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ロマニア王国へ
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ロマニア王国での挙式の準備に追われる各国の侍従たちが迎賓館を走り回りてんやわんやとなっている時、一足早く会場に入るメープル王国を迎える馬車が迎賓館に到着した。
「ようこそいらっしゃいました。」
迎えに現れたのはフレディックである。レイモンドは久々となる再会に笑顔で応えるとヴィクトリアの手を取りアレクセイが現れた。
ヴィクトリアもフレディックを見ると小さく微笑み
「お迎えありがとうございます。」
フレディックは目を丸くし少し固まりながらアレクセイとレイモンドに視線を泳がせながら
「こちらこそ遠い中ありがとうございます。」
馬車の扉を開きながら失礼ながらヴィクトリアを上から下まで見渡した。
…え?路線変更か?
驚きながらアレクセイとヴィクトリアを馬車に乗せると静かにその扉を閉めレイモンドを見るとレイモンドは苦笑いを浮かべている。
…何?何?それじゃわからんけども!
フレディックは後ろ髪を引かれるように宮殿へと戻って行った。
それもそのはずヴィクトリアは侍女のミランに以前までのドレスは手直しするか処分するかにし全て今のヴィクトリアすなわち麻子の好みへと入れ替えをさせている。正確には麻子の好みというわけではなく、王太子妃として気品を演出するドレスへの拘りに徹底されていた。
この時代に生まれながら存在していたわけではない今のヴィクトリアにとってこの拘りは生き抜く術であるのは間違いない。生活習慣の異なる世界で生きるヴィクトリアは今や見てくれだけは完璧な王太子妃である。
各国が集う夜会。
嫌な予感しかしないレイモンドはレオンを呼び止め自らかヴィクトリアを出迎えに向かう。
…今度こそは。
未然に防げるものは防いでおかなければ。金銀財宝をジャラジャラ付けた王太子妃などメープル王国の恥さらしである。体調不良など何とでも言える。レイモンドはヴィクトリアを捕獲に向かうもそれは取越苦労で終わることになる。
!
扉を開くとレイモンドの目に映るヴィクトリアはダスティピンクのマーメイドドレスにアクセサリーは首元に小さなパールが一つ。
…品がある!
ヴィクトリアは派手に着飾り派手なメイクが代名詞であったはずが、記憶喪失後は何やら好みが変わったのか別人なように映る。確かに顔立ちはハッキリとしているヴィクトリアだがこのようなナチュラルメイクに品位溢れるドレス。ヘアスタイルはハーフアップに纏められここにも小さなパールが散りばめられている。
…て、天使?
レイモンドはしばらく見惚れながらもハッと我に返ると
「妃殿下、お時間です。今回の夜会は多国言語が入り交じる会でございます。不用意な発言は控えわからなければ口を閉ざし殿下の隣で微笑んでいてください。よろしいですね?」
レイモンドの忠告にヴィクトリアは黙って微笑んでいる。
…いやいや黙って微笑むのは今じゃねえけどな?
レイモンドは頭を抱えヴィクトリアの手を取りアレクセイの待つ控え室へ向かった。
「ようこそいらっしゃいました。」
迎えに現れたのはフレディックである。レイモンドは久々となる再会に笑顔で応えるとヴィクトリアの手を取りアレクセイが現れた。
ヴィクトリアもフレディックを見ると小さく微笑み
「お迎えありがとうございます。」
フレディックは目を丸くし少し固まりながらアレクセイとレイモンドに視線を泳がせながら
「こちらこそ遠い中ありがとうございます。」
馬車の扉を開きながら失礼ながらヴィクトリアを上から下まで見渡した。
…え?路線変更か?
驚きながらアレクセイとヴィクトリアを馬車に乗せると静かにその扉を閉めレイモンドを見るとレイモンドは苦笑いを浮かべている。
…何?何?それじゃわからんけども!
フレディックは後ろ髪を引かれるように宮殿へと戻って行った。
それもそのはずヴィクトリアは侍女のミランに以前までのドレスは手直しするか処分するかにし全て今のヴィクトリアすなわち麻子の好みへと入れ替えをさせている。正確には麻子の好みというわけではなく、王太子妃として気品を演出するドレスへの拘りに徹底されていた。
この時代に生まれながら存在していたわけではない今のヴィクトリアにとってこの拘りは生き抜く術であるのは間違いない。生活習慣の異なる世界で生きるヴィクトリアは今や見てくれだけは完璧な王太子妃である。
各国が集う夜会。
嫌な予感しかしないレイモンドはレオンを呼び止め自らかヴィクトリアを出迎えに向かう。
…今度こそは。
未然に防げるものは防いでおかなければ。金銀財宝をジャラジャラ付けた王太子妃などメープル王国の恥さらしである。体調不良など何とでも言える。レイモンドはヴィクトリアを捕獲に向かうもそれは取越苦労で終わることになる。
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扉を開くとレイモンドの目に映るヴィクトリアはダスティピンクのマーメイドドレスにアクセサリーは首元に小さなパールが一つ。
…品がある!
ヴィクトリアは派手に着飾り派手なメイクが代名詞であったはずが、記憶喪失後は何やら好みが変わったのか別人なように映る。確かに顔立ちはハッキリとしているヴィクトリアだがこのようなナチュラルメイクに品位溢れるドレス。ヘアスタイルはハーフアップに纏められここにも小さなパールが散りばめられている。
…て、天使?
レイモンドはしばらく見惚れながらもハッと我に返ると
「妃殿下、お時間です。今回の夜会は多国言語が入り交じる会でございます。不用意な発言は控えわからなければ口を閉ざし殿下の隣で微笑んでいてください。よろしいですね?」
レイモンドの忠告にヴィクトリアは黙って微笑んでいる。
…いやいや黙って微笑むのは今じゃねえけどな?
レイモンドは頭を抱えヴィクトリアの手を取りアレクセイの待つ控え室へ向かった。
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