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第二章
25.行きたいお店
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休日
「で、スイの行きたい場所ってどこだ?」
俺は二人と手を繋いで、高級商店が連なる街中へと繰り出した。
俺が求めている物はこういう『場所』にしか、売っていないのだ。
高くて、庶民では手が出せないんだって。
でも、俺はこの国に来て、一生一人では遣えきれない程の報償を戴いたから、ちょっと、いや、かなり奮発して、そして、頑張るっ!!!
俺たちの左の薬指にはお揃いのリングが嵌められていて、とても満足だ。
そして、今日は俺からプレゼントを考えている。
彼らが喜んでくれるだろう、プレゼント!
「着いたよっ!」
俺が二人を案内したのは、男性用のランジェリーショップ。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ?」」
いや、「は?」じゃねーよっ!喜べよっ!
「いらっしゃいませ。あら、ジオルド殿下にジルフォード殿下、お久しぶりでございます。あら、こちらの方が殿下方のご伴侶様でございますか?」
「あ、ああ、そうだが、スイ?」
「二人とも来たことあったの?」
「あ、その、あの下着、ここで・・・・・・・」
「ふ~~ん。ま、いいやっ!今日はね、二人が俺を伴侶にしてくれたじゃん?リングくれたじゃん?だから俺からのお返し?俺に着て欲しい下着あったら言って?た、多少、む、無茶でも頑張るからっ!!」
「「っ!!!!!!!!!!」」
「なら、これとこれとっ!」
「おい、ジオルドっ!そっちの色じゃなくて、こっちの方が良くないか!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」(←店員)
目が血走っている殿下たち。
店にある種類、全部買い占める気か?と思うくらい凄い勢いで籠に入れていく。
支払い俺なんだけど・・・・・・・。
ま、いいけど。
でも、まだ着てもいないのに、ここまで喜んで貰えて、すんごく満足!!!
ん?あ、あれ・・・・・・・・
俺は店の奥でチラリと見えた白い生地。
「あの店主、すみません。あれを見せて貰っても良いですか?」
「いいですが、少し時間を貰っても良いですか?あと、1時間ほどでできあがるので」
「ええ、構いません。あの~~~」
店主の耳に「あれって殿下たちのサイズに合いますか?」と聞くと、
「ええ、もちろん!今は白を作っていますが、対となる『黒』は既に出来上がっていますよ!」
「それ、両方とも購入で!」
「ありがとうございます!!!」
そして、こそっと店主が「高級ローションサービスしておきます」だって!
ううう、恥ずかしぃぃぃぃいいぃっ!
「スイ、着て欲しいのがありすぎて選べない!」
ドンっ!
「本当に品だけでなく、色も多彩にあるから迷ってしまう!」
ドドン!!
「・・・・・・・・・・・・少しは自重しろ」
呆れて、思考が停止しました。
「スイレン様、お包みするまで暫く時間がかかるため、外でお食事でもしていらしてください。こちら突き当たりにございますホテルのレストランの招待券です。ゆったりとランチをお過ごしくださいませ」
「ありがとう。また、後で来るから、先に支払いを頼むよ」
「待て、スイ!ここは私たちが出そう!」
「そうだぞ!スイが私たちのために着てくれるんだ!これは私たちが支払いをすべきだ!」
と、レジに置いている籠を見ると、俺の言葉で自重してくれたらしく、籠一つ分だけにしてくれた。
あんなに着れないし、流行もあるだろうし、よかったのはよかったのだけど、支払いは俺が・・・・・・
「で、でもっ!う、わかったよ」
二人は引きそうになくて、俺は渋々引き下がったように見せて、店主に、あの2着は俺が支払う旨を伝えた。店主は優しい笑みで「ええ、畏まりました」と。
店主まで喜んでいる。
ま、これだけのお買い上げだから当然か・・・・・・・。
金額は、想像にお任せ致します。
「ほ~~~ここのレストランは野菜が多いな」
「騎士団の食堂も増やして貰おうぜ?俺、食える物少ないんだけど」
「スイはそうだろうね、こちらの世界の肉をあまり食さないから」
「だってさ、脂っこい!食えるかっ!」
「ジオルドたちは平気で食べるけどな。俺もあまり好んでは食べないな。胃がもたれる」
「ジルは身体が弱かったからだよ。ま、大人になってからあの味付けは、胃には堪えるだろうね」
「と、思うならお前も野菜中心生活にしろよ。脂ぎったおっさんになって、スイに嫌われてもしらんぞ」
「げっ!それは嫌だな~~~」
「脂ぎったジオルドに抱かれたくないからな!」
「野菜中心にするよう、努力するよ・・・・・」
色とりどりの野菜を目にして、俺とジルは目を輝かせているのとは対象に、ジオルドは少し悄げている。その様子はとても
「可愛いっ!」
と、つい言葉にしてしまったくらいだ。
「スイに可愛いって言われると、何だか複雑だね・・・・・・・」
その困った顔だって、可愛いのに!!
