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リントン王国

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リントン王国には2人の王女が居る。

第1王女のイザベラは側妃の産んだ王女である。側妃に似て絶世の美女との呼び名を大陸に轟かせている。その容姿だけでなく、完璧なまでの淑女であり、大王国の王妃となるは当然であった。
 

一方の正妃の産んだ第2王女エマニュエルは容姿こそ正妃に良く似て大きな瞳が特徴的な可愛らしい王女であったが正妃の方針により伸び伸びと育てられた自由奔放な王女である。


『イザベラに続きエマニュエルまで立て続けにここを出ていくなど、寂しくなるな。』

国王であるミカエルが好物のクッキーを頬張りながら嘆いていると

『ですが父上、リントン王国王女が揃って大王国の王太子妃となるのです。お喜びするべき所ですよ』

諭すのは第1王子のミハエル。ちなみにこちらは正妃の産んだ王子である。







広い廊下をゾロゾロとお付きの者を引き連れて歩くはイザベラ。華やかなドレスに身を包み、真っ直ぐと伸びた背筋。王太子妃となるにふさわしい威厳。

その前方からはこれまたお付きの者をゾロゾロと引き連れ、泥だらけの衣服に身を包むエマニュエル。
仕える主は違えど侍女たちの質は同じ。


エマニュエルが部屋に入るやいなやベルトランは溜息を付きながら


『同じ王女でここまで違うとは‥』

呆れた眼差しを向けられたエマニュエルは


『あら、お姉様の方がよろしければ自らあちらへ行けばよいわ!』

‥。


『耳だけはよろしいようで』

ベルトランは嫌味をぶっ込みエマニュエルに諭すように話す。


『姫、よろしいですか?来週にはラダン大王国に向かわれるのですよ?もっとこちらでやり残した事などごさいませんか?』


エマニュエルは頭を巡らせ

『無いわね。ってか来週なの?』


ベルトランはズッコケそうになりながらも

『何度も申し上げております!ラダン大王国ですよ?とんだ玉の輿ですよ?良いですか?1年、1年は辛抱して下さいね。』



‥私は出戻り確定かい?


『分かってるわ!でも帰れと言われたら仕方ないわよ?』


ベルトランは溜息を付きながら

『だから1年だけ猫を被って頑張って来て下さいと申しております。』


‥猫ねぇ。


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