66 / 214
第二章
12.捕縛と監禁
しおりを挟む
「ここが教会だね」
「だな。見たまんまだけど、観光地化されてない?」
訪れる人を観察すると、巡拝や礼拝ではなく、観光客が多く見受けられる。
中に入ると、荘厳なステンドグラスに迎え入れられ、ゴスペルでこちらの賛美歌であろう美しい歌声が俺たちを歓迎しているようだ。
しかし、そこに子供たちの姿を見ることはできない。
ただ、慎みの衣装のはずが多少値の張る生地で出来ていることに疑問を禁じ得なく、ジオルドも同意見のようだった。
そして、この教会の司祭らしき人物が前に出て教えを説いているが、全く頭に入ることもなく、ただでっぷりとした無駄遣い野郎としかその人物に感想を持てなかった。
つまり、こいつの衣装はギンギンギラギラでとても神に仕えるには烏滸がましい佇まいだったのだ。
「完璧に横領しているね」
「だな~~~。帝都の経理課は何しているんだ?」
「ははは・・・・・・面目ない」
俺たちは遠慮無くズカズカと内部に侵入していく。
「き、金色のマントにサッシュ!ということは、第三王子ジオルド・フィルハート殿下!?」
「その後ろにいるのは、黒のマントでエギュレットということは第四王子ジルフォード殿下の騎士団長様!?」
マントの他にサッシュとエギュレットのことを取り上げた者たちは、このフィルハート帝国の序列については学んでいるようだ。
「こ、この様な場所に何かご用でしょうか、ジオルド殿下?」
司祭は脂まみれの汗を拭きながら俺たちに寄ってくる。
何か、臭い・・・・・・・・。
「うっ・・・・・」
ジオルドなんて、つい口に出てしまっている。
あとで、説教かな?
「ここの教会は孤児の預かりをしているのか?」
少し顔を歪めながら問いかけるジオルドも格好いい!!!と思うのは俺だけだろうか?
「えっ!あ、もちろんです!国家から戴いている予算で「では、会わせて貰おうか?」
「っ!!!お、お待ち、い、今は孤児はいな「訳はないよな?」
「ひっ!!!」
司祭の表情が一気に青ざめ、脂汗から冷え汗に変わり、ブルブルとみっともなく身体を震わせるため、弛んだ脂肪がブルンブルンと振られている。
一体どんな表情をしているのか気になるけど、見たらジオルドに怒られそうなので我慢!!
「スイ、司祭及び逃げようとしている教会の人間を捕えよ!」
「はっ!殿下の仰せのままに」
天与全奪
吉相体の印が現われ、俺が標的とする人物に同じ印が刻まれそして木の蔓で拘束する。
「スイ、ここにいるので全員か?」
「いえ、気配を探ったところ、廊下に2名、別室に5名怪しい者がいたため拘束しております」
「あい、わかった。皆の者、迷惑をかけた!純粋に礼拝に訪れている者もいただろう!旅行で参拝している者もいるであろう。大変に申し訳ない。一先ず、片を付けたため、各々の願いを祈って欲しい。神に感謝の意を伝えて欲しい!!今日一日が良いことである事を切に願う」
俺は術で捕えた者たち約10名をズルズルと引きずって外に放り投げる。
と、そこには騒ぎを聞きつけたジルフォードたちがいて、皆一様に「「「「「は~~~~」」」」」と大きな溜息をつきやがられました。
「勝手に行動するな!誰が事後処理をすると思っているんだ!」
「えっ!?俺の心配はないわけ?」
「スイの心配は元より必要ない!!」
えええええええええええええええっ!!!
とは、思わない。
だって、心配されても俺より上手くやる人間なんてそうそういないからだ。
「ジ・オ・ル・ド兄上っ!!!!」
「ひっ!ジルっ!ちょ、こわっ!」
「スイを勝手に巻き込むなんて、伴侶としてどうかと私は思いますが!?」
「うわーーーーー!ジルがまじで怒ってる!!」
「で?」
「ごめんなさい。つい、答えに辿り着いたら、居ても立ってもいられなくて」
「そうですか。では、事後処理は俺ジルフォードに任せて貰いますね。スイも反論は許さない」
「「はい・・・・・・・」」
と、いうことで俺とジオルドはホテルに監禁されました。
「で!貴方たち二人は何をしでかしてくださったんですかっ!全く!」
「「すみません」」
「ジオルド殿下を怒る私たちの身にもなってください!!」
「はい、すみません」
何故かレインが大激怒。
というのも、書類整備をこの現場でまともにできるのがアシュレイ兄弟だけで、それ以外はポンコツ。
誰もアシュレイ兄弟に逆らえません。
「スイ団長もノリノリで技を披露しないでください!」
「ノリノリって・・・・・・」
「見ていた民がかなり感激されていて・・・・・正直手に負えません!」
「あ、そっち・・・・・・」
「とりあえず!殿下とスイ団長は明日もホテルに監禁です!!!」
「「えええええええええええええええええええっ!!!」」
容赦ないな、アシュレイ兄弟。
「ジルフォード殿下は自由ですけど、どうされます?」
「スイたちと元々一緒に過ごす予定だったから、二人を監視しておくよ」
「あ~それがいいですね!二人にすると何をしでかすか・・・」
「「おい」」
「だな。見たまんまだけど、観光地化されてない?」
訪れる人を観察すると、巡拝や礼拝ではなく、観光客が多く見受けられる。
中に入ると、荘厳なステンドグラスに迎え入れられ、ゴスペルでこちらの賛美歌であろう美しい歌声が俺たちを歓迎しているようだ。
しかし、そこに子供たちの姿を見ることはできない。
ただ、慎みの衣装のはずが多少値の張る生地で出来ていることに疑問を禁じ得なく、ジオルドも同意見のようだった。
そして、この教会の司祭らしき人物が前に出て教えを説いているが、全く頭に入ることもなく、ただでっぷりとした無駄遣い野郎としかその人物に感想を持てなかった。
つまり、こいつの衣装はギンギンギラギラでとても神に仕えるには烏滸がましい佇まいだったのだ。
「完璧に横領しているね」
「だな~~~。帝都の経理課は何しているんだ?」
「ははは・・・・・・面目ない」
俺たちは遠慮無くズカズカと内部に侵入していく。
「き、金色のマントにサッシュ!ということは、第三王子ジオルド・フィルハート殿下!?」
「その後ろにいるのは、黒のマントでエギュレットということは第四王子ジルフォード殿下の騎士団長様!?」
マントの他にサッシュとエギュレットのことを取り上げた者たちは、このフィルハート帝国の序列については学んでいるようだ。
「こ、この様な場所に何かご用でしょうか、ジオルド殿下?」
司祭は脂まみれの汗を拭きながら俺たちに寄ってくる。
何か、臭い・・・・・・・・。
「うっ・・・・・」
ジオルドなんて、つい口に出てしまっている。
あとで、説教かな?