俺たちの会話に小さく混じる声が、いろんな所から聞こえてくる。
『ね~あの方々って、ジオルド殿下とジルフォード殿下でしょ?』
『何故、街に来られているのかしら?』
『殿下たちと同席されている方って、もしかして新しく叙勲された第四騎士団の・・・』
『そうよっ!スイレン団長よっ!うわ~可愛い!』
『え、格好いいじゃないの?』
『どっちもでしょっ!あんなに細い身体なのに、すんごいお強いんですって』
『歴代最高の実力者なんでしょ?あの服の下は、きっとすごく綺麗な筋肉がついているのだわっ!』
『それよりも、どういうご関係なのかしら、殿下たちと?お忍びみたいのようですし』
『あら、ご存じありませんの?殿下方はご結婚されたのですよ、スイレン団長と』
『『『『『えええええええええええええええええっ!!!!!』』』』』
もう最後の驚きの声だけは、忍んでいませんでしたね。
レストラン内に響く嬌声。そう、嬌声なのだ!
怒号とかではなくて、艶やかな叫びなのだ。
もうこの国『腐』が多すぎだろう。
『は~~~ん、妄想するだけで涎が出るわ~』
『そうよね~~~、王妃様がこのような妄想をお許しになられたおかげで、潤いのなかった私たちの生活が一変したわよね~』
『ほんと、王妃様万歳よね!今のフィルハート帝国って、他国と違って自由で、本当に素晴らしい国よね~』
『ええ、国王様筆頭に王族の方々は、第一に国民の事をよく考えてくださって、本当に有り難いわよね~』
『騎士の方々もとても礼儀正しくて、素敵よね!』
いつの間にか帝国を褒めちぎる話へと変更していった。
「よかったな、殿下たち。国民にあんな風に思われていて」
「ああ、嬉しく思うよ。ただ、慢心はできない」
「そうだ。毎日が闘いで、日々立ち向かわなければならない問題が目の前にあるのだから、褒め言葉に現を抜かしてしまうことは絶対に避けねばならない」
「ん、それでいい。それだから、皆に慕われるんだよ、この国は」
「「ああ、これからも頑張れる」」
『腐』の考えを広めたのは王妃様だったのは意外だが、それを国民が受け入れ、生活が満たされているのならば良いことなのだろう。
『腐』内容から『国のよき所』を聞けたことは、大収穫だった。
「殿下、スイレン様お帰りなさいませ。お包みし終えまして、すでに宮殿にお運び致しました」
「「「えっ!?」」」
「かなりの大荷物になります故、持ち運ぶことは困難と判断致しましたので」
「あ、ありがとうございます」
親切心から運んでくれたのだろうが、ここの店の梱包をもし王妃様方が見てしまったら、どんな妄想をされるのか・・・・・・・。
あ、心配しなくても、常に妄想されているのだから、気にしなくて良いのか。
「じゃ、ゆっくり帰るか」
「そうだな」
「では、また来る」
「ええ、またのお越しをお待ちしております」
扉を潜り、空を眺めると、雲一つない真っ青な空が俺たちを見つめている。
「まだ、夕方にもなっていないけど、帰るか?」
「母上たちに荷物を開けられる前に戻らないと!」
ゆっくり帰ると店主に言っておきながら、俺たちは猛ダッシュで帰らざるを得なくなったのだった。
で、やはり想像通りの事が起きていて・・・・・・・。
つまり、間に合わなかったのだ。
「ジオルド、ジルっ!これ、スイに着させる気!?」
「「母上・・・・・・・」」
「私も見たいわっ!スイのランジェリー姿!」
「・・・・・・・・いえ、ご遠慮願います・・・・・」
