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パズルのピース

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夜会に戻ると、宮廷楽団が美しい音を奏でている。
見渡すと、社交をする者、令嬢同士おしゃべりに花を咲かせる者、婚約者とダンスを楽しむ者‥

居た。アンドレ様。
意外にも彼も私を探して居たかのように、こちらに歩みを進めてくる。私の前まで来るとにっこりと微笑みながら
『一曲お願いできますでしょうか?』

私は喜んで♫と叫ぶのを堪えて、淑女の微笑みで応えた。

スマートな所作でダンスに入ると、二人の距離は物理的に近くなる。令嬢がキュンキュンする距離であるが、今の私は、人に聞かれたらまずい話をするにはちょうど良い距離である。

『リデュアンネ様、進捗はいかがですか?』
と耳元でささやく。

『婚約者様より聞いておりませんか?』

敢えてとぼけてやる。すでにサマンサ様は婚約者ではないと知っているが、ここは敢えてサマンサ様が婚約者で通してみる。

『ああ、聞いています。追加が必要ですか?必要ならお帰りになる前にご用意しますが』


『そうね、あれ効果ございますの?私にはよくわかりませんが、言われた通り毎日盛ってますわ。

所で先程アルフレッド殿下とお話ししましたが、今回の事についてご存知でない様でしたが‥』

敢えて私はまだアルフレッド殿下に気持ちがある様に話す。

明らかに動揺を隠せないアンドレ様は
『話したのか?』

もはや、敬語が取れているわ(笑)
はい、了解。

今回はここまでね。アルフレッド殿下の関与が無いと分かれば上等。にしても二人揃って雑魚だわ。

まずは真相のバズルの1ピースを得た私は会場をぐるりと見渡し、殿下が他国の王太子と話されているので、夜風に当たる為テラスに出て一息を付いた。

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