れている。沢山の学びを重ねてきたのでしょう。
しかしそれをきちんと整理できていないわ。だからご自分からの会話は流暢に話されますが、相手からの話題には頭の中の、どの引き出しから出したらいいのか分からず混乱している。いわゆるコミュニケーションが苦手な人。
なぜそうなるのか?それは貴女がご自分に自信がないからよ。だからこそ虚勢を張っているのでしょう?』
大きく目を見開くソフィア嬢。
『貴女に、貴女に何がわかる!』
声を張り上げるソフィア嬢に
『わからないわ。だから吐き出してって言ってるの』
『私は貴女が嫌い。公爵令嬢というだけで王太子と婚約して、公爵令嬢というだけで周りにチヤホヤされて、それを当たり前だと思ってるわ。
挙げ句の果には肩書だけで皇后になり、知ったふうな事を言う所。全部が嫌い。何の努力もせず、私の努力を踏みにじる貴女が許せない!嫌い嫌い大っきらい!』
口を開こうとするアルフレッドを制止し、リデュアンネは続ける。
『そう、わかったわ。別に貴女に私を理解して頂かなくても結構だから言い訳はしない。でも最後に一つだけ言わせて。
貴女は‥この国の皇后にはなれないわ。
何故ならこの神聖な部屋で貴女は‥偽りを平然と話す。
それにね、貴女が乱暴にカップを置いたこのソーサ。そのソーサを見てご覧なさい。かつての英雄が施されているわ。』
斜めになっているカップの下からかつての英雄の一部が見える。
『でもね、本当は今日貴女の事が好きになりたかったの。アルフレッドを支えてくれる貴女が貴女の心の中に居てくれたらと強く強く望んでいたわ。
でもね、これは貴女の為ではないわ。私はアルフレッドには幸せになってもらわないと困るの。』
『‥』
『だから私のこの怪我。私は木登りに失敗し木から落ちたの。久々だったからかしら、鈍ってたのね。テオドール?』
困惑する一同。テオドールは少し考えてから
『全く、猿も木から落ちるとはこの事ですね。』
小さく笑いリデュアンネに頭を下げた。
『さあ、後は‥ゴシップ記事ね。それはアルフレッド。あなた町にはそういう知り合いが多いはずよね?黙らせなさい。これは皇后命令です。』
『承知しました。』
アルフレッドも礼を取り頭を下げた。
『孤児院の寄贈はソフィア様。あなたの勘違いで寄贈されたのだからすぐに孤児院へ行き訂正してきなさい。もちろん正面玄関からね。裏口は駄目よ。子どもたちの遊び場だから。』
ソフィア嬢は罪を逃れられないと思い、全てを吐き出した。それなのに‥
『何故‥』
『私は小説の主人公のような優しい令嬢ではないの。だからこれは慈悲ではありません。
私はただ、アルフレッドの婚約者候補だった貴女に傷をつけたくないだけの事。貴女の為ではなく、アルフレッドの今後の為。おわかり?』
‥
『‥はい。』
ソフィア嬢はリデュアンネに頭を下げカーテシーをする。
ソフィア嬢はアルフレッドのエスコートなしにひとりで部屋を出て行った。
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