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第一章
24.侵攻計画
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招集の間に行くと、既に第一も第二もそして女性騎士団の団長と副団長?も、席に着いていた。
ただし、第二騎士団長以外だが。
「揃ったな、皆の者」
この場は王家の者だけでなく、貴族も在席している。つまり、かなり深刻な話なのだ。
「四日後、バーミリアに攻め入る!今回の指揮権は第四騎士団団長スイレン・フウマ、貴殿だ!異論はないな?」
「拝命いたしました」
「よい。では、貴殿の考えを今この場で述べられるか?」
「はっ!」
陛下は俺を手招きし、俺を傍につかせる。
「今回のこの侵攻には第三・第四騎士団団長、副団長が赴き、時と場合によってその場で指揮を執ってもらう!ただ、皆が知っているように我が騎士団にはまだ団員がいない。今回の侵攻に関して、防御壁を張れる者、治癒術を使える者、そして、腕力がある者を借りたい!各団で人選してくれ!どうか、俺、いや、私に力をお貸しください」
俺は頭を深々と下げる。
今回は大規模なのだ。俺だけの力ではどうにもならないのだ。
前の世界では俺一人で任務を熟していたが、こんな大規模はさすがにない。組織一つを潰すなんてことは俺にとって容易いが、規模が『国』になるのだぞ。絶対に無理だ。
だから、どうしても最低でもこの三種類の力がある者が必要なのだ。
「スイ団長、頭を上げよ」
陛下が言うのならば仕方ない。でも、誰からも了承を得ていないのに、顔を上げるのは正直憚れる。が、陛下の命令なのだ、仕方ない。
俺はゆっくりと顔を上げると、そこには温かい『目』しかなかった。
「各団、今日中に人選をし、スイ団長に報告せよっ!絶対に成功させるぞ!!」
「「「はっ!!!イエス、ユアーマジェスティ!!!」」」
「キュリアス殿下!」
俺は廊下で不躾ながらもキュリアス殿下の歩みを止めさせる。
そして、忠義の礼を取る。
「どうしたスイ?私に用事か?」
「はっ!少しお時間をいただけたらと」
「ん~~後ほどスイの団室に私が赴こう。これから人選せねばならんからな」
「申し訳ありません!」
「構わない。では、あとでな」
そして、尋ねてくれた殿下に俺はある種の頼みをするのだった。
「ジルフォード殿下、今日の夜、俺の部屋の近くで待機していてください」
「ん??」
「レオ団長、アル団長もです」
俺は二人を見る。それで理解したようだ。
「今日か?」
「ああ、今日だろうな」
アルバートは俺の意図を汲み取った。
「一体何の話をしているのです?」
ユーステスは困惑の表情だ。それも仕方ないだろう。
「今晩、第二騎士団長オークレイが俺を殺しに来る」
「「「っ!!??」」」
「バーミリアの侵攻前に俺を亡き者にしておかないと、エリアスの件が露見してしまうだろう?」
「「「あっ!!!」」」
「ということで、ジオルド殿下はとりあえず、寝てろっ!顔色悪いんだよっ!俺は大丈夫だからさ!頼もしい人たちが俺を護ってくれるからさ!」
俺の身体に腕を回したまま離れようとしないジオルドの後頭部に語りかける。
「ううう、離れたくない」
「我が儘言わない!本調子でない殿下がいたら、足手まとい!俺が傷ついてもいいの?」
「っ!!!そ、それは許せん!・・・・・わかった。大人しくご飯食べて、寝る」
「うんうん、良い子良い子」
ヨシヨシと綺麗な金髪を梳いてやる。
「おい、俺たち何見せられてんの?」
「だから、言うなよ、それを・・・・・・。慣れるしかないんじゃないのか?」
「ユーステス、夜まで酒付き合え」
「了解」
ただし、第二騎士団長以外だが。
「揃ったな、皆の者」
この場は王家の者だけでなく、貴族も在席している。つまり、かなり深刻な話なのだ。
「四日後、バーミリアに攻め入る!今回の指揮権は第四騎士団団長スイレン・フウマ、貴殿だ!異論はないな?」
「拝命いたしました」
「よい。では、貴殿の考えを今この場で述べられるか?」
「はっ!」
陛下は俺を手招きし、俺を傍につかせる。
「今回のこの侵攻には第三・第四騎士団団長、副団長が赴き、時と場合によってその場で指揮を執ってもらう!ただ、皆が知っているように我が騎士団にはまだ団員がいない。今回の侵攻に関して、防御壁を張れる者、治癒術を使える者、そして、腕力がある者を借りたい!各団で人選してくれ!どうか、俺、いや、私に力をお貸しください」
俺は頭を深々と下げる。
今回は大規模なのだ。俺だけの力ではどうにもならないのだ。
前の世界では俺一人で任務を熟していたが、こんな大規模はさすがにない。組織一つを潰すなんてことは俺にとって容易いが、規模が『国』になるのだぞ。絶対に無理だ。
だから、どうしても最低でもこの三種類の力がある者が必要なのだ。
「スイ団長、頭を上げよ」
陛下が言うのならば仕方ない。でも、誰からも了承を得ていないのに、顔を上げるのは正直憚れる。が、陛下の命令なのだ、仕方ない。
俺はゆっくりと顔を上げると、そこには温かい『目』しかなかった。
「各団、今日中に人選をし、スイ団長に報告せよっ!絶対に成功させるぞ!!」
「「「はっ!!!イエス、ユアーマジェスティ!!!」」」
「キュリアス殿下!」
俺は廊下で不躾ながらもキュリアス殿下の歩みを止めさせる。
そして、忠義の礼を取る。
「どうしたスイ?私に用事か?」
「はっ!少しお時間をいただけたらと」
「ん~~後ほどスイの団室に私が赴こう。これから人選せねばならんからな」
「申し訳ありません!」
「構わない。では、あとでな」
そして、尋ねてくれた殿下に俺はある種の頼みをするのだった。
「ジルフォード殿下、今日の夜、俺の部屋の近くで待機していてください」
「ん??」
「レオ団長、アル団長もです」
俺は二人を見る。それで理解したようだ。
「今日か?」
「ああ、今日だろうな」
アルバートは俺の意図を汲み取った。
「一体何の話をしているのです?」
ユーステスは困惑の表情だ。それも仕方ないだろう。
「今晩、第二騎士団長オークレイが俺を殺しに来る」
「「「っ!!??」」」
「バーミリアの侵攻前に俺を亡き者にしておかないと、エリアスの件が露見してしまうだろう?」
「「「あっ!!!」」」
「ということで、ジオルド殿下はとりあえず、寝てろっ!顔色悪いんだよっ!俺は大丈夫だからさ!頼もしい人たちが俺を護ってくれるからさ!」
俺の身体に腕を回したまま離れようとしないジオルドの後頭部に語りかける。
「ううう、離れたくない」
「我が儘言わない!本調子でない殿下がいたら、足手まとい!俺が傷ついてもいいの?」
「っ!!!そ、それは許せん!・・・・・わかった。大人しくご飯食べて、寝る」
「うんうん、良い子良い子」
ヨシヨシと綺麗な金髪を梳いてやる。
「おい、俺たち何見せられてんの?」
「だから、言うなよ、それを・・・・・・。慣れるしかないんじゃないのか?」
「ユーステス、夜まで酒付き合え」
「了解」
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