押し問答が数分続き、漸く解放された頃には第一殿下たちまで集まって、下着の品評会が開催されていた。
俺たちは回収できる下着を持って、そそくさとその場を離れたのだった。
俺たちがその場から離れたことなど、全く気付いていないのだろう、白熱した討論会が廊下まで聞こえてくる。
「恥ずかしいのだけど・・・・・・」
「残された下着、どうなるんだろうな」
「・・・・・・母上たちの妄想資料にでもなるんじゃないのか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「「「は~~~~~~~~~~」」」
一先ず、ジオルド殿下の部屋に戻り、買ってきた下着類を取り出す。
「・・・・・・・・・・・可愛いのばかりだけど、俺、着れるのか?」
「大丈夫っ!絶対、スイには似合う!」
「そうだぞ!その細い裸体に、レースがふんだんに使用されたこの様なランジェリーは、とてもスイの身体に映える!」
「・・・・・・・そうですか・・・・・・・。どれでもいいや。早速今日、着ようか?」
「「っ!!!!!」」
ゴクリと喉を鳴らす音が届く。
そして、二人で必死に選び出したのだ、今日の俺のコーディネートを。
その間に俺は風呂にゆっくり入ってくるか。
まだ、早い時間だけど、晩ご飯食べる気力がないので、さっさとコトにおよんだ方がゆっくりと寝られると踏んだからだ。
だが、それの考えはとても浅はかで、二人に吹き飛ばされるとは、この時点では思いもしなかった。
「で、スイの行きたい場所ってどこだ?」
俺は二人と手を繋いで、高級商店が連なる街中へと繰り出した。
俺が求めている物はこういう『場所』にしか、売っていないのだ。
高くて、庶民では手が出せないんだって。
でも、俺はこの国に来て、一生一人では遣えきれない程の報償を戴いたから、ちょっと、いや、かなり奮発して、そして、頑張るっ!!!
俺たちの左の薬指にはお揃いのリングが嵌められていて、とても満足だ。
そして、今日は俺からプレゼントを考えている。
彼らが喜んでくれるだろう、プレゼント!
「着いたよっ!」
俺が二人を案内したのは、男性用のランジェリーショップ。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ?」」
いや、「は?」じゃねーよっ!喜べよっ!
「いらっしゃいませ。あら、ジオルド殿下にジルフォード殿下、お久しぶりでございます。あら、こちらの方が殿下方のご伴侶様でございますか?」
「あ、ああ、そうだが、スイ?」
「二人とも来たことあったの?」
「あ、その、あの下着、ここで・・・・・・・」
「ふ~~ん。ま、いいやっ!今日はね、二人が俺を伴侶にしてくれたじゃん?リングくれたじゃん?だから俺からのお返し?俺に着て欲しい下着あったら言って?た、多少、む、無茶でも頑張るからっ!!」
「「っ!!!!!!!!!!」」
「なら、これとこれとっ!」
「おい、ジオルドっ!そっちの色じゃなくて、こっちの方が良くないか!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」(←店員)
目が血走っている殿下たち。
店にある種類、全部買い占める気か?と思うくらい凄い勢いで籠に入れていく。
支払い俺なんだけど・・・・・・・。
ま、いいけど。
でも、まだ着てもいないのに、ここまで喜んで貰えて、すんごく満足!!!
ん?あ、あれ・・・・・・・・
俺は店の奥でチラリと見えた白い生地。
「あの店主、すみません。あれを見せて貰っても良いですか?」
「いいですが、少し時間を貰っても良いですか?あと、1時間ほどでできあがるので」
「ええ、構いません。あの~~~」
店主の耳に「あれって殿下たちのサイズに合いますか?」と聞くと、
「ええ、もちろん!今は白を作っていますが、対となる『黒』は既に出来上がっていますよ!」
「それ、両方とも購入で!」
「ありがとうございます!!!」
そして、こそっと店主が「高級ローションサービスしておきます」だって!
ううう、恥ずかしぃぃぃぃいいぃっ!
「スイ、着て欲しいのがありすぎて選べない!」
ドンっ!
「本当に品だけでなく、色も多彩にあるから迷ってしまう!」
ドドン!!
「・・・・・・・・・・・・少しは自重しろ」
呆れて、思考が停止しました。
「スイレン様、お包みするまで暫く時間がかかるため、外でお食事でもしていらしてください。こちら突き当たりにございますホテルのレストランの招待券です。ゆったりとランチをお過ごしくださいませ」
「ありがとう。また、後で来るから、先に支払いを頼むよ」
「待て、スイ!ここは私たちが出そう!」
「そうだぞ!スイが私たちのために着てくれるんだ!これは私たちが支払いをすべきだ!」
と、レジに置いている籠を見ると、俺の言葉で自重してくれたらしく、籠一つ分だけにしてくれた。
あんなに着れないし、流行もあるだろうし、よかったのはよかったのだけど、支払いは俺が・・・・・・
「で、でもっ!う、わかったよ」
二人は引きそうになくて、俺は渋々引き下がったように見せて、店主に、あの2着は俺が支払う旨を伝えた。店主は優しい笑みで「ええ、畏まりました」と。
店主まで喜んでいる。
ま、これだけのお買い上げだから当然か・・・・・・・。
金額は、想像にお任せ致します。
「ほ~~~ここのレストランは野菜が多いな」
「騎士団の食堂も増やして貰おうぜ?俺、食える物少ないんだけど」
「スイはそうだろうね、こちらの世界の肉をあまり食さないから」
「だってさ、脂っこい!食えるかっ!」
「ジオルドたちは平気で食べるけどな。俺もあまり好んでは食べないな。胃がもたれる」
「ジルは身体が弱かったからだよ。ま、大人になってからあの味付けは、胃には堪えるだろうね」
「と、思うならお前も野菜中心生活にしろよ。脂ぎったおっさんになって、スイに嫌われてもしらんぞ」
「げっ!それは嫌だな~~~」
「脂ぎったジオルドに抱かれたくないからな!」
「野菜中心にするよう、努力するよ・・・・・」
色とりどりの野菜を目にして、俺とジルは目を輝かせているのとは対象に、ジオルドは少し悄げている。その様子はとても
「可愛いっ!」
と、つい言葉にしてしまったくらいだ。
「スイに可愛いって言われると、何だか複雑だね・・・・・・・」
その困った顔だって、可愛いのに!!
俺たちの会話に小さく混じる声が、いろんな所から聞こえてくる。
『ね~あの方々って、ジオルド殿下とジルフォード殿下でしょ?』
『何故、街に来られているのかしら?』
『殿下たちと同席されている方って、もしかして新しく叙勲された第四騎士団の・・・』
『そうよっ!スイレン団長よっ!うわ~可愛い!』
『え、格好いいじゃないの?』
『どっちもでしょっ!あんなに細い身体なのに、すんごいお強いんですって』
『歴代最高の実力者なんでしょ?あの服の下は、きっとすごく綺麗な筋肉がついているのだわっ!』
『それよりも、どういうご関係なのかしら、殿下たちと?お忍びみたいのようですし』
『あら、ご存じありませんの?殿下方はご結婚されたのですよ、スイレン団長と』
『『『『『えええええええええええええええええっ!!!!!』』』』』
もう最後の驚きの声だけは、忍んでいませんでしたね。
レストラン内に響く嬌声。そう、嬌声なのだ!
