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第三章

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「集まったな。ん?レイン、荷物が多い、置いていけ」
「えっ!?団長に淹れて差し上げるための茶葉に、団長お気に入りのおつまみ。それと、エリアスとアルバートと共によく飲んでいたワイン数本。どれも持って行きたいのですが?」
「・・・・・・・スイの事を考えてくれているのは有り難いが、我は『次元』を繋げる為に力を使う。荷物が多ければそれにも使用せねばならん。そうすると上手く事が運ぶかどうか・・・・・・・」
「っ!!!わ、ワインだけに致します!!!」
レインはさささと素早く鞄にワインだけを残し、シュタンと青龍殿の横に並んでいる。
「はは、レインは本当にあの子が好きなのだな」
「ええ、ええ!!!大好きです!エリアスとは違う意味ですけど、大好きです!!!」
「ふはははっ!お前があいつの副官でよかったよ」
「っ!へへ、有り難うございます」
子供のように頭を撫でられ、それを喜び、頬をピンクに染め、モジモジとする姿はもうすぐ三十路を迎える人間なのだろうかと思われるくらい、可憐だった。
私だけがそう思ったわけではない、現にエリアスなど鼻血を垂らしている。
全く・・・・・・・・・・・

羨ましい!!!

あんな姿、ぜーーーーーーーーーーーーーーーーーーーたいにスイは見せてくれはしないだろう。
可憐な姿なんて。
あ、想像すると少し気持ち悪いかも?
「おい、ジオルド、スイに失礼な考えをしていたら、首から上を刎ねるぞ?」
「ひっ!!す、すみません!!滅相もない!!」
怖いっ!
本当に青龍殿の目が据わっておられました。

「『次元』を繋げるとそこの壁に渦状の漆黒な円形が現われる。その中を通って行くぞ」
「「「「「「はいっ!」」」」」」
青龍殿が何かを呟くと、空気がキーンと一瞬凍り、渦巻きに吸い込まれるように私たちはその中に入っていった。
いや、吸い込まれたのだ、実際に!!
青龍殿の「通って行くぞ」という言葉は異空間を「歩く」という意味だと思っていたのだが、甘かった。
突風という追い風によって身体の自由は奪われて、何処吹く風という言葉が相応しいくらいに勝手に流されていく。
少々痛く感じるくらいの風によって・・・・・・・・


辿り着いた先は、明るい部屋の上空でした!!!
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