どちらの王妃でも問題ありません【完】

招待状

あれから、何も変わらない日常が流れている。夢でも見ていたかのように。

そんな中、西国から王太子であるアルフレッド殿下と聖女のクラウディア様の結婚式の招待状が我が国に届いた。当然と言えば当然の事。

政略で結ばれるはずだった私は、特段感情の揺れはなかったものの、周囲の痛い眼差しの方が辛かった。


こちらの結婚式は簡素なものであったが、おそらく西国から招待状が届いたと言う事はあちらの式は盛大に繰り広げられるのであろう。

同じ公爵令嬢ということで、幼い頃から歳も近いクラウディア様々とは嫌でも比べられていた。彼女は人一倍負けず嫌いであった。そのため王太子妃に私が選ばれた際には、嫌がらせも半端なかった。

何が辛いかって、お二人の結婚よりもクラウディア様とお会いするのが一番辛いわ‥




あれから3ヶ月。
執務に追われる日々はあっという間に過ぎ、私は東国に嫁いだあの日から初めて再び西国の地を踏むこととなった。