怒号とかではなくて、艶やかな叫びなのだ。
もうこの国『腐』が多すぎだろう。
『は~~~ん、妄想するだけで涎が出るわ~』
『そうよね~~~、王妃様がこのような妄想をお許しになられたおかげで、潤いのなかった私たちの生活が一変したわよね~』
『ほんと、王妃様万歳よね!今のフィルハート帝国って、他国と違って自由で、本当に素晴らしい国よね~』
『ええ、国王様筆頭に王族の方々は、第一に国民の事をよく考えてくださって、本当に有り難いわよね~』
『騎士の方々もとても礼儀正しくて、素敵よね!』
いつの間にか帝国を褒めちぎる話へと変更していった。
「よかったな、殿下たち。国民にあんな風に思われていて」
「ああ、嬉しく思うよ。ただ、慢心はできない」
「そうだ。毎日が闘いで、日々立ち向かわなければならない問題が目の前にあるのだから、褒め言葉に現を抜かしてしまうことは絶対に避けねばならない」
「ん、それでいい。それだから、皆に慕われるんだよ、この国は」
「「ああ、これからも頑張れる」」
『腐』の考えを広めたのは王妃様だったのは意外だが、それを国民が受け入れ、生活が満たされているのならば良いことなのだろう。
『腐』内容から『国のよき所』を聞けたことは、大収穫だった。
「殿下、スイレン様お帰りなさいませ。お包みし終えまして、すでに宮殿にお運び致しました」
「「「えっ!?」」」
「かなりの大荷物になります故、持ち運ぶことは困難と判断致しましたので」
「あ、ありがとうございます」
親切心から運んでくれたのだろうが、ここの店の梱包をもし王妃様方が見てしまったら、どんな妄想をされるのか・・・・・・・。
あ、心配しなくても、常に妄想されているのだから、気にしなくて良いのか。
「じゃ、ゆっくり帰るか」
「そうだな」
「では、また来る」
「ええ、またのお越しをお待ちしております」
扉を潜り、空を眺めると、雲一つない真っ青な空が俺たちを見つめている。
「まだ、夕方にもなっていないけど、帰るか?」
「母上たちに荷物を開けられる前に戻らないと!」
ゆっくり帰ると店主に言っておきながら、俺たちは猛ダッシュで帰らざるを得なくなったのだった。
で、やはり想像通りの事が起きていて・・・・・・・。
つまり、間に合わなかったのだ。
「ジオルド、ジルっ!これ、スイに着させる気!?」
「「母上・・・・・・・」」
「私も見たいわっ!スイのランジェリー姿!」
「・・・・・・・・いえ、ご遠慮願います・・・・・」
押し問答が数分続き、漸く解放された頃には第一殿下たちまで集まって、下着の品評会が開催されていた。
俺たちは回収できる下着を持って、そそくさとその場を離れたのだった。
俺たちがその場から離れたことなど、全く気付いていないのだろう、白熱した討論会が廊下まで聞こえてくる。
「恥ずかしいのだけど・・・・・・」
「残された下着、どうなるんだろうな」
「・・・・・・母上たちの妄想資料にでもなるんじゃないのか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「「「は~~~~~~~~~~」」」
一先ず、ジオルド殿下の部屋に戻り、買ってきた下着類を取り出す。
「・・・・・・・・・・・可愛いのばかりだけど、俺、着れるのか?」
「大丈夫っ!絶対、スイには似合う!」
「そうだぞ!その細い裸体に、レースがふんだんに使用されたこの様なランジェリーは、とてもスイの身体に映える!」
「・・・・・・・そうですか・・・・・・・。どれでもいいや。早速今日、着ようか?」
「「っ!!!!!」」
ゴクリと喉を鳴らす音が届く。
そして、二人で必死に選び出したのだ、今日の俺のコーディネートを。
その間に俺は風呂にゆっくり入ってくるか。
まだ、早い時間だけど、晩ご飯食べる気力がないので、さっさとコトにおよんだ方がゆっくりと寝られると踏んだからだ。
だが、それの考えはとても浅はかで、二人に吹き飛ばされるとは、この時点では思いもしなかった。
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