「ここの教会は孤児の預かりをしているのか?」
少し顔を歪めながら問いかけるジオルドも格好いい!!!と思うのは俺だけだろうか?
「えっ!あ、もちろんです!国家から戴いている予算で「では、会わせて貰おうか?」
「っ!!!お、お待ち、い、今は孤児はいな「訳はないよな?」
「ひっ!!!」
司祭の表情が一気に青ざめ、脂汗から冷え汗に変わり、ブルブルとみっともなく身体を震わせるため、弛んだ脂肪がブルンブルンと振られている。
一体どんな表情をしているのか気になるけど、見たらジオルドに怒られそうなので我慢!!
「スイ、司祭及び逃げようとしている教会の人間を捕えよ!」
「はっ!殿下の仰せのままに」
天与全奪
吉相体の印が現われ、俺が標的とする人物に同じ印が刻まれそして木の蔓で拘束する。
「スイ、ここにいるので全員か?」
「いえ、気配を探ったところ、廊下に2名、別室に5名怪しい者がいたため拘束しております」
「あい、わかった。皆の者、迷惑をかけた!純粋に礼拝に訪れている者もいただろう!旅行で参拝している者もいるであろう。大変に申し訳ない。一先ず、片を付けたため、各々の願いを祈って欲しい。神に感謝の意を伝えて欲しい!!今日一日が良いことである事を切に願う」
俺は術で捕えた者たち約10名をズルズルと引きずって外に放り投げる。
と、そこには騒ぎを聞きつけたジルフォードたちがいて、皆一様に「「「「「は~~~~」」」」」と大きな溜息をつきやがられました。
「勝手に行動するな!誰が事後処理をすると思っているんだ!」
「えっ!?俺の心配はないわけ?」
「スイの心配は元より必要ない!!」
えええええええええええええええっ!!!
とは、思わない。
だって、心配されても俺より上手くやる人間なんてそうそういないからだ。
「ジ・オ・ル・ド兄上っ!!!!」
「ひっ!ジルっ!ちょ、こわっ!」
「スイを勝手に巻き込むなんて、伴侶としてどうかと私は思いますが!?」
「うわーーーーー!ジルがまじで怒ってる!!」
「で?」
「ごめんなさい。つい、答えに辿り着いたら、居ても立ってもいられなくて」
「そうですか。では、事後処理は俺ジルフォードに任せて貰いますね。スイも反論は許さない」
「「はい・・・・・・・」」
と、いうことで俺とジオルドはホテルに監禁されました。
「で!貴方たち二人は何をしでかしてくださったんですかっ!全く!」
「「すみません」」
「ジオルド殿下を怒る私たちの身にもなってください!!」
「はい、すみません」
何故かレインが大激怒。
というのも、書類整備をこの現場でまともにできるのがアシュレイ兄弟だけで、それ以外はポンコツ。
誰もアシュレイ兄弟に逆らえません。
「スイ団長もノリノリで技を披露しないでください!」
「ノリノリって・・・・・・」
「見ていた民がかなり感激されていて・・・・・正直手に負えません!」
「あ、そっち・・・・・・」
「とりあえず!殿下とスイ団長は明日もホテルに監禁です!!!」
「「えええええええええええええええええええっ!!!」」
容赦ないな、アシュレイ兄弟。
「ジルフォード殿下は自由ですけど、どうされます?」
「スイたちと元々一緒に過ごす予定だったから、二人を監視しておくよ」
「あ~それがいいですね!二人にすると何をしでかすか・・・」
「「おい」」
0
お気に入りに追加
208
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成)
エロなし。騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
いいねありがとうございます!励みになります。
その男、有能につき……
大和撫子
BL
俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。
彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。
だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。
大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?
更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!
【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています
空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。
『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。
「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」
「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる