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第二章

32.ヌく※

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目が覚めた途端、「「スイッ!!」」という大きな声と共にガバリと抱きつかれた。
「ん??な、なに?どした?」
「君がアルバートに抱っこされて戻ってきて、嫉妬してないとでも思ってるの!?」
「君があんな技を披露するなら、傍にいるのが俺たちじゃないのはおかしいだろう!?」
二人の愛溢れる声音がとても心地よい。
「うん、ごめん」
二人の頭を優しく撫でると、スリスリと首筋に頭をすり寄せてくる。
猫かっ!と問いたいくらいだ。
「今、何時頃?俺どれくらい寝てた?」
「ああ、通常なら夕食後くらいの時間だ」
「通常?食べてないのか?」
「収集がつかなくてね。まだ、街中で揉めている最中だよ」
深い紺色に、明るく光る松明が夜の街に映えているが、決して良い意味ではない。
「交代で休憩することになったんだ」
「スイ、食べられるようなら一緒に食べよう」
「食べる!腹が減って死にそう!!」
「ははは。今は漁場が動いているそうだから、魚料理を沢山作ってくれるってさ」
「ひゃっほーーーーーーーーーーーっ!!!」
ベッドから足を降ろすと、生足でした。
「へっ・・・・・・・・」
「「あ・・・・・・・・・」」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・見た?」
「「見ました・・・・・・」」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
室内が静寂に襲われる。
ま、うん、俺が悪い?のかもしれないけど。
否、悪くない!

「だって!!普通の下着がなかったんだよっ!!」

そう、俺が今身につけている下着は黒のレースの紐パンです!キラリン☆
ポーズをつけて言ってやりたいわ!
殿下の部屋から出るとき、食われる前に穿いていた下着は洗濯に出されていて、穿く物がランジェリーしかなかったのだ!
仕方ないじゃないかっ!
「で、でもな、スイ!その下着で任務を熟してくれていると思うと、私は仕事に打ち込めるぞ!」
「そ、そうだぞ!仕事終わりに良いことがあると想像するだけで、気合いが入って、いつも以上に仕事に熱が入るぞ!」
「・・・・・・・・なら、いい・・・・・・。仕事中に勃起するようなことがあったら、その下半身ちょん切るからなっ!」
「「ぐっ!!!善処いたします・・・」」
「で、でも・・・・・・・騎士服の下にこんな淫らな下着着けてるの嫌じゃないのか?」
「「全く!!逆に萌えます!!!」」
「あ、さいですか・・・・・じゃ、うん。殿下たちの仕事の進捗のために、穿いてあげる!」
「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」
と、狂乱声を発し、抱きつかれる。
「うん!ありがとう!!」
「頑張るぞ、俺たち!!」
「はいはい」
ふと殿下たちの股間を見ると、形が判るくらい大きく育ってしまっている。
だけど、『今の俺』にはまだ副作用が出ていない。
というか、実は『ある術』を発動しているため、副作用が起きないようだ。
この術を解除したら『やばいんだろうな~~』というくらいの理解はある。
だから、今の俺は特に『精』を必要としていないのだけど、こうまで見せつけられると・・・・・・。
ジーと二人のジッパーを降ろすと、慌てた二人の声が俺の頭頂部に堕ちてくるが、そんなのは無視で、まずジオルドのを口に含み、ジルのを手で扱く。
「ん・・・・・ふ・・・・・・・ん・・・・・」
「くっ・・・スイッ!」
「今しなくていいからっ!!」
と、必死に止めさせようとするが、口に含んだジオルドの分身を軽く噛み、ジルのは先端の孔にツプリと爪を立てると、二人とも感じ入った『ぅんっ!!』という声を漏らし、抵抗を諦めてくれたのだ。
今性欲がないと思っていた俺だけど、精液が美味く感じる。つまり、今は『後ろ』にはいらないと俺の特殊能力が言うけども、実際は『精』を求めているんだと、二人を求めているんだと俺は思う。
「ふ・・・・ん・・・・・ジオルド、いい?」
「あ、ああっ」
「ジルは?」
「くっ!いいからっ!もっと強く握ってくれ」
「んっ!」
二人の艶の入る声が俺の『欲』を掛け立てる。二人のソレを掴み、一片に口で奉仕する。
舐めて、吸って、孔を虐めて・・・・・・。
苦くて、青臭い精液がトロリと口の中を汚すが、それが甘く感じてしまうくらい『精』に酔っている。のにっ!俺のモノは反応を示さない。
そして、後ろにも『挿入して欲しい』という欲求がわかない。
ある意味で辛くて、拷問だ。
「スイ、もう出る!!」
「離せっ!」
「いいよ、口に出して?」
ジュ~~と強く二人のを吸うと、熱くてとろみのある精液が吐き出され、俺の喉奥まで汚す。
「スイ、口の中見せて」
「ん・・・・・・」
顔を上げて二人に口の中を見せると、
「うわ、エロい!!!」
「ペッと吐き出して!」
ジルが俺の顎に手をやるも、俺は口を噤みゴクリと飲み干す。
「「っ!!!!!!!」」
「さて、腹ごしらえしますかっ!」
俺はベッドから降りると、

「「先に歯を磨いてください」」

と、二人に請われました。



少し遅い夕食を食べていると、
「っ!!!来た」
「「スイ??」」
「悪い、俺はあの森に戻る」
席を立ち、そして、騎士服の上着をジルに渡す。
「スイ、どういうこと?」
ジルの『事情を言わないとこの場を離れさせられない』という『主』の目が俺に刺さる。
仕方なく、俺は説明をする。

「今、俺はあの森に侵入者を察知する術を発動している状態だ。あの森をあんな状態にした人物が数刻のうちにやってくると思ったから」
「それは『人為的に起きたこと』と断言できるからだな?」
「ああ、そうだ。そして、あの瘴気に耐えられる人間となれば、多分俺と同種の力を持っている」
俺と同種となるとこの世界ではかなりレアな存在であろう。
俺のこの力はこっちの世界にはありえない代物だ。そして、それなりの場数を踏まなければ得られない能力。
特殊人間な俺だから、人間兵器として育てられた俺だから与えられた能力。
実際、生きていた俺の国では俺を含め4人だけだった。
その中でも俺は特殊だったのだ。
だが、この世界に俺と似た力を持つ人間がいる。『瘴気に抗える』肉体を持つ人間が。
殿下たちでも抗えない『瘴気』にだ。
つまり、
「俺一人で行ってくる」
「私たちも・・・・・いや、足手まといなのだな?」
「そういうことだ、今回は特に・・・・・俺が変わるから・・・・・・」
「「スイ???」」
「・・・・・・・・行ってくる」

二人をその場に残し、俺は窓から青龍に乗ってあの森を目指した。
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